アメリカ西海岸にあるラ・トゥールがみたい!
‘マグダラのマリア’(1638~40年 ロサンゼルス郡立美)
‘楽士たちのいさかい’(1625~30年頃 ポール・ゲッティ美)
絵画の視覚体験を重ねてくると、画風のちがう作品にいろいろ出くわす。反応の仕方としてはスゴく惹かれるもの、まあー好きかな、次の鑑賞はなくていいな、これは何度見ても好きになれそうにない、だいたいこの4つに分かれる。
当たり前のことだが、美術史家ではないので関心の対象は最初の二つに集中する。ここに入る画家はかなりの数にのぼる。幅広く絵画を楽しもうと思っているので、人気の画家だけでなく名作の数は少ないが腕のいい作家も多く含まれている。
一方、何度みても魅かれるものがないなという作家は何人かいる。その一人がベーコン、今東近美で回顧展が行われており、まだ知らない作品がありそのなかに魅かれるものがあるかもしれないとちょっと期待して出かけたが、やはりダメだった。幽霊やホラー映画に登場する不気味な怪物を連想さす顔の表現がどうしても好きになれない。で、15分で退館した。
ラ・トゥールはカラヴァッジョとともに腹の底から魅せられている画家なので、憧れの作品は追っかけ画リストの最上位に載せている。今狙っているのはアメリカの西海岸にある美術館が所蔵する作品。まだ足を踏み入れてないロサンゼルス、この大都市がNYのようにアートの街だということは十分に察しがつくのだが、交際範囲のなかにこの街の楽しみ方を教えてくれる人がいないので今のところは美術本とか旅行のガイドブックだけが頼り。
まずみたいラ・トゥールはロサンゼルス郡立美にある‘マグダラのマリア’(拙ブログ09/5/7)。マリアのポーズはルーヴルにあるものと同じ。4点ある‘マグダラのマリア’のおもしろいところはモデルの女性が皆ちがうこと。一見すると同じ女性のようにみえるが、よおーくみると別人。早くこのマリアに会いたい。
ポール・ゲッティが所蔵する‘楽士たちのいさかい’も鑑賞欲を刺激する作品(10/9/23)。この時代に生きた人々の生々しい感情のもつれが引き起こす喧嘩の様子がリアルに表現されている。傑作風俗画の一枚といえるのではなかろうか。アメリカには本当にいいラ・トゥールがある。
LAへ行くならやはりサンフランシスコにも寄りたい。サンフランシスコ美にあるのが‘老人と老女’。当面の目標はこの3点。ミューズのアシストはあるだろうか?
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コメント
ラトゥール、西洋美術館の展覧会で、復権しましたね。
西洋美術館は、ハンマースホイとかあまり知られてない画家やって、流石だなと。
ルーヴル、オルセー持ってくるばかりが能じゃない。
ラトゥールは良く存じないんですが、アメリカに多くあるのですか?
明日から貴婦人と一角獣はじまりますが、作品数が少ないのがー。
いづつやさんは、お目当てだけご覧になるのでしょうね。
投稿: oki | 2013.04.24 00:58
okiさん
西洋美でラ・トゥール展が開催されたのです
からスゴイです。お蔭でラ・トゥールにぐっと
近づくことができました。
アメリカのコレクターはラ・トゥールのいい絵を
コレクションしてます。カラヴァッジョ、フェル
メール同様、ラ・トゥールもしっかりゲットし
たのは豊富な資金力だけでなく、眼力があった証
ですね。
一角獣展はしばらくたっていく予定ですが、これ
は赤丸つきの展覧会です。日本でみられるなんて
夢のようです。
投稿: いづつや | 2013.04.24 13:47