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2013.05.27

一生の思い出となる‘貴婦人と一角獣展’!

Img_2     ‘貴婦人と一角獣 触覚’(1500年頃 クリュニー中世美)

Img_0001_2     ‘味覚’(部分)

Img_0004_2     ‘視覚’(部分)

Img_0002_2     ‘我が唯一の望み’

国立新美で開催されている‘貴婦人と一角獣展’(4/24~7/15)をみてきた。パリのクリュニー中世美にすばらしいタピスリーがあることはTVの美術番組などにより以前から知っている。だから、アバウトだがクリュニー美は次のパリの美術館めぐりをするときの候補のひとつに入れていた。

その追っかけが幸運なことに一気に早まった。貴婦人と一角獣、そしてライオン、うさぎ、猿、鳥、花の精たち御一行様が大挙日本へお出ましいただくことになろうとは。こんな夢みたいな話が実現するのだから日本の美術シーンは本当にスゴイ。

そして、タイミングよく昨日の日曜美術館はこの貴婦人と一角獣のタピスリーを特集、そのためか2階の展示室には大勢の人がいた。この6枚の大きなタピスリーに何が描かれているかは事前のインプットが効いているので、絵の中にすっと入っていける。描かれた‘五感’は序列の低い順番から時計まわりで飾られている、‘触覚’、‘味覚’、‘嗅覚’、‘聴覚’、そして‘視覚’、最後は‘我が唯一の望み’。

御一行様のなかで緯線が向かうのはやはり貴婦人と一角獣。貴婦人の顔は6面ともみな違う、お気に入りは‘味覚’の右手でお菓子をとり左手にとまった鳥にあたえている貴婦人。また、‘触覚’の一角獣の長い角を握っている貴婦人の横顔にも惹かれる。

一角獣とライオンがペアで描かれているが、ライオンには申し訳ないが一角獣ばかりみていた。体に量感がありとても愛らしいのが‘視覚’の一角獣。容姿度ではちょっと落ちる貴婦人のひざに前足をのせる姿が微笑ましい。

このタピスリーにはいろいろな動物が登場する。一角獣とライオンのほかには、うさぎ、猿、犬、子羊、狐、子こどもライオン、そして鳥はカササギ、鷺、ハヤブサなどなど。このなかでおもしろいことに気づいた。猿は6面全部に登場しない、なぜかある感覚にはまったく描かれてない。何度もみたがいなかった、さてどの感覚か?みてのお楽しみ!

最後の‘我が唯一の望み’はこれまでいろいろな解釈がされてきた。ここには第六感の‘心’が描かれている。貴婦人は宝石箱に首飾りを戻しているのか、これからつけようとしているのか、どっちだろう。それとこの‘心’の意味がどうつながっているのか、興味は尽きない。

久しぶりに読み応えのあるいい図録が手に入った。満足度200%の展覧会だった。

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コメント

私も先日行ってまいりましたが、タピスリーの輝きに目を奪われました。私も日曜美術館や芸術新潮でクリュ二ー美術館の展示方法を見たのですが、国立新美術館ではそれ以上に広々として、ゆったり観賞できるようですね。

色は赤、青、緑が支配的で、その他の色は少なく、統一されていると感じました。

図像的には、囲まれた庭の中にいるというのが面白いと思いました。図録は買っていませんが、やはり何かの象徴なのでしょうね。

説明プレートには、貴婦人と一角獣にまつわるいろいろな解説がありましたが、やはり愛の成就に関する思想を表現しているのでしょうか。五感と心があって、『我が唯一の望み』=恋愛の対象の心を射止める?のが唯一の願いなのでしょうか。

私は小説も大好きなのですが、原田マハさんが小説を書いてくれたら読みたいです。

投稿: ケンスケ | 2013.05.27 23:22

ああ、これは、良い展覧会でしたね。
会場が広いから、多く人が入っても、混雑の印象はないですし。
我が唯一ののぞみ、は不思議ですね。結婚の記念なら、何がのぞみなのか?という疑問も出ますし。
中世の最高傑作が日本にあるわけですね。
これと、漱石展が、今のところ今年のベストです!

投稿: oki | 2013.05.28 22:51

to okiさん
このフランスの至宝が日本にやってくるなんて
本当にすごいですね。五感の寓意は知識欲を
大いに刺激しますし、‘我が唯一の望み’の読
み解きも興味深いです。

漱石展はいい作品をそろえていますね。これを
担当した古田さんのもっているラインナップ力に
はいつも感心させられます。今回も重文の蕪村
がありとびあがりました。

投稿: いづつや | 2013.05.29 00:19

『貴婦人と一角獣』のタピスリーの実際の大きさに驚きましたが、色彩のあでやかさも素晴らしいですね!

赤、青、緑が支配的で、全体の色調が意識的に統一されているように思いました。

図像的には、貴婦人と一角獣、ライオンが庭の中にいるというのが面白いと思いました。

一番目を惹かれたのは、『我が唯一の望み』でした。五感を統合して、愛の成就=我が唯一の望み?と個人的に解釈しましたが、どうなのでしょうか。

いろいろな解釈を生む謎のある作品は、それだけ興味深く感じられます。

投稿: ケンスケ | 2013.05.30 22:46

to ケンスケさん
フランスの至宝といわれているタピスリーが日本
でみれるのですから、本当に嬉しいですね。

大きなタピスリーですから隅から隅までみると
時間がかかります。千花文様のなかにうさぎがい
たり鳥がいたりで夢中になります。そして貴婦人
と一角獣がやさしい感じがするのがいいです。

‘我が唯一の望み’の意味をどう読み解くか、
知性よりは愛を思ってみるほうが楽しいですね。

投稿: いづつや | 2013.05.31 00:09

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