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2013.03.22

メトロポリタン美(11) 追っかけ西洋彫刻はこれ!

Img_0002_2     ‘クーロス(若者の像)’(BC600~580年頃)

Img_0003_2     カノーヴァの‘メドゥーサの頭をもつペルセウス’(1808年)

Img_0005_2     俵屋宗達の‘燕子花に鴨’(江戸時代 17世紀)

Img_0004_2     河鍋暁斎の‘猿を襲う鷹図’(明治時代)

絵画をみおえたあと最後のひと踏ん張りと思って西洋彫刻のある部屋へ向かった。お目当てはギリシャの大理石像‘クーロス(若者の像)’。1階の正面左にあるギリシャ・ローマ美術の部屋に入るのは久しぶり、20年前ここにある彫刻の数々は一通りみたはずだがほとんど忘れている。

今回の目的は‘クーロス’1点のみ、これはギリシャ彫刻の歴史のなかではとても大事な作品。左足を一歩前に出したこの若者像は人間の体より大きく身長は193センチもある。ギリシャでつくられていた像はそれまで小さなものだったが、紀元前6世紀の初頭、こういう大きな彫刻をつくるようになる。お手本は当時盛んに交易していたエジプトの石の像。サイズはエジプトと同じだが、肉体の表現はまだ図形的なところもあるがだいぶ写実的になっている。やがてあの美の頂点を極めるギリシャ彫刻が生まれてくる。

これをみたあと目指したのがベルニーニの彫刻、ところが展示室は改装中でクローズ、ううーん、これは想定外。残念だが頭を切り替えてほかの作品をみた。ここのコーナーは以前みたかどうかあやふや、だからどれも新鮮、とくに魅せられたのがカノーヴァ(1757~1822)のペルセウス。そのみごたえのある造形に言葉を失ってみていた。3年前ローマの国立近代美でヘラクレスの像に遭遇しこの彫刻家に開眼、カノーヴァの天才ぶりがだんだんわかってきた。

集合の時間まで残りわずか、走りながら日本美術をぐるっとみた。収穫は結構あった。宗達の‘燕子花に鴨’、河鍋暁斎(1831~1889)の獲物を襲う鷹の絵4点、長澤芦雪の‘鶴図’、柴田是真の‘三羽黒鳥図’、そして昨年日本にやって来た尾形光琳の‘八橋図’。このなかでぐっと引き込まれたのが暁斎の鷹の絵。鷹の鋭い爪に掴まれて猿は身動きできない。瞬時に蕭白が描いた鶴を追っかける鷹が頭をよぎった。

これでメトロポリタンは終了、明日からはMoMA。

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コメント

ベルニーニの作品がご覧になれなかったのは残念でしたね。でもカノ―ヴァの技量は、いささかもベルニーニに劣っていないと思います。バロックと新古典主義の違いで、もちろんカノ―ヴァのほうがずっと静的ですが。

ルーブルの『アポロンとプシュケ』が私のお気に入りですが、METの作品も代表作の一つでしょうね。

河鍋暁斎の『猿を襲う鷹図』、素晴らしいです! METで見た記憶がありません。見たのかもしれませんがMETは収蔵品が膨大なので、忘れてしまったのかもしれません。METの東洋美術の展示室を懐かしく思い出します。

投稿: ケンスケ | 2013.03.24 20:59

to ケンスケさん
ベルニーニがみれなかったのが悔やまれます。
カノーヴァの名前は以前から知ってましたが、
作品に夢中ということはなかったのですが、
3年前ローマでヘラクレスの像をみて、この
彫刻家への関心が一気に高まりました。やはり
天才ですね。

暁斎の鷹の絵は大収穫でした。京博であった
回顧展にもこういう絵は出品されてなかったので、
すごく惹かれました。METの日本美術コレクシ
ョンはボストン、フィラデルフィア同様一級
品揃いですね。本当にみごたえがあります。

投稿: いづつや | 2013.03.24 23:45

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