« ‘もののあはれ展’ 内容はいいが不満の募る展示期間! | トップページ | ビッグニュース! 2014年1月 ‘ラファエロ前派展’ »

2013.05.07

ダ・ヴィンチの‘音楽家の肖像’がやって来た!

Img_0001_2     ダ・ヴィンチの‘音楽家の肖像’(1485年頃 アンブロジアーナ絵画館)

Img_0002_2     ルイーニの‘聖家族と洗礼者聖ヨハネ’(1520年代後半)

Img_0004_2     ダ・ヴィンチの‘アトランティコ手稿 頭部の素描ほか’(1482~83年)

Img_0003_2      ‘アトランティコ手稿 複数の弩を装備した歯車の素描’(1485~87年)

東京都美では今‘ダ・ヴィンチ展’(4/23~6/30)が開催されている。ダ・ヴィンチ(1452~1519)は西洋絵画史において特別の存在だから、たとえ作品が1点しかなくても出かけないわけにはいかない。今回の目玉は06年ミラノでみたことのある‘音楽家の肖像’と‘アトランティコ手稿’。

ミラノの名所観光のあと自由時間をやりくりして足を運んだアンブロジアーナ図書館・絵画館、忙しい日程のため館内にいたのは30分ほど。あわただしい鑑賞だっので1485年頃描かれた‘音楽家の肖像’の前にそう長くはいれなかった。印象深かったのはダ・ヴィンチしか描けないと思わせる金髪の細密な描写、顔の部分はすんなりダ・ヴィンチの作品、気になったのが黒と土色の衣装。筆が丁寧に入ってなく衣装の質感がない。

でもそのときは、それはどうでもよかった。なにしろ、この絵をみたことでダ・ヴィンチがコンプリートになったのだから。その感激で気分はプラトー状態。その絵と7年ぶりの対面、顔から下はやはりほかのダ・ヴィンチの作品とはちがうなという気がする。だから、カールした髪と内面まで強く伝わってくる彫りの深い顔を再度目に焼きつけた。

ダ・ヴィンチ派の作品はさらさらとみたが、2点でているルイー二(1480~1532)の絵の前にしばらくいた。ダ・ヴヴィンチをみているような気分になるのが‘聖家族と聖ヨハネ’。‘音楽家の肖像’1点だけで満足なのに、この絵がありダ・ヴィンチモードの濃度が濃くなったのはよかった。

今回この展覧会へ出かけたのはダ・ヴィンチの手稿のなかで最も有名な‘アトランティコ手稿’をしっかりみて、それが収録されている図録をゲットすることだった。展示されているのは1118の紙葉のうち22葉。‘頭部’や‘複数の弩を装備した歯車’などの素描を1点々じっくりみた。

8年前ビルゲイツが所蔵する‘レスター手稿’に出会い、このたびアンブロジアーナ図書館にある‘アトランティコ手稿’をみることができた。天才ダ・ヴィンチの世界に一歩々近づいていることがわけもなく嬉しい。

|

« ‘もののあはれ展’ 内容はいいが不満の募る展示期間! | トップページ | ビッグニュース! 2014年1月 ‘ラファエロ前派展’ »

コメント

開幕日に行ってまいりました。

『音楽家の肖像』は私にとっては初見でしたが、やはり未完のレオナルド作品(補筆があるにしても)なのではないかと思います。

やや生硬な感じがありますが、それはワシントン・ナショナルギャラリーの『ジネブラ・ベンチの肖像』にも見受けられますし、『音楽家の肖像』はワシントン作品の少し後に書かれたものではないかと思えるのですが。

それに『音楽家の肖像』は、ほぼレオナルド作とされるテラコッタの『青年の肖像』にも似ていると思います。

『音楽家の肖像』では、カールしている髪の毛の描写が渦巻く水流のように描かれていますね。レオナルドは、髪の毛と水流、植物の間に同じ文様のパターンがあると信じていたようですが、この髪の描写はまさに渦巻く水流のようです。

ルイー二の作品は、ロンドン・ナショナルギャラリーの『聖アンナと聖母子』に構図がよく似ていますね。

エルミタージュにある『ブノワの聖母』以外、私も全レオナルド作品を実見することができ、うれしいです。

投稿: ケンスケ | 2013.05.09 22:22

to ケンスケさん
ダ・ヴィンチで最も魅かれるのがカールした髪
の描写と聖アンナと聖母マリアの美しい顔です。
今回の‘音楽家の肖像’もいいですね。未完
なんでしょうね。

ケンスケさんもダ・ヴィンチのコンプリートに
あと1点ですか。やりましたね。今次の目標に
しているのは数年前に発見された‘美しき姫君’
です。これも日本にやって来て欲しいですね
。実現するような気がしているのですが、
どうでしょう。

投稿: いづつや | 2013.05.10 00:00

どうなんでしょう、昨日の千足先生講義でも言われてましたが、あんなのは、ダヴィンチ展と呼べないと。
考えれば、ダヴィンチ作品は、音楽家と、手稿しか来てないわけですね、今日考えて、ダヴィンチとその周辺展、とかにすればと。
僕は手稿とダヴィンチ愛読書が面白かったです。
プラトン神学ー魂の不死について、なんて読んでたんですね。
ラファエロが済んであとは、ミケランジェロですか、どうなりますか?

投稿: oki | 2013.05.12 03:29

to okiさん
油彩の真作は1点だけ、それをすでにみている
ので普通ならパスするところですが、アトラン
ティコ手稿がありますから出かけないわけには
いきません。今回は資料入手の意味合いが大き
いダ・ヴィンチ展でした。

ミケランジェロの展覧会もこれと同じですね。
レリーフの大理石彫刻が1点、これが目玉で
あとは素描など。でも、日本でミケランジェロ
の大理石に彫った作品がみれるなんてことは
これから先30年くらいはないでしょうから、
貴重な鑑賞になることはまちがいないです。
海外の有名な彫刻作品はなかなかやって来ま
せん、1点でも幸運なめぐりあわせです。

投稿: いづつや | 2013.05.12 15:25

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ダ・ヴィンチの‘音楽家の肖像’がやって来た!:

« ‘もののあはれ展’ 内容はいいが不満の募る展示期間! | トップページ | ビッグニュース! 2014年1月 ‘ラファエロ前派展’ »