アゲイン ‘もののあはれと日本の美’展!
土佐光起の‘春秋花鳥図屏風’(右隻 江戸時代 17世紀 穎川美)
本阿弥光悦・俵屋宗達の‘鹿下絵新古今集和歌巻’(17世紀 サントリー美)
サントリー美で開かれている‘もののあはれ展’(4/17~6/16) は追っかけ画が5点あるのでまた行かざるをえない。北村美蔵の‘佐竹本三十六歌仙絵 藤原仲文’(重文 展示5/8~5/20)もみたかったが、これは京都へでかけたときの楽しみにとっておくことにして、ほかのものを優先した。
その絵は土佐光起の‘春秋花鳥図’(5/22~6/16)と‘伊勢新名所絵歌合’(重文 5/15~6/16)。‘春秋花鳥図’を所蔵しているのは西宮にある穎川(えがわ)美。この美術館の名前は20年前にあった‘やまと絵展’(東博)の図録でインプットされたが、えがわと読むのに時間がかかった。
この屏風のほかに長沢蘆雪の‘月夜山水図’(5/22~6/16)もコレクションしている。関西方面へでかけたときは訪問してみようと思っていたが、運よく東京でみれたのでその必要がなくなった。
前回とりあげた‘秋草鶉図’同様、‘春秋花鳥図’も図録で魅了されていたが、本物は期待どうりの華麗な屏風だった。季節柄右隻の桜と柳に目が釘付けになる。ナイアガラの滝を連想させるのが柳の細い枝、多くの柳が金雲を前後ではさむようにして垂れ下がっている姿がとても美しく感じられる。
今回はこの絵と‘伊勢新名所絵歌合‘の2点買いなので、あとはさらっとみた。足がとまったのは光悦と宗達の合作‘鹿下絵新古今集和歌巻’、鹿の絵はほかにもいくつかあるが鹿が何頭も群がっているこの絵が一番気に入っている。
琳派の絵とやきものが今回沢山でている。宗達10点、尾形光琳(1658~1716)の‘秋草図’、乾山の絵・やきものが合わせて5点、酒井抱一1点、鈴木其一4点。だから、琳派に心を寄せてみると楽しさが増すかもしれない。
近代日本画のいい絵と再会した。北野恒富(1880~1947)の‘星’、こういう美人画の構図は簡単にでてくるように思いがちだが、これがむつかしい。しばらくいい気持ちでみていた。
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コメント
いい作品の多い展覧会でした。
おっしゃる通り、土佐光起の『春秋花鳥図屏風』は、華麗ですばらしいと思いました。桜とともに柳の描写がとても素敵ですね。
尾形光琳の『秋草図屏風』は、白菊が盛り上っていて、しばし見とれました。
同じく琳派の鈴木棋一の小さな絵巻も私には魅力的でした。
北野恒富の作品は、青の階調が素晴らしいです。女性の体は、鳥居清長の作品のように引き伸ばされいますが影響を受けたのでしょうか。
他にも岩佐又兵衛、長澤芦雪、鏑木清方など全体的にいい作品が揃っていますね!
投稿: ケンスケ | 2013.06.06 21:53
to ケンスケさん
テーマ型の展覧会は回顧展に比べれば気持ち
半分という感じなのですが、評点が高くなる
かはラインナップ次第です。
サントリーの場合、企画力はいいですから足が
向かいます。展示期間をすっきりさせてくれた
らいうことないのですが、
今回印象深かったのは‘春秋花鳥図’の細い々
柳の枝、胡粉の盛り上がりがスゴイ光琳の菊、
そして北野恒富の青のグラデーション。
日本画を趣味で描いている知人と一緒にみたの
ですが、ケンスケさんと同じように北野の女性画
のグラデと長くみせる体の描き方に感心して
ました。
投稿: いづつや | 2013.06.07 00:26