« 東博浮世絵エンターテイメント! 北斎&歌麿の忠臣蔵 | トップページ | 満足のキメ手はリファレンス作品! 魅了される紫 »

2012.12.12

国芳スピリッツはどこまで広がるの?

4555_2     歌川国芳の‘大物之浦平家の亡霊’(1851年頃)

4554_3     歌川国芳の‘忠臣蔵十一段目夜討之図’(1831~33年)

4553_2               鏑木清方の‘夕河原’(1940年 横浜美)

4552_2          伊東深水の‘髪’(1953年 横浜美)

先週の木曜日、‘はじまりは国芳’展(11/3~1/14)をみるため横浜美へ出かけた。ところが、この美術館は木曜が休館だった。てっきり月曜と思っていたが、汐留ミュージアムのときと同じ失敗をまたやるのだから間が抜けている。

歌川国芳(1797~1861)の回顧展はここ2年で大きなものを2回体験したから、これは止め展(My造語)と思い定めプラスαを増やすのが目的。国芳の文字が大きく書かれたチラシから想像すると、作品数250点の2/3は国芳と思っていた。が、大違い。後期(12/7~1/4)は29点。だから全体の1/4ほど。

心があまり動かない月岡芳年が異常に多く、どんどんパスするはめになった。国芳の画風が後世の画家たちに影響を与えたことは確かだが、あまりに多くの画家が登場するとちっと手を広げすぎという感じになる。もともと国芳の弟子たちの絵に対する関心は薄いので、国芳がこれくらいの数だと満足度はあがってこない。

ズバリいうと国芳の美人画と鏑木清方や伊東深水の美人画はどこに関連性があるというの?あれほど国芳を大きくアピールしているわりには作品同士の響き合いが弱くインパクトに欠ける。こういう構成では関係の薄い画家の作品が逆にノイズになって国芳の魅力とすごさを薄めることになる。とにかく作品のみせ方にセンスがない。

‘大物浦兵平家の亡霊’は国芳お得意の三枚続のワイドスクリーン作品の一枚。義経の一行を平家の亡霊がシルエットとなっ大波の向こうから追っかけてくる。波にゆられて船は激しく前後左右に揺れ動き、船首に立つ弁慶は法力により亡霊を鎮めるのに必死の形相。迫力のある場面につい見入ってしまう。

‘忠臣蔵十一段目夜討之図’は東博で北斎や歌麿の忠臣蔵をみたばかりだからすぐ反応する。討ち入りのイメージは赤穂浪士の数がもっと多く騒然としているが、この絵では静かに事が進んでいく感じ。遠近感の表現や人物の影の描写などはルネサンス期の版画をみているような気にさせる。

今回、展覧会のテーマは横において楽しんだのは贔屓の画家鏑木清方と伊東深水の美人画、横浜美自慢のコレクションがずらっとでている。とくに魅了されているのが清方の‘夕河原’と大胆な構図にぐっとくる深水の版画‘髪’。そして、驚いたことに清方の‘妖魚’(福富コレクション)があった!久しぶりの対面だが、あまり近くには寄れない。それほどこの人魚はなまめかしい。

|

« 東博浮世絵エンターテイメント! 北斎&歌麿の忠臣蔵 | トップページ | 満足のキメ手はリファレンス作品! 魅了される紫 »

コメント

全く同感ですね。
僕はもう少しはやく行ったので、いづつやさんあげておられる、忠臣蔵は展示されていませんでしたが、国芳と美人画はまったく関係ないですよね。作者が国芳を意識した訳でないでしょうし。
横浜美術館は以前の何かの展覧会でも感じましたが、幅広くとりすぎます。
で、国芳の忠臣蔵は、太田記念で拝見しましたが、西洋画の影響を受けているんですね。
同じ感覚で、西洋画の影響受けた浮世絵展示した方が、よほど国芳スピリッツになるかと。

投稿: oki | 2012.12.13 00:20

to okiさん
国芳のプラスαをもう少し期待していたのですが、
ほかの画家の作品が多く戸惑いました。
チラシにあれだけ国芳を強調しているのに騙され
た感じです。

美人画家や洋画家まで登場しますともうダレてき
ます。作品の見せ方によって国芳のインパクトが
弱くなっているのが企画した人には見えなくなって
いるのでしょうね。さらさらとみて終わりにしました。

投稿: いづつや | 2012.12.13 15:06

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 国芳スピリッツはどこまで広がるの?:

« 東博浮世絵エンターテイメント! 北斎&歌麿の忠臣蔵 | トップページ | 満足のキメ手はリファレンス作品! 魅了される紫 »