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2012.12.02

満足のキメ手はリファレンス作品! 黄色の画家

4517_2     ゴッホの‘収穫’(1886年 アムステルダム ゴッホ美)

4518_2     ターナーの‘ノラム城、日の出’(1845年  ロンドン テートブリテン)

4516_2     モネの‘睡蓮の池’(1917~19年 パリ マルモッタン美)

4515_2     ルノワールの‘フェルナンド・サーカス’(1879年 シカゴ美)

Myカラーは緑&黄色、だから黄色が心を打つ絵には特別の展示室が用意されている。黄色を自分の色にしているのはゴッホが好きだからで、緑はエル・グレコの影響。

黄色の画家と呼ばれるゴッホ(1853~1890)、画風の特徴である黄色が最も輝いているのがアルル時代に描かれた作品、ゴッホがアルルにいたのは1888年の2月から1889年の4月、1年3ヶ月過ごし油彩だけで200点以上描いた。すごいスピードで描き続けたが、生まれてくる作品はどれもいい絵ばかり。

イエローパワー全開で描かれ画面の多くが黄色で占められ作品のうち200%KOされるのがゴッホ美にある最強トリオ、‘収穫’、‘黄色い家’、そして全部黄色の‘ひまわり’。また、日本に何度もやって来てゴッホファンを楽しませれくれた‘太陽と種まく人’(クレラー=ミュラー美)に描かれた太陽の輝く黄色も忘れられない。

ゴッホは変色しやすい絵の具であるクロムイエローにいろいろ工夫を加え、鮮やか黄色を駆使して自然や花の生命力を生き生きと描いた。このクロムイエローをゴッホより前に使った画家がいる。イギリスの国民的風景画家ターナー(1775~1851)。

ターナーも黄色の画家といっていいくらいその作品には黄色が印象深いものが多い。ターナーは新らしもの好きで、1809年にはじめて製造されたクロムイエローを早速作品に使った。そのなかでとくに気に入っているのが‘ノラム城、日の出’。

この絵をはじめてみたのは日本、今から14年前に東京都美で‘テート・ギラリー展’があり、‘海の怪物のいる日の出’などと一緒に展示された。ぼあーっと輝く丸い黄色がとても目に心地よかった。

モネ(1840~1926)の連作‘睡蓮の池’のなかで睡蓮が全部黄色で描かれたのが1点ある。パリのマルモッタン美を訪問したとき、有名な‘印象、日の出’を感慨深くみたあと絵の前で思わず足がとまったのがこの黄色の睡蓮、絵のインパクトの強さでは‘印象、日の出’を上回った。嬉しいことにこの絵は03年に日本で公開されたので、モネが好きな方はみられたかもしれない。

ルノワール(1841~1919)もモネ同様黄色の絵ですぐ頭をよぎるのは少なく、今のところ2点のみ。08年シカゴ美でみたサーカスの軽業師姉妹を描いた‘フェルナンド・サーカス’と黄色の衣服と明るい表情が魅力的な‘アリーヌ・シャリゴの肖像’(フィラデルフィア美)。数は少なくてもMyカラーの作品だからいつも別格扱いにしている。

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コメント

宮下規久朗先生がネット上で、「自分の中に観賞の座標軸を設ける」ことの大切さを言っているのを読みましたが、いづつやさんのおっしゃるリファレンス作品も同じですね。

宮下先生は、「観賞体験を積めば積むほど作品を見るのは楽しくなる」とも言っていますが、まったく同感です。

確かに個々の画家の多くの作品に触れ、それぞれの画家の、自分にとっての傑作、最高傑作の評価ができると、残りの作品も批判的に楽しめます。

ゴッホ美術館には20年ほど前に一度行ったのですが、残念ながら見たはずの『収穫』は印象に残っていません。当時は今より観賞体験がなかったからか一部の有名作品にばかり目が行ったような気がします。今改めて『収穫』を見ると、本当に鮮やかな黄色ですね!

ターナーの有名な『ソラム城 日の出』は、ほとんど抽象画的な色に引き込まれます。

シカゴ美術館でよく見た思い出のあるルノワールの作品は、黄色とともにオレンジもいいです!

黄色といえば、今年展覧会に出品されたフェルメールの数々の作品や、来年回顧展のあるエル・グレコの作品も思い出します。

投稿: ケンスケ | 2012.12.03 21:19

to ケンスケさん
自分のお好みの絵が引き出しにいくつも入って
いると絵画鑑賞が楽しくなりますね。対面した
絵が増えればベストワンにしていた作品も替わ
ってくるでしょうし、ほかの画家とのちがいも
みえてきますから、見方が進化していきます。

美術評論家のお話ばかりを聞いて絵がわかった
ような気になっている人が多いですが、評論家
の言葉で頭の中を一杯にすることくらいつまら
ないことはありません。TVにでている評論家
でも変なのがいますしね。ある程度の美術鑑賞の
体験を積んだら、もうそういう人の話はほどほど
にしないと絵を見る力はのびていきませんね。

抽象絵画にもモンドリアンの‘ブロードウエイ
ブギウギ’のような軽快な黄色がありますが、
今回は黄色の強さに焦点をあててみました。

投稿: いづつや | 2012.12.04 00:55

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