ナショナルギャラリー(4) 風景画の共演!
ナショナルギャラリーにいたのは約2時間、はじめての美術館だとこのなかにミュージアムショップで図録や絵葉書を購入する時間も計算しておかなくてはいけないが、この度はその必要がないので追っかけ画との出会いに終始した。
前回まったく縁がなかったターナー(1775~1851)は図録に載っている‘ヴェネツィアの光景’、‘月明かりに石炭を積み込む水夫たち’プラス3点がイギリス絵画の部屋に展示されていた。昨年あった‘メトロポリタン美展’(東京都美)でヴェネツィアを描いたすばらしい作品にお目にかかったが、ここにも遠くにサンマルコ広場の鐘楼を描いた絵があった。これもなかなかいい。また、贔屓にしているコンスタブルのソールズベリー大聖堂もあったのでテンションが次第に上がってきた。
モネ(1840~1926)は有名な作品をおおよそみているので前のめりという感じではないが、モネの大ファンだから名画が現れるとすぐ‘みるぞ!’モードにスイッチが入る。‘アルジャントゥイユの橋’もついみとれてしまう一枚。今回の美術館めぐりはこれとよく似た絵をもうひとつみた、フィラデルフィア美が所蔵している橋の上を列車が走っている作品。10年グランパレでみたときの感激がよみがえってきた。
セザンヌ(1839~1903)については、次に向かうフィラデルフィアで念願の‘大水浴図’と‘サンクト・ヴィクトワール山’との対面という大イベントが控えているので、ここでは目慣らし気分。作品はお気に入りの‘画家の父などいい絵がいくつもでていたが、その中にリカバリーを期待していた‘シャトー・ノワールの眺め’があった。
浮世絵が好きになるとこういう風景画にはぐっと惹きこまれる。興味を覚えるのは中央の長方形のブロックを組み合わせて描かれた城が左右の木の枝でひし形にフレームされているところ。セザンヌの風景画はものの形態がシンプルに四角や三角や円にイメージされることに魅力を感じている。
今回重点鑑賞にしているアメリカ絵画のなかにとても刺激的な作品があった。それはヘーデ(1819~1904)が描いた‘カティリアとハミングバード’。ヘーデは南アメリカの自然に魅せられたようで、ブラジル旅行の体験にもとずいて大きな花と鮮やかな色の羽をもつハミングバードを描いている。背景がぼかされているので前面の花と鳥が強く印象づけられる。
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