« 一生の思い出となる‘貴婦人と一角獣展’! | トップページ | 五感に序列があるの? »

2013.05.28

アートに乾杯! 一角獣の美

Img_0001_2     モローの‘一角獣’(1885年 パリ モロー美)

Img_0003_2     ボスの‘快楽の園’(部分 1500~10年 マドリード プラド美) 

Img_0004_2     ‘驚異の書’マルコ・ポーロの旅の報告記、1410年頃 フランス国立図書館

Img_0002_2     ‘エジプトの奇想天外な動物たち’1485年 フランス国立図書館

一角獣(ユニコーン)の絵というとすぐ思いつくのがある。モロー(1826~1898)の‘一角獣’、この絵は何年か前、日本にやってきた。たしかBunkamura。国立新美で今展示されているタピスリー‘貴婦人と一角獣’が一般公開されたのが1882年。モローはこのタペスリーに刺激されてこの絵を描いたといわれている。

獰猛な一角獣は処女の前ではおとなしくなるというのはこの絵をみるとよくわかる。サロメを連想させる妖艶な女性二人に体を触られて3頭はもう羊のようなやさしい動物に変身している。モローの絵にはスフィンクス、ケンタウロス、キマイラなど架空の動物がいろいろでてくるが、この一角獣の姿に一番惹きつけられる。

ボス(1450~1516)の‘快楽の園’(三連祭壇画)にも一角獣は登場する。でも画面をじっくりみないと気づかない。全部で3頭いる。まず1頭は左翼パネルの‘地上の楽園’の左上に描かれ、生命の泉で水を飲んでいる。もう2頭は中央パネルの‘快楽の園’。真ん中の池の周囲をまわっている騎馬行列に目をやると、右上に裸の男が一角獣に乗っている。そして、左下のところにもう1頭が首や前足をみせている。

一角獣は怪獣のひとつとして百科事典的な書物によくでてくる。マルコポーロ(12世紀)の東方見聞録に記述された一角獣を15世紀のはじめ頃当時の画家が描いている。マルコポーロはサイを伝説上のユニコーンと同じものだとみなしていた。

フランス国立図書館にはおもしろい本がもう一冊ある。挿絵‘エジプトの奇想天外な動物たち’はロピネ・テスタール著‘世界の驚異の書あるいは自然の秘密’に使われたもの。ライオンやワニなどにまじって白い一角獣がいる。

NYのメトロポリタン美の分館、クロイスターズに7枚の連作タピスリー‘一角獣狩り’があることは以前から図録で知っている。これがつくられたのは‘貴婦人と一角獣’と同じ1500年頃、日本で‘貴婦人と一角獣’を奇跡的にみることができたので、METにあるものも是非みたくなった。

|

« 一生の思い出となる‘貴婦人と一角獣展’! | トップページ | 五感に序列があるの? »

コメント

『貴婦人と一角獣』展で、一角獣の象徴的意味がいろいろ解説されていましたが、愛欲と切り離せないのでしょうか。

ボスの『快楽の園』の中央パネルで池の周囲を回り続ける人間が愛欲から抜け出せない状況を示唆しているなら、一角獣もその状況の一つの象徴なのかな、と初めて考えてみました。

ボスを別とすると一角獣は、フランスにおいて特に重要な存在なのでしょうか。イタリアなどの美術では、あまり目にした記憶がないのですが。

投稿: ケンスケ | 2013.05.30 23:02

to ケンスケさん
一角獣の話が載っている本がわずかしかあり
ませんので、一角獣のイメージが定まりません、
ですが、最初にみたモローの絵が目にやきつい
てますから、純潔の象徴としてとらえてます。
獰猛な怪物のイメージではないですね。

図録に興味深い一角獣の絵がいろいろでてき
ますし、パリの国立図書館にも一角獣が描かれ
た本がありますから、フランスでは一角獣の情報
がふえそうですね。

投稿: いづつや | 2013.05.31 00:27

思い出したことがあるので、また書かせていただきます。

前回、イタリア美術では一角獣をあまり目にしたことがないと書きましたが、ボルゲーゼ美術館にはラファエロの『一角獣を抱く貴婦人』がありますね!

上記のラファエロ作品では、一角獣が犬のように小さく描かれていますが、イタリアでも一角獣が象徴的に捉えられていたのでしょうね。

投稿: ケンスケ | 2013.06.06 23:20

to ケンスケさん
ラファエロの一角獣もありましたね。
この記事を書いたあと気づきました。この絵は
女性の顔がダメなので記憶から消えてます。

この一角獣は仰るように馬ではなくて犬の感じ
ですね。ラファエロはダヴィンチの‘白貂を
抱く貴婦人’を意識したのでしょうか?

投稿: いづつや | 2013.06.07 00:33

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: アートに乾杯! 一角獣の美:

« 一生の思い出となる‘貴婦人と一角獣展’! | トップページ | 五感に序列があるの? »