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2012.12.01

満足のキメ手はリファレンス作品!白の輝き

4514_2     ティントレットの‘水浴するスザンナ’(1556年 ウィーン美術史美)

4511_2     ルノワールの‘カティース・マンデスの娘たち’(1888年 メトロポリタン美)

4512_2     モネの‘かささぎ’(1868~69年 オルセー美)

4513_2     モネの‘鉄橋 アルジャントゥイユ’(1874年 フィラデルフィア美)

海外の美術館を訪問するときは時間が限られているのにみたい絵が沢山あるからとても忙しい。作品をみながら手も同時に動かす。事前につくった必見作品リストに絵の印象、惹きつけられたことを速記風にどんどん書き込んでいく。

これは絵の印象づけの第一段階、日本に帰るとメモをまた別の紙に清書し、特別魅せられた作品については購入した図録に赤マークをつけておく。これをルーチンとして美術館へ出かけるたびに実行している。こういうことをやっていると大きな感動を受けた作品は長く記憶にとどまるし、他の作品をみる際満足のキメ手となるリファレンス作品(基準作)の役割を果たしてくれるようになる。

絵画をみていてもっとも感激するのは目を奪われる色彩表現に出会ったとき。今回とりあげるのはそのなかで白の輝きが体全体に沁みこんでいる作品。古典絵画でサプライズの白を体験したのはウイーン美術史美に飾ってあるティントレット(1518~1594)の‘水浴するスザンナ’。このテーマを描いた作品はいくつもみたが、スザンナの肌がこれほど白く輝いている絵はみたことがない。少し離れてみたが白い肌が発光体のように光っていた。

近代絵画に描かれた女性では4年前に訪問したメトロポリタンでみたルノワール(1841~1919)の‘カティース・マンデスの娘たち’(拙ブログ08/5/15)に大きな衝撃を受けた。女の子の顔、手足、そして衣服の白がまわりの作品をみわたしても一際輝いている。ルノワールの絵を数多くみてきたが、体が震えるくらい色彩の力を感じたのはこの絵がはじめて。

10年パリのグランパレで開催されたモネ(1840~1926)の大回顧展でもとびっきり美しい白に遭遇した。‘かささぎ’の雪景色と‘鉄橋 アユジャントゥイユ’の日が当たった列車の煙と鉄橋を支える白い丸柱。世界中から集結したモネの名画のなかにあっても、この2点の画面から発せられる光の強さは群を抜いておりしばらく立ち尽くしてみていた。

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コメント

モネの『カササギ』の雪の美しさに見とれます。影も含め、こんなに美しい白のバリエーションは稀ですね!

『鉄橋 アルジャントゥイユ』は、青や緑の中で白が映えています。

ティントレットやルノワールの作品では、白が他の色の効果を高めているように思います。

ヴェネツィア派も印象派も素描より色彩優位ですが、色彩の魅力を再確認させてくれますね!

投稿: ケンスケ | 2012.12.02 09:16

to ケンスケさん
絵画鑑賞では画家の最高傑作に遭遇したとき
が一番幸せですね。ベンチマークとなる
リファレンス作品は鑑賞体験が重なってきま
すと入れ替わりますから、作品をみて満足
する度合いもそれとともに変わってきます。

一度絶品をみえしまうとそれを頭に入れて作品
をみるようになりますから、以前はいい気持ち
になっていたものが今ではそれほど前のめりに
ならないことはよくあります。

ですから、最高傑作といわれる作品には特別の
こだわりがありますし、追っかけの情熱も大きく
なります。

投稿: いづつや | 2012.12.02 16:26

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