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2013.05.23

東芸大美の好きそうな‘夏目漱石の美術世界展’!

Img_0002_2     ターナーの‘金枝’(1874年 ロンドン テート・ブリテン)

Img_2            ミレイの‘ロンドン塔幽閉の王子’(1878年 ロンドン大学)

Img_0004_2              与謝蕪村の‘竹渓訪隠図’(重文 18世紀)

Img_0006_2            長沢蘆雪の‘山姥図’(18世紀 遠山記念館)

東芸大美では現在‘夏目漱石の美術世界展’(5/14~7/7)が行われている。足を運んだのは漱石の絵画に対する好みに興味があったからではなく、チラシにのっているある絵がみたかったから。1点買いの鑑賞だから、さらさらとみて20分で終わった。

ターナー(1775~1851)の‘金枝’は一度現地でみたことがある。黄金色の光にあふれた画面はクリムトの金箔で彩られたものとはだいぶ趣がちがう。描かれているのはヴェルギリウスの詩‘アエネアスの歌’の一場面。左にいるのが金枝をもった巫女。巫女は地下の世界へ行こうとする英雄アエネアスに‘ささげものとして金枝を探してもっていかないと入れてくれない’と教えてやる。

真ん中の踊りの輪を対角線的にとりかこむように立っているのがキノコのような形をした松。こんな松は実際にみたことがない。慣れ親しんでいる日本の松とは異なった形なのでこの松ばかりに視線がいく。

今回のお目当てはミレイ(1829~1896)の絵。エドワード4世の二人の王子が叔父のリチャード3世によってロンドン塔に幽閉され殺されたことをテーマにしたこの絵の存在を知ったのは17年前のこと。一生縁がないと思っていたが、日本でみる幸運に恵まれた。不安げな表情をみせる二人の王子、死はそこまでしのびよってきている。

ミレイがみれればそれで目的は達せられたのに、嬉しいオマケがあった。5/26までの展示となっている与謝蕪村(1716~1783)の‘竹渓訪隠図’。以前MIHO MUSEUMであった蕪村の回顧展でこの絵は展示替えで見逃したので、追っかけ画リストにずっと残っていた。その絵が目の前に現れた。まさに犬も歩けば棒にあたる!

再会した長沢蘆雪(1754~1799)の‘山姥図’は緊張をしいられる作品。山姥の顔はまるで般若の能面のよう。厳島神社にあるグロテスクな山姥と金太郎の作品と較べると、こちらの山姥のほうがずっと怖い目をしている。


テーマ型の展覧会のときはいつも軽くみている。ミレイと蕪村があったからそれで十分。

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コメント

この展覧会は、私には予想以上に楽しめました。

ターナーは、イタリアに行ったからイタリアにある地中海松を描いたのでしょうが、『金枝』は幻想的な光が超現実的でいいですね。

ウォータ―ハウスの人魚の絵などラファエル前派のイギリス絵画もよかったですが、日本の絵画も期待以上でした。与謝蕪村の雨の中を歩く三人の漁師の絵や、松岡映丘のオフィ―リアに感化された絵巻などしばし見とれました。

ただチラシにある酒井抱一の作は、六月末の一週間だけの展示ということで残念でした。

投稿: ケンスケ | 2013.06.01 22:50

to ケンスケさん
この展覧会はレベルの高いテーマ展だと思い
ます。日本画も洋画も相当いいのが揃ってますね。
若冲もしっかり3点あり、蕪村、蘆雪もいいの
がでてます。抱一の重文の絵は過去に2回みた
のですが、なかなか登場しません。

イギリスからやってきたものはミレイがお目当て
でした。これをみれたのでOKです。

投稿: いづつや | 2013.06.02 00:12

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受信: 2013.05.31 10:53

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