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2012.12.04

満足のキメ手はリファレンス作品! 赤の衝撃

4524_3          グレコの‘聖衣剥奪’(1577~79年 トレド大聖堂)

4526_2          モネの‘ラ・ジャポネーズ’(1875年 ボストン美)

4525_2     マティスの‘赤い部屋’(1908年 エルミタージュ美)

4527_2     ティツィアーノの‘聖母被昇天’(1516~18年 ヴェネツィア フラーリ教会)

4528_2     フーケの‘聖母子と天使たち’(1452年 アントワープ王立美)

色のなかで一番目立つのは赤、この色は膨張し飛び出してくるような感じがするので絵画をみたときに受ける衝撃度は最も大きい。

そうした赤の衝撃でとりわけ大きかった作品5点が体験した順に並んでいる。はじまりはトレドで遭遇したグレコ(1541~1614)の‘聖衣剥奪’。中央に描かれたキリストが身につけている真っ赤な衣の輝きとボリューム感に目を奪われた。言葉が出ず、ただただみつめていた。

モネ(1840~1926)が妻のカミーユに日本の赤の着物を着せ描いた‘ラ・ジャポネーズ’と出会ったのは今から20年前のこと。その後、08年にまたみる機会があった。その間に日本にもやって来たような気がするが?ちょっと記憶があやふや。この裾の大きく広がった着物は赤のインパクトが強いだけでなく描かれた武者の意匠にも目が吸い寄せられた。

99年エルミタージュ美を訪問したとき、マティス(1869~1954)はレンブラント、ゴーギャンとともに重点鑑賞画家だった。その一級のコレクションが展示されている部屋では‘赤の部屋’、‘ダンス’、‘音楽’、‘画家の部屋’など画面の多くを占める鮮やかな赤に圧倒されっぱなしだった。今年幸運なことに‘赤の部屋’とまた会うことができ、マティスが赤の画家であることを再認識した。

この年、もう一度サプライズの赤に遭遇した。それはヴェネツィアのサンタ・マリア・グロリオーザ・デイ・フラーリ教会の祭檀画‘聖母被昇天’。描いたのはティツアーノ(1490~1576)、美しい赤の衣服を纏ったマリアの姿をみるのが長年の夢だったので天にも昇るような気持ちでながめていた。

フーケ(1420~1481)の‘聖母子と天使たち’は1年前にみたばかりだから、その衝撃の余韻が体のなかにまだ残っている。視線が集中するのは聖母子よりまわりにいる天使たち。てかてか光る赤一色の体と翼に目が点になった。赤い塗料の入った大きな缶のなかに天使を一人ずつどぼっと漬けて引き上げたような感じ。この絵と対面したことは一生の思い出。

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コメント

今回も幸い実見したことのある作品ばかりでした。ティツィアーノの『聖母被昇天』は、フラーリ聖堂ですごい迫力だったのを覚えています。私にとってはティツィアーノの最高傑作です。

モネの『ラ・ジャポネーズ』は、ボストンの美術館でひと際光っていたように思います。

さて、こうして並べて見ると5作の赤はそれぞれ色調がだいぶ違いますね。

その中でエル・グレコとマティスは原色で、時代は違いますが平面的な塗り方といい、様式的に近いものを感じさせます。『聖衣剥奪』は私の最も好きなグレコ作品の一つです。

フーケの作品も天使を真っ赤にして、時代を超越している異色作ですね。天使をこんな風に描いた作品は、ほかに一つもない。。。画家がどうしてこんな着想を得たのが不思議です。

投稿: ケンスケ | 2012.12.05 23:03

to ケンスケさん
‘聖母被昇天’をみますとティツィアーノが真に
すごい画家であることがわかりますね。これが
やはり一番の傑作でしょうね。

今アントワープ王立美は長期休館なってますから、
MASミュージアムでフーケの作品と出会ったのは
ラッキーというほかありません。

この現代でも通用しそうなグラフィカル感覚に満ちた
色使いと造形に驚かされますね。フーケのほかの
絵もみてみたいです。

投稿: いづつや | 2012.12.06 00:57

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