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2013.03.11

メトロポリタン美(5) ピサロのとても気になる絵!

Img_0003_2     モネの‘緑の波’(1866~67年)

Img_0005_2     モネの‘ポプラ’(1891年)

Img_2     セザンヌの‘サント・ヴィクトワール山’(1902~06年)

Img_0002_2     ピサロの‘ポントワーズのジャレの丘’(1867年)

事前に作成した必見リストは時間をかけてつくったのに、一部の美術本をうっかり忘れることがある。モネ(1840~1926)が27歳のころ描いた‘緑の波’は絵の前に立ってそのことに気づいた一枚。こういうときは優しいミューズに心のなかで手をあわせることにしている。

大きくうねる波の描き方はクールベやホーマーを彷彿とさせる。今回の美術館めぐりではホーマー、マネの海の絵に魅了されていたが、ここでも深い緑を使って荒れる海の光景をリアルに表現したモネの絵が姿をみせてくれた。左右に大きく揺れるヨットの動きをみているとこちらの体もゆーらゆーらしてくる。

‘ポプラ’はフィラデルフィア美にあったものと同様、23年ぶりの鑑賞。1990年ロンドンのロイヤルアカデミーで開催された‘モネの連作展’では‘積みわら’、‘エプト河のポプラ’、‘ルーアン大聖堂’、‘睡蓮’などの連作が80点展示された。大変な人気で入場するのに2時間並んだ。このMETから出品された4本のポプラはその明るい光をあびた紫と黄色の色使いがなんともすばらしく腹の底からしびれた。大好きな‘サンタドレスの庭園’は残念ながらみれなかったが、この絵がその消化不良の思いをしっかりフォローしてくれた。

前の日にみたセザンヌ(1839~1906)の‘サント・ヴィクトワール山’がまたでてきた。このヴァージョンはモザイクがかさなるようで抽象ぽくなっている感じは同じだが、キャンバスが横に長いため空間がより広く感じられる。この絵は図版でみたことがないのですぐ写真を撮った。

METの図録は2冊もっている。ひとつは93年ここに来た時買った縦長の分厚いもの(英文)、もうひとつは5年前に見つけた大判のベストセレクション(英文)、日頃よくながめているのは縦長のほう、3年前たまたま寄った古本屋でこの日本語版が並んでいた。今はこれを重宝している。掲載されている作品のうちすでにみたものは例によって鑑賞済のマークがついている。絵画については前回の訪問でこの印がぐっと増えた。

残っているものが今回のリストに書き込まれているが、そのなかにとても気になる絵があった。それはピサロ(1830~1923)の‘ポントワーズのジャレの丘’。ピサロが2年住んだポントワーズに縁がないので、村の景色を実感できないが、前景の日陰がさした道と遠くにみえる丘との距離はだいぶある感じ。丘の斜面につくられた畑は土色と緑の色面が交互に繰り返されている。ポントワーズにでかけてみたくなった。

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コメント

ご紹介のピサロの絵、印象派の胎動期の作品ですね。バルビゾン派に比べると格段に光が明るくなっていますが、まだ粗い筆致ではなく、初々しい魅力があります。

ピサロ作品と同じ年代のモネの『緑の波』は、光の描写はまだ意識されていないように感じますが、ご紹介いただいたマネの海景図同様、筆致には新しい息吹が見てとれます。

METバージョンのモネの『ポプラ』は、なんとも紫が輝いています。

それにしてもMETは質的にオルセーと並ぶ印象派、後期印象派の宝庫ですね!

投稿: ケンスケ | 2013.03.12 18:58

toケンスケさん
ピサロの絵はコローとかクールベの影響を感じ
ますね。広い空間を感じさせる画面構成と明る
い日差しに惹かれました。

モネの‘緑の波’は激しい絵ですね。クールベ
の半円筒を連想させる波とかホーマーの荒々しい
波同様心がゆすぶられます。クールベの影響が
強かったのでしょうね。

紫のポプラは5年前でてなかったので感激もひと
しおです。また痺れました。
METの印象派コレクションは底なし沼という感じ
です。まだまだサプライズがありそうです。まったく
ビッグな美術館ですね。

投稿: いづつや | 2013.03.12 23:37

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