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2012.12.13

満足のキメ手はリファレンス作品! 魅了される紫

4556     ウェイデンの‘十字架降下’(1435年 マドリード プラド美)

4557     シャガールの‘ヴァイオリン弾き’(1923~24年 NY グッゲンハイム美)

4558     カンディンスキーの‘黄ー赤ー青’(1925年 パリ ポンピドー)

4559     モネの‘睡蓮 水のエチュード’(1916~26年 パリ オランジュリー美)

4560         ローランサンの‘シャネル嬢の肖像’(1923年 オランジュリー)

高貴なイメージの強い紫が多く使われた絵画に出会うことはとても少ない。だから、古典絵画でも近代絵画でも紫が印象的な作品はすぐ思い浮かぶ。

フランドルで活躍した画家ウェイデン(1399~1464)に開眼する気きっかけになった絵が‘十字架降下’。注目の紫は右端にいるマグダラのマリアの衣装の色。古典絵画でこれほど鮮やかな紫はほかにみたことがない。プラドでこの絵と遭遇したことは一生の思い出になった。

紫が最初に強く心のなかに入ってきたのはシャガール(1887~1985)、日本で行われた回顧展は見逃さずにみてきたが、画面には紫がよくでてくる。そのなかでとくに印象深いのは‘ヴァイオリン弾き’。顔と手が緑で服はメルヘンチックな紫。これはグッゲンハイムが所蔵するものだが、以前鹿児島の長島美を訪問したとき別ヴァージョンに出会った。

シャガール同様、紫の画面が連想されるのが抽象絵画のカンディンスキー(1866~1944)、画像は最も気にっている‘黄ー赤ー青’。これをはじめてみたときはその完璧な抽象美に体が200%震えた。中央の黄色や青で描かれた円や四角のフォルムをぼかしのきいた紫の色面が取り囲んでいる。これをみるたびにカンディンスキーは本当にスゴイなと思う。

この絵はポンピドーに展示してあるが、パリで紫を体全身で感じられるところがもう一つある。それはモネ(1840~1926)の大作‘睡蓮’とローランサン(1883~1956)の作品があるオランジュリー美。8の字型の二つの部屋に飾ってある壁画の前に身をおくと睡蓮や柳を引き立てる水面の濃い青や紫に体がつつみこまれ心がとても安らぐ。

ローランサンの描く女性のイメージは紫とうすピンク色。シャネルはこんな夢みるようなほわっとした女性とは違うが、このロココの近代版といった感じの肖像画にはぞっこん参っている。

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コメント

幸運にも過去30年ほどで私が足を運ぶことのできた美術館の作品ばかりですが、一番印象に残っているのは3度行ったプラドで見たウェイデンの『十字架降下』です。

風景なしに人物の悲嘆にフォーカスした画面はすごい迫力ですが色彩の美しさでも際立っていますね。

紫、青、赤、白。。。どれも鮮烈です。

プラドには18年くらい行っていないのですが、一番好きな美術館なので、また行きたくなりました!

モネやローランサンの紫は、柔和で優しい色合いですね。

投稿: ケンスケ | 2012.12.16 08:41

to ケンスケさん
ウェイデンのこの絵の衝撃はすごかったです。
悲しみの表情と鮮やかな赤、青、紫、これ以降
この画家をみる目が変わりました。

プラドは本当にいい美術館ですね。ボス、ブリ
ューゲル、ティツィアーノ、ルーベンス、グレコ、
ベラスケス、ゴヤ、、名作がここにもあそこにも
という感じです。

投稿: いづつや | 2012.12.17 00:28

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