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2012.12.24

お知らせ

パソコンのトラブルのため拙ブログはしばらくの間お休みします。

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2012.12.23

満足のキメ手はリファレンス作品! 遠近法の名画(2)

4588_3          ユトリロの‘コタン小路’(1910~11年 パリ ポンピドー)

4587_3 ホッベマの‘ミッデルハレニスの並木道’(1689年 ロンドン ナショナル・ギャラリー)

4589_3           コローの‘ドウエの鐘楼’(1871年 パリ ルーヴル美)

4590_2     モネの‘オンフルールのバヴォール通り’(1864年 ボストン美)

4591_2     デ・キリコの‘イタリア広場’(1956年 ケルン ルートヴィヒ美)

日曜画家が街の風景をうまく描こう思えば遠近法を使った構図にするのがまず無難なところ。これだと下手くそだねとは言われない。

風景画の名画で遠近法とくっついてすぐ思い浮かべるのはユトリロ(1883~1955)の代表作‘コタン小路’、モンマルトルのあの急な階段を登った経験のある方なら、ここに描かれた情景に親近感を覚えるかもしれない。今でも大勢の人が道を歩いているわけではなく、昔ながらの静かな通り。

17世紀に活躍したオランダの風景画家ホッベマ(1638~1709)は絵の題材が宗教ではなく風景だから古い時代の画家という感じがしない。村の光景のなかで並木道ほど遠近法で描くのにうってつけなモチーフはない。道の脇に植えられた木をみると結構高い。こんなに高い木が中央の先の先ではあんなに小さく描かれている。この空間の広がりを感じられるのが遠近法構図の魅力。

コロー(1796~1875)の‘ドウエの鐘楼’は08年にあった‘コロー展’(西洋美)に出品された作品のなかでは強く印象に残っている一枚。手前の建物は左右とも画面にちらっと描かれるだけ。建物をこういう風に大胆にカットするのはなかなかできない。アカデミーではこういう構図はNGと決まっている。

道は鐘楼のあたりで左に曲がっているが、モネ(1840~1926)が24歳のとき描いた‘オンフルールのバヴォール通り’では建物の影が映った道は右にゆっくりカーブしている。向こう側に歩いている人たちの配置がじつに上手く、ついふらふらと後についていきそう。

デ・キリコ(1888~1978)とシュルレアリスムのデルヴォーの作品では遠近法で描かれた背景が特徴。90点以上描いたといわれるデ・キリコの‘イタリア広場’、建物や大理石彫刻の長くのびる影が謎めいた雰囲気を醸し出しており、不安な気持ちがじわーっと体を包み込んでくる。

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2012.12.22

満足のキメ手はリファレンス作品! 遠近法の名画(1)

4583 ダ・ヴィンチの‘最後の晩餐’(1495~98年 サンタ・マリア・デラ・グラツィエ修道院)

4585     マザッチオの‘聖三位一体’(1426~28年 サンタ・マリア・ノヴェッラ聖堂)

4582     ファン・エイクの‘ドレスデンの祭檀画’(1437年 ドレスデン国立美)

4584          ラファエロの‘マリアの結婚’(1504年 ミラノ ブレラ美)

4586     ティントレットの‘聖マルコの奇蹟’(1562年 ミラノ ブレラ美)

西洋絵画の特徴のなかでまず思い浮かべるのは遠近法を使った構図。消失点が画面のどこにあるかがすぐわかる絵に出会うと奥行きを感じてなにか心が落ち着く。

この遠近法の安定感が心を打つ名画として最も有名なのがダ・ヴィンチ(1452~1519)の‘最後の晩餐’。6年前、ミラノで修復が終わったあとのこの絵と再会したが、はじめてみたときとは鑑賞方法ががらっと変わり、絵の前にいられるのは15分だけ。今でも予約をとるのが大変そう。

フィレンツェのサンタ・マリア・ノヴェッラ聖堂内に飾ってあるマザッチオ(1401~1428)の‘聖三位一体’はイリュージョン絵画そのもの。磔になっているキリストの後ろの壁の凹みに驚愕した。

ファン・エイク(1390~1441)の精緻な描写はみればみるほど惹きこまれるが、遠近法の構図が強く印象に残っているのはドレスデン国立美でみた‘祭檀画’。この三連画はとても小さく、王座の聖母子が描かれた真ん中のパネルは縦33cm、横28cmしかない。小品だがその色彩の鮮やかさと人物の衣装や敷き物の緻密な筆使いには心を奪われる。

ミラノのブレタ美で出会ったラファエロ(1483~1520)とティントレット(1519~1594)の絵も画面構成が忘れられない一枚。‘マリアの結婚’は若きラファエロが師匠のペルジーノの画風を真似て描いた作品。広い広場の奥にはドーム式の建物がみえる。

ティントレットは消失点を画面の中心からずらし左の奥にもっていくのが特徴、これにより動きが生まれダイナミックな情景描画になっている。この人物の躍動感と大胆な構図がティントレットの一番の魅力。

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2012.12.21

岸田劉生の‘麗子微笑’を常設展示して欲しい!

4581     岸田劉生の‘麗子微笑’(重文 1921年 東博)

二日前、TVに東博の東洋館が3年にわたって行われた耐震改修工事を終え来年の1/2から開館するというニュースが流れた。

東博へ足を運ぶときは閉鎖されている東洋館を横目に見ながら本館に入っていたので、ようやくリニューアルオープンかという感じ。内覧会の様子をみるとLED照明の導入でよりきれいにみやすい展示に変わったという。また、作品にピンポイントの光をあて細部がよくみえる工夫もされているようだ。

東博の展示の仕方や照明の当て方はここ数年の間に格段に良くなった。例えば先月本館1階の漆器の部屋に展示してあった蒔絵の場合、細くやわらかい光をうまくあて螺鈿の輝きをいっそう美しくみせていた。ロンドンにある世界の工芸の殿堂ヴィクトリア&アルバート美でもこんなみせ方をしてないから、今や東博は作品の展示の仕方ではトップをいっているかもしれない。

そんな東博に是非検討してもらいたいことがある。それは岸田劉生の‘麗子微笑’の常設展示化。重文に指定されているこの絵は日本の画家が描いた世界に誇れる油絵ではないかと思うし、同じ認識をもたれる美術ファンは多いのではなかろうか。

‘麗子微笑’をみていつも連想するのはルノワールの‘ムーラン・ド・ラ・ギャレット’。同じ油彩画なのにルノワールの絵はオルセーで常時展示され世界中からやって来た人たちの目を楽しませている。ところが、‘麗子’は東博でいつも展示されてはいない。この名画がみれるのは2年に一回くらい。

その理由についてはわかっている。それは国宝・重文の公開ルール、年2回、2ヶ所、2ヶ月以内というしばりのため。日本画なら国宝や重文でなくても作品の保存維持に神経を使わなくてはいけないから展示の期間が短くなるのはやむをえない。

だが‘麗子’は油絵。だからこの絵や同じ重文の黒田清輝の‘湖畔’などは特別の部屋をつくって常時展示するのが本来の姿なのである。海外の美術館に展示されている名画と同様に。もちろん油絵には褪色の問題がある。でも、そんなことをいっていたら海外の美術館では展示する作品はなくなってしまう。

明治に描かれた油絵が褪色の問題のため常設展示できないということはありえない。重文の公開ルールは日本画に適用されればいい話であって、油絵にまでこのルールでしばることはない。世界の常識からすればまったくヘンな展示の仕方である。

一日でも早く1階の洋画と日本画を展示している部屋を改造して、‘麗子微笑’&‘湖畔’がいつも楽しめるようにしてもらいたい。

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2012.12.20

象徴派のシュトゥックはお好き?

4578_3              ‘罪’(1893年)

4579_2     ‘スフィンクスの接吻’(1895年 ブダペスト国立美)

4580_3                ‘ニンフを運ぶファウヌス’(1918年)

BS各局の美術番組は前は3つあったが、今も続いているのはBS朝日の‘世界の名画’だけ。わが家の美術ライフはこれと‘日曜美術館’、‘美の巨人たち’の3本立てでまわっている。

‘世界の名画’は海外の美術館をめぐってくれるので、ここで得られる美術館情報はとても貴重。昨日訪問したのはミュンヘンにあるノイエ・ピナコテーク。ミュンヘンは28年前、スイスのジュネーブからクルマで出かけたことがある。だが、当時入館したのは古典絵画を展示しているアルテ・ピナコテークのほう。

この美術館の向かい側に近代絵画のコレクションがみれるノイエがあることを知ったのは日本に帰ってから。この頃はまだ美術への関心は普通よりちょっと上くらいのところだから、美術館情報には疎かった。それから時が流れ、今ではノイエにはいい作品がいくつもあることがわかっているので、ここはなんとか足を運びたい美術館のひとつになっている。

美術本によく載っているノイエコレクションのなかでとても気になる作品を‘世界の名画’がとりあげてくれた。シュトゥック(1863~1928)の代表作‘罪’。蛇が大の苦手なので、この絵はあまり長くはみれない。とにかくこの蛇は怖い、こちらにとびかかってきそう。インドを旅行したとき、このように大きな蛇を体にまきつけてパフォーマンスをする見世物師に出会ったが、蛇はこの絵に描かれたほどの殺気を漂わせてはいなかった。

妖艶な美女と怖い々蛇の組み合わせだから一度見たら忘れられない。シュトゥックはこの‘罪’を12点も描いており、最初に描かれたのがノイエにある。日本でそのヴァージョンのひとつをみた。それが一番上の画像で16年前Bunkamuraで開催された‘象徴派展’に展示された。腰を引き気味にみたことを今でもよく覚えている。

シュトゥックの作品というとこの展覧会でみた2点くらいしか記憶にない。作品情報は極めて少ないが、いくつか気を惹くのがある。こういう風に描かれたスフィンクスがあるのか!という‘スフィンクスの接吻’とベックリーンの作風を連想させる‘ニンフを運ぶファウヌス’。のめりこむという感じでもないが、ともに気にはなる絵。

ミュンヘンに豪華なシュトゥック邸があるという。いつか訪問してみたい。

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2012.12.19

毎年おもしろくない朝日新聞の‘回顧2012 美術’!

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今日の朝日新聞夕刊に‘回顧2012 美術’という記事が載った。定例の今年の美術展覧会のレビューであるが、美術、音楽、演劇、文学とあるなかで美術が一番おもしろくない。

編集委員大西氏のまとめは毎年こ難しいだけで、実際多くの美術ファンが楽しんだ美術シーンとはかなりズレている。とても熱心なのがコンテンポラリーアートやテーマ型の展覧会、これが展覧会のメインの潮流といいたい!?勘違いもいいとこ。 こんな前衛的な現代アートの世界を話の中心にした回顧なんてもうやめにしたら。

美術史家3人があげた‘私の3点’は、
・北澤憲昭氏★‘私の解体へ’(国立国際美)
        ★‘村山知義の宇宙’(世田谷美)
        ★‘3.11とアーティスト:進行形の記録’(水戸芸術館)
・高階秀爾氏★‘KATAGAMI Style’(京近美)
        ★‘紅型’(サントリー美)
        ★‘フィンランドのくらしとデザイン’(静岡市美)
・山下祐二氏★‘館長庵野秀明 特撮博物館’(東現美)
        ★‘お伽草紙’(サントリー美)
        ★‘会田誠 天才でごめんなさい’(森美)

海外では有能な女性美術史家は多いが、日本にもそういう人がいるのだから男性だけでなく女性も加えるべきと思うが、朝日はそこまで勇気がない。3人のうち文化勲章を受章された高階さんのものは共感できるが、あとの二人は大西氏同様お気に入りはこの3点?ふーん、美術史家というのは楽な商売ですね!と厭味のひとつもいいたくなる。こういう選択は美術史学会でどうぞやってくださいという感じ。

毎年常連の美術史家があげるものに共感しないのは美術シーンのストライクゾーンからはずれた個人趣味のクセ球ばかりだから。クラシックの回顧では誰もが絶賛した秀逸の演奏会が選ばれるのに、美術の回顧では何十年ぶりに開催されたとてもすばらしい作家の回顧展が無視され、明らかに受け狙いの現代アートばかりがとりあげられる。

海外では展覧会は回顧展が主流だから、例えば‘カラヴァッジョ展’(10年 ローマ)、‘大モネ展’(10年 パリ)やゴーギャン展(10年 ロンドン)、ホッパー展(08年 シカゴ)があると真っ先にこれらがリストアップされる。ところが、日本では回顧展をあげるよりはテーマ型の展覧会を指摘するほうが自分の価値が増すと勘違いしている美術史家が多いから、来場者の少ない天邪鬼タイプの企画展が過大な評価を受ける。まったく独りよがりなのに、

具体的に極上の回顧展をあげてみると、‘高橋由一展’(4月 東芸大美)、‘ポロック展’(2月 東近美)、‘セザンヌ展’(3月 国立新美)、‘草間彌生展’(4月 埼玉県近美)、‘バーン=ジョーンズ展’(6月 三菱一号館美)、‘シャルダン展’(9月 三菱一号館美)。

また、今年は中国から1月に‘清明上河図’というすごい至宝がやって来たり、ボストン美から曽我蕭白をはじめとするすばらしい日本美術の傑作が里帰りし多くの人たちがいい気持ちになったというのに、大西氏はこうした展覧会についてはひとことも触れてないし、美術史家も選んでない。毎年々こんな展覧会の回顧を読まされると美術を論じる人たちの能力のレベルを疑いたくなる。

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2012.12.18

西武の中島 アスレチックスに入団!

4576西武の中島(30)が大リーグのどの球団と契約するのか注目していたが、アリーグ・アスレチックスに入団することが決まった。

2年契約で総額5億4千万円、ショートのレギュラーとして起用される。

大リーグへ移籍する場合、各球団の選手編成の方針とからんでくる。


アスレチックスにとって來シーズンにむけての補強ポイントはFAで移籍する正遊撃手の後釜さがし。そこで中島の獲得に動いた。西武在籍11年で通算打率.302を残した打撃力が高く評価された。守備については中島はフットワークもいいからグラウンドの違いに慣れればちゃんとこなせるだろう。

となると、期待に応えられるかは打撃の強さにかかっている。これまで内野手で大リーグに挑戦したのは松井稼頭夫(メッツ)、岩村(レイズ)、西岡(ツインズ)、川崎(マリナーズ)、4人とも日本では中軸を打ち打率3割の実績がある選手。ところが、いざプレーをしてみると満足のいく成績は残せてない。

最も期待されてメッツに入団した松井の場合は守備力が評価されず、これが持ち味のバッテンィングに影響した。岩村はよくがんばったと思うが、不運にも大ケガをして調子を落とし日本に帰らことに。そして、西岡も開幕後数試合を経験したところでこれまた相手選手との接触によるケガに見舞われたため、2年間活躍する機会がまったくなくチームを去るはめになった。元気印の川崎は打撃が弱いためマリナーズを解雇された。

中島は今年がんばったブリュワーズの青木同様、打撃の技術をもっているから活躍できるのではないかと思う。体調の維持管理をしっかりやり、勝負強いバッティングでチームの勝利に貢献してもらいたい。

中島がアスレチックスに入ったので、西地区の戦いが楽しみになってきた。ダルビッシュのレンジャーズvsアスレチックス、岩隈のマリナーズvsアスレチックス、BSの大リーグ中継も増えそう。

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2012.12.17

満足のキメ手はリファレンス作品! 準ビッグネームの傑作(2)

4572     カイユボットの‘パリ、雨の日’(1877年 シカゴ美)

4571     シニャックの‘朝食’(1886~87年 オッテルロー クレラー=ミュラー美)

4575     シスレーの‘朝日を浴びるモレ教会’(1893年 スイス ヴィンタートゥール美)

4574     ドンゲンの‘画家の妻の肖像’(1911年 アムステルダム ゴッホ美)

4573     ドランの‘ロンドンブリッジ’(1906年 NY MoMA)

カテゴリーの‘印象派’のなかに入れている画家はマネやポスト印象派などを含めて15人くらい。野球でいうと1番から9番までの先発メンバーがビッグネームの画家で控えの選手が準ビッグネーム。

先発メンバーは一番からゴッホ、ルノワール、モネ、マネ、セザンヌ、ゴーギャン、ドガ、ロートレック、スーラ、そしてベンチにいるのはピサロ、シスレー、カイユボット、シニャック、レイセルベルヘ、モリゾ、カサット。

その準ビッグネームの作品でこれまで最も感激したのはカイユボット(1848~1894)の‘パリ、雨の日’。08年シカゴ美でこの絵をみた時は見事に描かれた都市風景に腰が抜けるほどの衝撃を受けた。図版ではイメージできなかったが、絵は縦2.12m、横2.76mもあるビッグサイズ。ガイドさんが事前の説明で‘必見の絵ですよ!’と言っていたことが即納得できた。

昨年訪問したクレラー=ミュラーでもサプライズの絵があった。シニャック(1863~1935)の‘朝食’。これまでみたシニャックの点描画は山の風景とか港の光景を描いたものばかり、これほど大きく描かれた人物画があったとは。200%KOされた。

シスレー(1839~1899)の作品をみる機会はこれまで多くあったが、モネのように体が震えるようなことがないというのが正直なところ。ただ1点、光をとても感じる絵があった。それは2,3年前世田谷美で開催された‘ヴィンタートゥール美展’に出品された‘朝日を浴びるモレ教会’。このくらい強く光がとらえられていると印象に残る。

オランダのフォーヴ派、ドンゲン(1877~1968)は関心を寄せている画家のひとり。国立新美であった‘大エルミタージュ美展’では幸運にも1点展示してあった。過去体験した作品は20点くらい。だから、まだまだ見たりない。ゴッホ美にある妻の肖像画はドンゲンを好きになるきっかけとなった一枚。今のところこれがベストワン。

同じフォーヴイズムのドラン(1880~1954)やブラマンクには惹かれてない。で、これまでとりあげてこなかった。といってもぐっとくるのがないわけではない。お気に入りはドランの‘ロンドンブリッジ’とポンピドーにある‘二艘の小舟’。この2点は例外、‘ロンドンブリッジ’に会ったのは20年前だからもう一度くらいはみておきたい。

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2012.12.16

多くの美術ファンが足を運ぶ‘美術館展’!

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今年の展覧会鑑賞は12/12にみた‘はじまりは国芳’展で終了した。帰宅するとき年間レビューのことが頭をよぎる。するとおもしろいもので同じ日の朝日新聞に多くの美術ファンを集める‘美術館展’に関する記事がでていた。

記事によると東京都美で開催された‘マウリッツハイス美展’(6/30~9/17)の入場者数は75万人を数えたという。上野に足を運んだ人の多くはお目当てのフェルメールの‘真珠の耳飾りの少女’をみるため、暑い中長い列に並ぶのはしんどいがこれに耐えてようやく少女との対面が実現する。絵の前に長くはいれない、でも満ち足りた気分になる。これが名画中の名画がもつ不思議な力、絵画をみる楽しみというものが最大限に感じられる一瞬かもしれない。

西洋美術で今年行われた話題の‘美術館展’はほかに4つあった。
★‘大エルミタージュ展’(4/25~7/16) 国立新美
★‘ベルリン国立美展’(6/13~9/17) 西洋美
★‘リヒテンシュタイン美展’(10/3~12/23) 国立新美
★‘メトロポリタン美展’(10/6~1/4) 東京都美

こうした海外のブランド美術館が所蔵する作品を展示する‘美術館展’は過去何度も行われているので、展覧会自体の発信力がとくに大きいということはないが、今年は出品された美術品の内容がすごく充実しているので満足度はかなり高くなる。日本にいて有名な美術館の名品がみれるのだから、幸運なめぐり合わせにライドできる幸せを実感する。

来年の情報は今のところ2つ。ルノワールや印象派の作品で有名なアメリカの‘クラーク・コレクション展’(2/9~5/26)が三菱一号館で開催され、昨年中止になった‘プーシキン美展’は横浜美で復活する(7月頃?)。ともに開催が待ち遠しい。

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2012.12.15

満足のキメ手はリファレンス作品! 準ビッグネームの傑作(1)

4566  ジョルダーノの‘フィネウスを石に変えるペルセウス’(1680年 ロンドン国立美)

4569_2     グエルチーノの‘聖ペトロニラの埋葬’(1621~23年 ローマ カピトリーノ美)

4567     ホントホルストの‘大祭司の前のキリスト’(1617年 ロンドン国立美)

4568_2     ドメニキーノの‘ディアナの狩猟’(1616~1617年 ローマ ボルゲーゼ美)

西洋絵画の歴史のなかで名をなした画家、例えばダ・ヴィンチとかピカソのようないわゆるビッグネームの画家はその作品が美術の教科書にでてきたり、美術館で開かれる展覧会の目玉の絵になったりするから、絵画ファンだけでなく普通程度の関心で絵に接している人でも頭のなかに入っている。

美術館に展示されている作品は普通はこういう第一列にいる画家と次の二列にいる画家、準ビッグネームの作品まで。数でいうと二列の画家のほうが多いが、美術館めぐりをしていると時々準ビッグネームの作品でびっくりするような傑作と出くわすことがある。今日はそんなサプライズの作品をいくつか。

ロンドンのナショナルギャラリーで忘れられない体験があった。その絵はジョルダーノ(1634~1705)の‘フィネウスとその一味を石にするペルセウス’。美術館に飾ってある神話画のなかで一番大きい絵で縦2.75m、横3.66mある。

ジョルダーノはブランド美術館では展示されているので一応名前は知っている。だが、絵の前に長くいたことはなかった。ところが、この絵は違った。ええー、ジョルダーノにこんないい絵があったの!という感じ。メドゥーサの首を持つペルセウスの迫真のどや顔に視線が釘付けになる。

カラヴァッジョの影響を受けたグエルチーノ(1591~1666)もジョルダーノ同様、‘聖ペトロニラの埋葬’と出会うまではそれほど熱心にみない画家だった。2年前訪問したカピトリーニ美での一番のお目当てはカラヴァッジョの2つの絵だったが、同じ部屋に想定外のオマケがひょいと現れた。背景の空と衣装の目の覚めるような青、そして動きのある人物を斜めに配置する巧みな構成、これには200%参った。日本に帰って調べてみると、この‘聖ペトロニラの埋葬’は最高傑作だった。たまにはこんな大収穫がある。

ホントホルスト(1592~1657)はとても気になる画家。今年国立新美であった‘大エルミタージュ美展’で念願だった‘幼少期のキリスト’をみることができた。ロンドンのナショナルギャラリーにある‘大司祭の前のキリスト’とこの絵をみたから満ち足りた気分になる。ホントホルストはカラヴァッジョとラ・トゥールの光の描写をミックスし独自の作風をつくりだした。

予約をとってボルゲーゼ美に入館された人は用意した感動の袋が大きく膨らんだことにちがいないが、そのなかにはドメニキーノ(1581~1641)の傑作‘ディアナの狩猟’も多分入っているだろう。こんなに美しくて楽しいギリシャ神話の絵は滅多にない。

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2012.12.14

満足のキメ手はリファレンス作品! 黒の画家

4563     マネの‘すみれの花束をつけたベルト・モリゾ’(1872年 オルセー美)

4562          ルノワールの‘桟敷席’(1874年 ロンドン コートールド美)

4561        ゴヤの‘ドーニャ・イサベル・デ・ポルセール’(1805年 ロンドン国立美)

4564     ゴッホの‘じゃがいもを食べる人たち’(1885年 アムステルダム ゴッホ美)

4565     スーラージュの‘絵画 1985’(1985年 パリ ポンピドー)

近代に入ってから活躍した画家が描いた絵で黒が強く印象づけられる作品は3点がすぐ思いつく。黒の名手、マネ(1832~1883)のベルト・モリゾの肖像画、ルノワール(1841~1919)の‘桟敷席’、そしてゴヤ(1746~1828)のマハの衣装を着ている女性の肖像画。

2年前三菱一号館美で開館記念の‘マネ展’があり、モリゾを描いた作品を‘すみれの花束’など5点みた。モリゾの写真を過去みたかどうか記憶が定かではないが、絵をみるかぎりこの女性が多くの男性の心に火をつけるとびっきりの美貌の持ち主であったことが容易にわかる。そして、こういう知的な美女によく似合うのが黒い衣装。黒に引き立てられた白い顔がとても神々しく感じられる。

パレットから黒の絵の具を追放した印象派だが、ルノワールの初期の作品のなかには黒の傑作が1点ある。それがロンドンのコートールド美にある‘桟敷席’。これまで数回紹介したが、My好きなルノワールのベスト5に登録しており憧れの作品として不動の地位を築いている。

スペインの巨匠ゴヤ(1746~1828)の描く肖像画には名画が揃っているが、‘ドーニャ・イサベル・デ・ポルセール’も体が熱くなるくらい魅力に富んだ一枚。黒いレースから透けて見える肌のピンク色の輝きに思わず目が釘付けになる。

ゴッホ(1853~1890)がオランダにいた頃描いた作品のなかで群をぬいていいのが‘じゃがいもを食べる人たち’。働く人々を愛しつづけたゴッホは農家におけるつつましい食事の光景を見事に描写している。

‘黒のペインター’と呼ばれるフランスの抽象画家、スーラージュ(1919~)。黒の絵としてこれほどわかり易い絵はなく、大きな画面はピアノの鍵盤のような4つのパネルで構成されている。かすれぎみに走る白い線は決して整然と引かれていないが、それがかえって何か不気味なものの存在を暗示させる。

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2012.12.13

満足のキメ手はリファレンス作品! 魅了される紫

4556     ウェイデンの‘十字架降下’(1435年 マドリード プラド美)

4557     シャガールの‘ヴァイオリン弾き’(1923~24年 NY グッゲンハイム美)

4558     カンディンスキーの‘黄ー赤ー青’(1925年 パリ ポンピドー)

4559     モネの‘睡蓮 水のエチュード’(1916~26年 パリ オランジュリー美)

4560         ローランサンの‘シャネル嬢の肖像’(1923年 オランジュリー)

高貴なイメージの強い紫が多く使われた絵画に出会うことはとても少ない。だから、古典絵画でも近代絵画でも紫が印象的な作品はすぐ思い浮かぶ。

フランドルで活躍した画家ウェイデン(1399~1464)に開眼する気きっかけになった絵が‘十字架降下’。注目の紫は右端にいるマグダラのマリアの衣装の色。古典絵画でこれほど鮮やかな紫はほかにみたことがない。プラドでこの絵と遭遇したことは一生の思い出になった。

紫が最初に強く心のなかに入ってきたのはシャガール(1887~1985)、日本で行われた回顧展は見逃さずにみてきたが、画面には紫がよくでてくる。そのなかでとくに印象深いのは‘ヴァイオリン弾き’。顔と手が緑で服はメルヘンチックな紫。これはグッゲンハイムが所蔵するものだが、以前鹿児島の長島美を訪問したとき別ヴァージョンに出会った。

シャガール同様、紫の画面が連想されるのが抽象絵画のカンディンスキー(1866~1944)、画像は最も気にっている‘黄ー赤ー青’。これをはじめてみたときはその完璧な抽象美に体が200%震えた。中央の黄色や青で描かれた円や四角のフォルムをぼかしのきいた紫の色面が取り囲んでいる。これをみるたびにカンディンスキーは本当にスゴイなと思う。

この絵はポンピドーに展示してあるが、パリで紫を体全身で感じられるところがもう一つある。それはモネ(1840~1926)の大作‘睡蓮’とローランサン(1883~1956)の作品があるオランジュリー美。8の字型の二つの部屋に飾ってある壁画の前に身をおくと睡蓮や柳を引き立てる水面の濃い青や紫に体がつつみこまれ心がとても安らぐ。

ローランサンの描く女性のイメージは紫とうすピンク色。シャネルはこんな夢みるようなほわっとした女性とは違うが、このロココの近代版といった感じの肖像画にはぞっこん参っている。

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2012.12.12

国芳スピリッツはどこまで広がるの?

4555_2     歌川国芳の‘大物之浦平家の亡霊’(1851年頃)

4554_3     歌川国芳の‘忠臣蔵十一段目夜討之図’(1831~33年)

4553_2               鏑木清方の‘夕河原’(1940年 横浜美)

4552_2          伊東深水の‘髪’(1953年 横浜美)

先週の木曜日、‘はじまりは国芳’展(11/3~1/14)をみるため横浜美へ出かけた。ところが、この美術館は木曜が休館だった。てっきり月曜と思っていたが、汐留ミュージアムのときと同じ失敗をまたやるのだから間が抜けている。

歌川国芳(1797~1861)の回顧展はここ2年で大きなものを2回体験したから、これは止め展(My造語)と思い定めプラスαを増やすのが目的。国芳の文字が大きく書かれたチラシから想像すると、作品数250点の2/3は国芳と思っていた。が、大違い。後期(12/7~1/4)は29点。だから全体の1/4ほど。

心があまり動かない月岡芳年が異常に多く、どんどんパスするはめになった。国芳の画風が後世の画家たちに影響を与えたことは確かだが、あまりに多くの画家が登場するとちっと手を広げすぎという感じになる。もともと国芳の弟子たちの絵に対する関心は薄いので、国芳がこれくらいの数だと満足度はあがってこない。

ズバリいうと国芳の美人画と鏑木清方や伊東深水の美人画はどこに関連性があるというの?あれほど国芳を大きくアピールしているわりには作品同士の響き合いが弱くインパクトに欠ける。こういう構成では関係の薄い画家の作品が逆にノイズになって国芳の魅力とすごさを薄めることになる。とにかく作品のみせ方にセンスがない。

‘大物浦兵平家の亡霊’は国芳お得意の三枚続のワイドスクリーン作品の一枚。義経の一行を平家の亡霊がシルエットとなっ大波の向こうから追っかけてくる。波にゆられて船は激しく前後左右に揺れ動き、船首に立つ弁慶は法力により亡霊を鎮めるのに必死の形相。迫力のある場面につい見入ってしまう。

‘忠臣蔵十一段目夜討之図’は東博で北斎や歌麿の忠臣蔵をみたばかりだからすぐ反応する。討ち入りのイメージは赤穂浪士の数がもっと多く騒然としているが、この絵では静かに事が進んでいく感じ。遠近感の表現や人物の影の描写などはルネサンス期の版画をみているような気にさせる。

今回、展覧会のテーマは横において楽しんだのは贔屓の画家鏑木清方と伊東深水の美人画、横浜美自慢のコレクションがずらっとでている。とくに魅了されているのが清方の‘夕河原’と大胆な構図にぐっとくる深水の版画‘髪’。そして、驚いたことに清方の‘妖魚’(福富コレクション)があった!久しぶりの対面だが、あまり近くには寄れない。それほどこの人魚はなまめかしい。

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2012.12.11

東博浮世絵エンターテイメント! 北斎&歌麿の忠臣蔵

4549     葛飾北斎の‘仮名手本忠臣蔵・五段目’(江戸・19世紀)

4548     葛飾北斎の‘仮名手本忠臣蔵・十一段目’(江戸・19世紀)

4550     喜多川歌麿の‘高名美人見たて忠臣蔵・六だんめ’(江戸・18世紀)

4551         喜多川歌麿の‘高名美人見たて忠臣蔵・十だんめ’(江戸・18世紀)

東博に展示されている浮世絵は四季折々の風物詩に合わせて作品をセレクトしているのが特徴。今は12月の定番忠臣蔵、葛飾北斎(1760~1849)の‘仮名手本忠臣蔵’の揃物(十一枚)を中心に29点でている(11/27~12/24)。

北斎の忠臣蔵を描いた作品は春朗期のもの。場面の背景に浮絵の技法を使い遠近感をつくっている。人物の描写に動きがあるのが‘三段目’、‘五段目’、‘七段目’、そして討ち入りの‘十一段目’。普通なら最後の‘十一段目’が最も気をひくところだが、緊迫感があるのは‘五段目’のほう。

S字のように流れる川の側で左の男がいかにもワルといった男に斬られそうになっている。殺しの動機は金欲しさ。ところがこの男猟師に撃たれてあえなくダウン、その金を手にした猟師は勘平で殺された男はおかるの父親。
後ろの白い斜めの線で表された雨がこの場面をいっそう緊迫感のあるものにしている。

喜多川歌麿(1753~1806)も揃物として‘高名美人見たて忠臣蔵’を描いた。このシリーズで最も有名なのは歌麿自身が高師直(赤穂事件の吉良上野介)となって登場する最後の‘十一だんめ’。女たちに囲まれる高師直はなかなかの美男。歌麿はこんなにいい男だったの?

今回、これはでてないが‘六だんめ’と‘十だんめ’を楽しんだ。ここにいるのは当時の有名な女性たちで‘仮名手本忠臣蔵’の登場人物に見たてられている。歌麿の描く女をみるといつも元気になる。来年か再来年あたりに東博が大歌麿展を開催してくれることを勝手に妄想しているが、果たして?

あともう一点、歌川国貞(三代豊国)の三枚続のいい絵がある。見てのお楽しみ!

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2012.12.10

ゆったり鑑賞! 東博総合文化展 国宝仏画&合戦絵巻

4546_2           国宝‘普賢菩薩像’(平安・12世紀 鳥取・豊乗寺)

4544_3       国宝‘十六羅漢像(第八尊者)’(平安・11世紀)

4545_2     ‘後三年合戦絵巻 巻上’(重文 南北朝1347年)

4543_2     ‘大井戸茶碗 銘 有楽’(重美 朝鮮時代・16世紀)

東博本館の国宝室に現在展示されているのは鳥取の豊乗寺からやってきた国宝の‘普賢菩薩像’(11/27~12/24)。5年ぶりの対面。

普賢菩薩像の国宝はこれと東博にある菩薩と象の白が印象深いものなど4点ある。この仏画をみる楽しみは光背や衣に施された截金装飾の金色と象の切れ長の目。精緻に細工された截金装飾を単眼鏡でみるたびに惹きこまれるが、色彩がCGでよく再現されたものが目に前にあったらひっくり返るくらいのインパクトがあるにちがいない。

国宝‘十六羅漢像’のうち今回出ているのは第一尊者、四尊者、八尊者(11/20~12/24)。ここの平常展はもう9年も通っているので定期的に公開されるこの十六羅漢像は目がだいぶ慣れてきた。確か1年に一度くらいのペースで3点ずつ展示されている。そのなかで手を合わせる横向きの女性が描かれている八尊者はお気に入りの一枚。

14世紀の半ば頃に描かれた‘後三年合戦絵巻’は東博では国宝の‘平治物語絵巻’とともに最も人気のある合戦絵巻。巻上、中、下の三巻あるが、1年前が巻中で今回は巻上(11/20~12/24)。雁が乱れ飛ぶなか、右手の騎馬武者が潜んでいた敵方に矢を射ようとしている。敵軍の先頭にいる兵士は来るなら来いという構え、その不敵な表情がじつにいい。

この合戦絵巻に吸い込まれるのは動きのある人物描写とリアルな殺戮場面、ところどころ兵士の鎧の間から血が噴き出している。また疾走する馬のフォルムにも目が釘付けになる。

2階右奥の部屋に展示されているのが松永コレクションの茶道具、‘大井戸茶碗 銘 有楽(うらく)’を久しぶりに楽しんだ(11/27~2/24)。最近は五島美が以前よく開催した茶道具の名品を集めたやきもの展に遭遇しないので、数は少ないがこういう展示は有難い。大井戸茶碗をはじめ一点々じっくりみた。

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2012.12.09

待望の‘今泉今右衛門展’!

4539     ‘色絵薄墨珠樹文蓋付瓶’(1987年)

4540     ‘色絵吹墨玉すだれ文鉢’(1993年)

4541     ‘色絵薄墨露草文鉢’(1981年)

4542     ‘色絵かるかや文鉢’(1969年)

ホテルオークラの隣にある智美術館で現在行なわれている十三代 十四代‘今泉今右衛門’展(10/6~1/6)をみてきた。この美術館はやきもののいい展覧会をやるのでHPを定点観測している。今回は待望の十三代今泉今右衛門(1926~2001)の作品だからわくわく気分で入館した。

作品の数は十三代のものが15点、十四代が39点。今右衛門を襲名して10年経つ十四代が中心の回顧展なのだが、十四代の作品はよく絵柄に使う雪の結晶がどうもしっくりこず心が動かない。で、十三代だけをしっかりみて15分で引き上げた。

15点は大変豪華なラインナップインナップでやきものの本に載っていたり、過去の展覧会でお目にかかったものが4点ある。美術館の開館10周年にあたっての記念展だから、代表作を集めてきている。‘色絵薄墨珠樹文蓋付瓶’(東近美の所蔵)は名品中の名品。

薄墨は土の匂いのするうぶな感じの磁器をつくるために十三代が開発した技法。落ち着いた灰鼠色が上絵の珠樹や精緻に描かれた赤い線描きのく雲地文を引き立てている。絵柄のリズム感がよくでているのが‘露草文鉢’。地味な露草なのに軽やかでモダンな感じがする。

吹墨の技法が使われた‘色絵吹墨玉すだれ文鉢’も名品、じっとみていると真ん中に渦をつくる風の音が聞こえてくるよう。余白のつくり方が絶妙で周囲に描かれた雲地文の静と玉すだれの動が見事に融合し幽玄の世界をつくりだしている。

初期の作品‘色絵かるかや文鉢’は6年前茨城県陶芸美で開催された‘日本陶芸100年の精華’展でお目にかかった。白地に描かれた元気のいい3束のかるかやに視線が集中する。素朴なかるかやのフォルムが鉢の形と一体になっており強い生命力が伝わってくる一品。

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2012.12.08

中国王朝の至宝展に出品された仏塔!

4538_2     ‘人頭像’(殷・前13~前11世紀)

4535_2         ‘女性俑’(唐・8世紀)

4536_2         ‘阿育王塔’(北宋1011年)

4537_2     ‘阿育王塔’(拡大 北宋1011年)

東博が実施する日本美術や中国美術関連の特別展をみないで済ますという気にはなかなかなれない。だが、毎回期待値を高くすると鑑賞疲れを起こすから普通の気分でみることもある。今開催中の‘中国王朝の至宝’展(10/10~12/24)はこちらのケース。

お目当てはズバリ、チラシの‘新発見&日本発公開’が気をひく‘阿育王塔’。この仏塔がみたくて上野に足を運んだ。入館してこれが展示されている場所を案内係に聞くと最後だという。ならば、逆に回れば短い時間で全部をみることができたのだが。

入ってすぐの展示室で懐かしいものがでてきた。98年広島に住んでいた時に鑑賞した三星堆(さんせいたい)から発見された殷時代の仮面、目は大きくとびでており鼻もデカイ。目と眉を除く部分に金箔が貼られているので、大昔に活躍したプロレスラー、タイガーマスクの姿が重なってくる。前みたときはもっと大きいイメージがあったが、意外に小さな顔だった。この奇怪な表情は一度みたら忘れられない。

一番の収穫は唐時代につくられた‘女性俑’。愛嬌のあるふっくらとした顔と胸から腰にかけてのラインがビア樽のように丸い胴体に思わず足がとまる。2体あったがともに一級文物に指定されている。以前にも中国展で同じような俑をみたが、今回のものがベスト。また、女性俑は前漢時代のものもあり、目がとてもきれいで凛とした姿に魅了された。

出口近くの部屋にあった‘阿育王塔’は金の輝きや釈迦の物語を描いた図像の細かな表現など見ごたえ充分。これほど質の高い仏塔をみる機会に恵まれたのは幸運だった。古代の遺跡から出土するもののなかで金で装飾された宝飾品や仏具は特別な魅力をひめている。金の仮面にはじまり金の仏塔で終わったので、満足度は高い。

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2012.12.07

藤川球児 カブスへ入団!

4534大リーグ入りを目指していた阪神の守護神藤川球児(32)はシカゴカブスに入団することが決まった。

総額7億8千万円の2年契約という。年俸にすると4億円に近い額だから悪くない評価。

新しい舞台となるカブスはナショナルリーグの中地区に所蔵するチームでかつて福留がプレーしていた。

今年の成績は散々、61勝101敗、勝率.377と敗けが多く6チーム中5位(首位から36ゲーム差)。

この弱小球団のストッパーを任されることになるが、チームの成績が上がらなくても勝ちゲームでは必ず最後に投げるので失敗しなければセーブの数はついてくる。だから、ストッパーとして信頼されるためには登板するゲームでは必ず抑えること。

環境が変わるのではじめからそう上手い具合にはいかないと思うが、自信をもって打者にむかっていけばアウト3つはとれる。かつてマリナーズで活躍した佐々木のように日本人ストッパーのレベルが高いことをみせつけて欲しい。

レンジャーズでFAになっていた上原(37)はレッドソックスと1年契約(年俸3億5千万円)を結んだ。上原にとってプレーするチームは3つ目。今年の上原はレギュラーシーズンの終盤に好調を維持していたから、ダルビッシュ同様ポストシーズン(PS)でのピッチング楽しみにしていたのに残念ながらチームが敗退したため登板の機会が消えてしまった。

レッドソックスは2年連続でPS進出がならなかったので来年は巻き返しをはかりたいところ、そのためにはまず投手陣の強化が求められる。で、上原の投球技術を評価し獲得したのだろう。新天地での活躍を期待したい。

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2012.12.05

満足のキメ手はリファレンス作品! 深く安らぐ緑

4533_2       グレコの‘受胎告知’(1596~1600年 マドリード プラド美)

4529_2   ファン・エイクの‘アルノルフィーニ夫妻の肖像’(1434年 ロンドン国立美) 

4531_2         モネの‘カミーユ(緑l衣の女)’(1866年 ブレーメン美)

4530_2     アンリ・ルソーの‘蛇使いの女’(1907年 パリ オルセー美)

4532_2     オキーフの‘ジャック・イン・ザ・プルピットⅣ’(1930年 ワシントン国立美)

今年も残り1ヶ月となり心は来年開催される西洋絵画の展覧会のほうへ向かっている。あと40数日ではじまるのが待望の‘エル・グレコ展’(1/19~3/31 東京都美)。これを皮切りに1ヶ月ごとにビッグな展覧会が続いていく。

ざっとあげてみると
‘クラーク・コレクション展’(2/9~5/26) 三菱一号館美
‘ラファエロ展’(3/2~6/2) 西洋美
‘ベーコン展’(3/8~5/6) 東近美
‘ルーベンス展’(3/9~4/21) Bunkamura
‘貴婦人と一角獣展’(4/25~7/15) 国立新美

グレコ展は1986年に西洋美で行われたグローバルクラスの大回顧展(作品数49点)を上回る作品が集結するというのだから、否が応でもテンションがあがる。じつはこの展覧会をみてグレコ(1541から614)に開眼し、緑がMyカラーになった。目玉の作品はプラドからやって来た有名な‘受胎告知’。大天使ガブリエルのまとった緑の衣を釘付けになってみた。

普通の回顧展だと同じ題材の作品は2点がいいとこだろうが、‘受胎告知’はほかに大原美にあるものなどが5点でていた。大原美の絵ではガブリエルの衣は黄色になっており、グレコはこの天使を二つの色で描いている。

ロンドンでみたファン・エイク(1390~1441)の‘アルノルフィーニ夫妻の肖像’も緑が印象深い作品。左にいる夫の顔は何度みても好きになれないが、妻の誠実そうな表情と緻密に描かれた緑の衣裳が心を安らかにしてくれる。

2年前みたモネ(1841~1926)の回顧展でサプライズの作品のひとつが‘緑衣の女’。これは図版では想像できない大きな絵で黒のストライプが縦にはいる緑の衣裳がやや後ろをむきかげんなカミーユの存在感をいっそう引き立てていた。この緑は忘れられない。

つい最近‘美の巨人たち’でとりあげられたルソー(1844~1910)の‘蛇使いの女’、この絵は2年前日本ではじめて公開され美術ファンをおおいに喜ばせた。ジャングルの生命力を表した緑のグラデーションには毎度々強く惹きこまれる。また、画面の構成が本当にすばらしい。

オキーフ(1887~1986)はホッパーやホーマーとともに大好きなアメリカの画家。4年前、アメリカの美術館を回った際ワシントンナショナルギャラリーで対面した‘ジャック・イン・ザ・プルピットⅣ’が特◎緑の絵リストに加わった。この美術館にはこのシリーズがほかにもあるので、次回はこれらがみれることを祈っている。

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2012.12.04

満足のキメ手はリファレンス作品! 赤の衝撃

4524_3          グレコの‘聖衣剥奪’(1577~79年 トレド大聖堂)

4526_2          モネの‘ラ・ジャポネーズ’(1875年 ボストン美)

4525_2     マティスの‘赤い部屋’(1908年 エルミタージュ美)

4527_2     ティツィアーノの‘聖母被昇天’(1516~18年 ヴェネツィア フラーリ教会)

4528_2     フーケの‘聖母子と天使たち’(1452年 アントワープ王立美)

色のなかで一番目立つのは赤、この色は膨張し飛び出してくるような感じがするので絵画をみたときに受ける衝撃度は最も大きい。

そうした赤の衝撃でとりわけ大きかった作品5点が体験した順に並んでいる。はじまりはトレドで遭遇したグレコ(1541~1614)の‘聖衣剥奪’。中央に描かれたキリストが身につけている真っ赤な衣の輝きとボリューム感に目を奪われた。言葉が出ず、ただただみつめていた。

モネ(1840~1926)が妻のカミーユに日本の赤の着物を着せ描いた‘ラ・ジャポネーズ’と出会ったのは今から20年前のこと。その後、08年にまたみる機会があった。その間に日本にもやって来たような気がするが?ちょっと記憶があやふや。この裾の大きく広がった着物は赤のインパクトが強いだけでなく描かれた武者の意匠にも目が吸い寄せられた。

99年エルミタージュ美を訪問したとき、マティス(1869~1954)はレンブラント、ゴーギャンとともに重点鑑賞画家だった。その一級のコレクションが展示されている部屋では‘赤の部屋’、‘ダンス’、‘音楽’、‘画家の部屋’など画面の多くを占める鮮やかな赤に圧倒されっぱなしだった。今年幸運なことに‘赤の部屋’とまた会うことができ、マティスが赤の画家であることを再認識した。

この年、もう一度サプライズの赤に遭遇した。それはヴェネツィアのサンタ・マリア・グロリオーザ・デイ・フラーリ教会の祭檀画‘聖母被昇天’。描いたのはティツアーノ(1490~1576)、美しい赤の衣服を纏ったマリアの姿をみるのが長年の夢だったので天にも昇るような気持ちでながめていた。

フーケ(1420~1481)の‘聖母子と天使たち’は1年前にみたばかりだから、その衝撃の余韻が体のなかにまだ残っている。視線が集中するのは聖母子よりまわりにいる天使たち。てかてか光る赤一色の体と翼に目が点になった。赤い塗料の入った大きな缶のなかに天使を一人ずつどぼっと漬けて引き上げたような感じ。この絵と対面したことは一生の思い出。

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2012.12.03

満足のキメ手はリファレンス作品! 吸い込まれる青

4519_2  ベリーニの‘聖カタリナとマグダラのマリアのいる聖母子’(1490年 アカデミア美)

4520_2  フェルメールの‘手紙を読む青衣の女’(1663~64年 アムステルダム国立美)

4521_2        アングルの‘ド・ブロイ公爵夫人’(1851~53年 メトロポリタン美)

4522_2     ゴッホの‘夜のカフェテラス’(1888年 オッテルロー クレラー=ミュラー美)

4523_2     クラインの‘海綿レリーフ’(1958年 セゾン現美)

海外にある美術館に何度も行くことはできないが、理想をいえば2回くらいは訪問したい。はじめてのときは興奮しているうえ、展示室のレイアウトがわからないので絵に対する集中力がどうしても少し落ちる。これが2度目となると、絵のある場所が頭に入っているので気持ちに余裕があり作品をじっくりみることができる。

10年ヴェネツィアのアカデミア美を再訪したとき、サプライズの絵があった。それはジョヴァンニ・ベリーニ(1434~1516)の‘聖カタリナとマグダラのマリアのいる聖母子’。この絵は一度みているのにこんなにすばらしい絵だったのか!というくらい気分が高揚した。画像では色がうまくでてないのが残念だが、真ん中のマリアの着ている衣服の青がもうすごい力をもっていて、吸い込まれそうになった。それ以来、ベリーニの絵に遭遇したときはこの傑作のことを思い出すようになった。

今年の1月、Bunkamuraでフェルメール(1632~1675)の作品が3点も公開された。日本ではフェルメールは特◎人気の画家だから、館内には大勢の美術ファンがおり息を呑んでみている。皆さんと同じようにじっくりみていたが絵にぞっこん惚れているからではない。関心を寄せているのは修復されオリジナルのフェルメールブルーを取り戻したという‘手紙を読む青衣の女’の青い衣服だけ。

フェルメール全作品をみて画面のなかで青の占める割合が多いのはこの絵と‘牛乳を注ぐ女’。‘牛乳’のほうはMy好きなフェルメールの上位に入っているのに対し、‘青衣の女’は関心の薄い作品だがこの青にはぐっと惹きつけられる。やわらかい光にあった青は詩的な雰囲気をかもし出しており心を揺すぶる。

アングル(1780~1863)の描いた夫人の青のドレスをみたときの感動は今でも忘れられない。絹のつやつやした質感描写がすばらしく、言葉を失なってみていた。こういう女性が目の前に現われたら気分がぐっと静まり、背骨がしゃんとするだろう。

青は広がりを感じさせる色、天体の青色という点ではゴッホ(1853~1890)の‘夜のカフェテラス’とクライン(1928~1962)の‘海綿レリーフ’に表現された青はつながっているかもしれない。ゴッホの夜景図はどれも魅力にあふれているが、この‘夜のカフェテラス’の夜空の青はとりわけ心をとらえて離さない。

クラインが創造する神秘的な青につつまれた深海や遠い星雲の世界に誘われていくと、その密度の濃い青で心のひだにたまった不純物がきれいに洗浄される感じがする。

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2012.12.02

満足のキメ手はリファレンス作品! 黄色の画家

4517_2     ゴッホの‘収穫’(1886年 アムステルダム ゴッホ美)

4518_2     ターナーの‘ノラム城、日の出’(1845年  ロンドン テートブリテン)

4516_2     モネの‘睡蓮の池’(1917~19年 パリ マルモッタン美)

4515_2     ルノワールの‘フェルナンド・サーカス’(1879年 シカゴ美)

Myカラーは緑&黄色、だから黄色が心を打つ絵には特別の展示室が用意されている。黄色を自分の色にしているのはゴッホが好きだからで、緑はエル・グレコの影響。

黄色の画家と呼ばれるゴッホ(1853~1890)、画風の特徴である黄色が最も輝いているのがアルル時代に描かれた作品、ゴッホがアルルにいたのは1888年の2月から1889年の4月、1年3ヶ月過ごし油彩だけで200点以上描いた。すごいスピードで描き続けたが、生まれてくる作品はどれもいい絵ばかり。

イエローパワー全開で描かれ画面の多くが黄色で占められ作品のうち200%KOされるのがゴッホ美にある最強トリオ、‘収穫’、‘黄色い家’、そして全部黄色の‘ひまわり’。また、日本に何度もやって来てゴッホファンを楽しませれくれた‘太陽と種まく人’(クレラー=ミュラー美)に描かれた太陽の輝く黄色も忘れられない。

ゴッホは変色しやすい絵の具であるクロムイエローにいろいろ工夫を加え、鮮やか黄色を駆使して自然や花の生命力を生き生きと描いた。このクロムイエローをゴッホより前に使った画家がいる。イギリスの国民的風景画家ターナー(1775~1851)。

ターナーも黄色の画家といっていいくらいその作品には黄色が印象深いものが多い。ターナーは新らしもの好きで、1809年にはじめて製造されたクロムイエローを早速作品に使った。そのなかでとくに気に入っているのが‘ノラム城、日の出’。

この絵をはじめてみたのは日本、今から14年前に東京都美で‘テート・ギラリー展’があり、‘海の怪物のいる日の出’などと一緒に展示された。ぼあーっと輝く丸い黄色がとても目に心地よかった。

モネ(1840~1926)の連作‘睡蓮の池’のなかで睡蓮が全部黄色で描かれたのが1点ある。パリのマルモッタン美を訪問したとき、有名な‘印象、日の出’を感慨深くみたあと絵の前で思わず足がとまったのがこの黄色の睡蓮、絵のインパクトの強さでは‘印象、日の出’を上回った。嬉しいことにこの絵は03年に日本で公開されたので、モネが好きな方はみられたかもしれない。

ルノワール(1841~1919)もモネ同様黄色の絵ですぐ頭をよぎるのは少なく、今のところ2点のみ。08年シカゴ美でみたサーカスの軽業師姉妹を描いた‘フェルナンド・サーカス’と黄色の衣服と明るい表情が魅力的な‘アリーヌ・シャリゴの肖像’(フィラデルフィア美)。数は少なくてもMyカラーの作品だからいつも別格扱いにしている。

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2012.12.01

満足のキメ手はリファレンス作品!白の輝き

4514_2     ティントレットの‘水浴するスザンナ’(1556年 ウィーン美術史美)

4511_2     ルノワールの‘カティース・マンデスの娘たち’(1888年 メトロポリタン美)

4512_2     モネの‘かささぎ’(1868~69年 オルセー美)

4513_2     モネの‘鉄橋 アルジャントゥイユ’(1874年 フィラデルフィア美)

海外の美術館を訪問するときは時間が限られているのにみたい絵が沢山あるからとても忙しい。作品をみながら手も同時に動かす。事前につくった必見作品リストに絵の印象、惹きつけられたことを速記風にどんどん書き込んでいく。

これは絵の印象づけの第一段階、日本に帰るとメモをまた別の紙に清書し、特別魅せられた作品については購入した図録に赤マークをつけておく。これをルーチンとして美術館へ出かけるたびに実行している。こういうことをやっていると大きな感動を受けた作品は長く記憶にとどまるし、他の作品をみる際満足のキメ手となるリファレンス作品(基準作)の役割を果たしてくれるようになる。

絵画をみていてもっとも感激するのは目を奪われる色彩表現に出会ったとき。今回とりあげるのはそのなかで白の輝きが体全体に沁みこんでいる作品。古典絵画でサプライズの白を体験したのはウイーン美術史美に飾ってあるティントレット(1518~1594)の‘水浴するスザンナ’。このテーマを描いた作品はいくつもみたが、スザンナの肌がこれほど白く輝いている絵はみたことがない。少し離れてみたが白い肌が発光体のように光っていた。

近代絵画に描かれた女性では4年前に訪問したメトロポリタンでみたルノワール(1841~1919)の‘カティース・マンデスの娘たち’(拙ブログ08/5/15)に大きな衝撃を受けた。女の子の顔、手足、そして衣服の白がまわりの作品をみわたしても一際輝いている。ルノワールの絵を数多くみてきたが、体が震えるくらい色彩の力を感じたのはこの絵がはじめて。

10年パリのグランパレで開催されたモネ(1840~1926)の大回顧展でもとびっきり美しい白に遭遇した。‘かささぎ’の雪景色と‘鉄橋 アユジャントゥイユ’の日が当たった列車の煙と鉄橋を支える白い丸柱。世界中から集結したモネの名画のなかにあっても、この2点の画面から発せられる光の強さは群を抜いておりしばらく立ち尽くしてみていた。

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