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2013.03.13

魅了されるラファエロの男性肖像画!

Img_0002_2     ‘エゼキエルの幻視’(1510年 フィレンツエ パラティーナ美)

Img_0004_2     ‘ドヴィーツィ枢機卿の肖像’(1516~17年 フィレンツェ パラティーナ美)

Img_0003_2     ‘友人のいる自画像’(1518~20年 パリ ルーヴル美)

Img_0001_2     タピストリー‘聖ステパノの殉教’(1517~19年 ローマ ヴァチカン美)

天才と称される画家はその才能の現われ方が多面的であることが多いが、ラファエロ(1483~1520)も例外ではない。それをなしえたのはラファエロの高い吸収力。天才は天才を知るといわれる通り、先輩のダヴィンチやミケランジェロのスゴイ技をすぐマスターし、優雅な聖母像からリアルな肖像画、さらには見る者をうならせる大壁画までなんでも描きあげてしまう。まさにワンランク上の天才という感じ。

人物画への関心は8割が女性を描いたものに向かっているが、ラファエロについては男性の肖像画のほうに魅せられている。今回出品された23点のなかにぐっとくる作品があるので、今日はそれを中心に男性の絵ばかり4点。

‘エゼキエルの幻視’は小さな絵なのだが、神や翼をつけたライオンなどの動きのある描写と立体的な配置により絵の世界は心のなかで大きく膨らんでいく。そして、気持ちを高揚させるのは背景の黄金と上部と左下にみえる光の筋、神の出現を効果的に装飾している。

フィレンツエにあるピッティ宮をはじめて訪れたとき、2点の聖職者の肖像が強く印象に残った。ひとつは斜視の聖職者、もう1点はこの‘ドヴィーツィ枢機卿の肖像’。頭のよさそうな枢機卿と今まさに対面しているよう。こういう目力を200%感じる肖像画にはそうお目にかかれない。

ルーヴルにある‘友人のいる自画像’をみるたびに連想するのがカラヴァッジョの絵。この絵がバロックに一歩も二歩も踏み込んでいると思わせるのは友人の短縮法で描かれた右手。カラヴァッジョの‘エマオの晩餐’に描かれたキリストの手がダブってみえてくる。

今回大きなタピストリーがでている。ヴァチカン美で傑作‘変容’が展示してある部屋でビッグサイズのタピストリーが4,5点飾ってあったが、この‘聖ステパノの殉教’だったかどうかは覚えてない。石打ちの刑というのは見るからに痛そう。あんな大きな石を頭に落とされたら痛いどころではなく即死だろう。死の恐怖に怯える聖人のゆがんだ顔が目に焼きつく。

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コメント

ラファエロの肖像画家としての力量は大変なものですね。

『ドヴィーツィ枢機卿の肖像』は弟子の手が入っているという意見もあるようですが、赤と白の衣服の描写は確かですし、人物の内面も窺えて、質の高い作品であることは間違いないと思います。プラドにあるラファエロの『枢機卿の肖像』を思い出させます。

『二人の男の肖像』は、おっしゃる通りバロックに近づいていますね。ラファエロがもっと長生きしていたら、もっともっとたくさんの素晴らしい作品を残してくれていたのでしょう。夭折したのは、本当に惜しまれます。

投稿: ケンスケ | 2013.03.16 22:06

to ケンスケさん
‘ドヴィーツィ枢機卿’ははじめプラドにある絵
と同じ人物かと思いました。よく似てますね。男性
の肖像画はこの‘ドヴィーツィ’、プラド蔵、
そしてピッティ宮にある‘アニョロ・ドーニの肖像’
がお気に入りです。

ルーブルにある自画像と似た雰囲気をもつ二人の男
の肖像の絵をローマのドーリア・パンフィーリ美で
みて、亡くなる前のラファエロはもうバロックに向
かっていたなと直感しました。

投稿: いづつや | 2013.03.17 00:47

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