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2013.04.27

アートに乾杯! ろうそくの炎の美学

Img     ラ・トゥールの‘大工の聖ヨセフ’(1640年 ルーヴル美)

Img_0002     エル・グレコの‘ろうそくの火を吹く少年’(1570~75年 カポディモンテ美)

Img_0004     ルーベンスの‘ろうそくを持つ老婆と少年’(1616年 マウリッツハイス美)

Img_0003     ホントホルストの‘大祭司の前のキリスト’(1617年 ナショナルギャラリー)

先週の‘美の巨人たち’でとりあげられたラ・トゥール(1593~1652)が3日前の‘世界の名画’(BS朝日)にも登場した。みる前はこの番組でもルーヴル・ランス美に出かけたのかなと思っていたが、これは予想がはずれルーヴル本館に展示してある‘大工の聖ヨセフ’に焦点をあてたものだった。

この絵をはじめてみたのがいつだったか記憶がだんだん薄れてきているのに、絵から受けた感動はずっと体の中に残っている。とくに印象深いのが少年イエスの手がろうそくの炎で透けてみえること。このリアルな表現に200%体が震えた。そして、その光があたって白く光るヨセフの額にも目が点になる。この絵を見た人は誰もがラ・トゥールの虜になるにちがいない。

‘ろうそくの火を持つ少年’を描いた画家があの細長い人体描写のイメージがこびりついているエル・グレコ(1541~1614)だというのが今もって謎。この絵だけをみるとエル・グレコはラ・トゥールとろうそくの光の画家としてペアを組んで絵画選手権に出場できる。幸運にもこの絵とは4、5年前ナポリではなく日本で対面することができた。そして、今年は別ヴァージョンに東京都美で開催された‘エル・グレコ展’でお目にかかった。

ルーベンス(1577~1640)の絵を知ったのは2011年12月のこと。マウリッツハイスでラ・トゥールのようなろうそくの光に浮かび上がる人物に会うとはまったく想定外だったので、その衝撃はマグニチュード7クラスだった。そして、思った。ルーベンスだって光の画家、ただこういう絵より動きの激しい人物を劇的に表現した歴史画のほうに注文が殺到したため、王の宮殿や貴族の館に飾る大作の制作に没頭したのだと。

ラ・トゥールもホントホルスト(1592~1656)もカラバッジョ(1571~1610)から大きな影響を受けた。ホントホルストの‘大祭司の前のキリスト’で描かれたろうそくの炎も強く目に焼きついている。この絵は見方によってはラトゥールの‘大工の聖ヨセフ’とつながっている作品ともいえる。ここではろうそくの光が成長したイエスを明るく照らしている。

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