« アートに乾杯! 馬力をまさに感じさせる馬図 | トップページ | ダルビッシュ 3勝目! »

2013.04.19

山雪の描く龍や虎はゆるキャラ系!

Img_0002_2     ‘松梟竹鶏図’(部分 17世紀 根津美)

Img_0003_2     ‘出山釈迦・龍虎図’(部分 17世紀)

Img_0005_2     ‘龍虎図’(17世紀 佐賀県博)

Img_0001_2     ‘虎図屏風’(部分 17世紀)

今、先週京都でみた‘狩野山楽・山雪展’(3/30~5/12)の余韻に浸っている。この回顧展には特別の思い入れがあった。というのは、‘狩野永徳展’(07年)や‘河鍋暁斎展’(08年)などをみるため京博へ行ったときは必ずアンケート用紙に‘山楽・山雪展の開催を強く期待します’と書いていたから。学芸員がずっと前から構想しそれが漸く実現したのだと思うが、こちらの願いと美術館の心意気がピタッとシンクロしたことは素直に嬉しい。

図録をみていて画面に釘づけになるのはこれまで画業の全貌に接することがなかった山雪(1590~1651)。足がとまった作品で意外な感じがしたものがあった。それはゆるキャラ系の龍や虎。これにびっくりする前に現れたのが梟。この横にらみの梟、すぐにでもゆるキャラ祭りのイベントに出演できそう。根津美の所蔵だが、こんな絵があったとは!

つづいてニヤニヤしたのが龍と虎、これも相当ゆるい。今回みた‘龍虎図’は3点。龍はちっとも怖くない、真ん中に釈迦のいる三幅対に描かれた龍はとても痩せていてそのキャラは赤塚不二夫のニャロメタイプ、これは笑える。また、佐賀にある‘龍虎図’も気の弱そうな龍、こんな迫力のなさで虎に勝てるの?という感じ。

この龍の顔をみていると昨年ボストン美から里帰りした曽我蕭白の‘雲龍図’(拙ブログ12/3/23)が目の前をよぎった。山雪の140年後に生まれた曽我蕭白はひょっとすると山雪が描いたゆるキャラの龍をみたのかもしれない。山雪と蕭白の結びつきはこの龍の顔だけでなく波の表現にもみられる。山雪のDNAは蕭白に受け継がれた!?これは俄然おもしろくなった。

この龍虎図の虎と一番下の単独で描かれた虎は同じような格好で川の水を飲んでいる。この虎だけ描かれたものは何年か前、森美であった展覧会でみたもの。どちらの虎も山楽の虎と比べれば猛獣と猫ちゃんという感じだが、回顧展に展示されている虎のほうがすこし強そう。これに対し、下の虎はなにかでれっとした感じで強さはみじんも感じられない。横をみる目には落ち着きのなさが如実に現れている。この虎をゆるキャラに仕立て子どもたちの人気者にするのは容易いこと。

山雪が生きたのは17世紀、ほかの狩野派が永徳から受け継いだ画風で虎や龍を描いていたのに山雪は人間の内面を映したような表情豊かな龍や虎を描いた。モチーフに合わせて多面的に反応する絵心にただただ感服するばかり。

|

« アートに乾杯! 馬力をまさに感じさせる馬図 | トップページ | ダルビッシュ 3勝目! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 山雪の描く龍や虎はゆるキャラ系!:

« アートに乾杯! 馬力をまさに感じさせる馬図 | トップページ | ダルビッシュ 3勝目! »