音楽が誘う絵画の世界! ドヴォルザーク‘新世界’
イングリッシュホルン ドヴォルザーク
ルーベンスの‘虹のある風景’(1636年 ロンドン ウォレス・コレクション)
わが家では今クラシック音楽やオペラを聴く時間はとても少ないのだが、昨年TVを地デジ対応に切り替えてからはゆっくりだがクラシックが復活しつつある。
これには理由がある。古いTVのときはN響アワーやBSのオペラ番組はビデオデッキで録画し再生していたが、新しく購入したTVでは内蔵されているハードディスクに録画されるので再生が大変簡単。リモコンのボタンをポンポンと押せばお気に入りの名曲がすぐ流れてくる。
このいう便利な状況が生まれたので昨年熱心に聴いたBSプレミアムの‘名曲探偵 アマデウス’をちょっとした軽作業、例えば、古い図録をばらばらにして画集に載っている絵とダブらないものを整理しているときなどに再生して楽しんでいる。
そして、おもしろいことを感じるようになった。それはお馴染みの名曲を聴いていると以前はそんなことはなかったのだが、その曲想と響きあう絵のことを思い浮かべるようになったこと。
心のなかでおこる音楽と絵画のコラボがどう展開していくのか、で、新シリーズ‘音楽が誘う絵画の世界!’を立ち上げることにした。一回目はドヴォルザーク(1841~1904)の‘交響曲第9番・新世界’。
誰もが郷愁をそそられる第2楽章の第1主題。中学校では下校のときこのイングリッシュホルンが奏でる美しい旋律が流れていた。これを聴くたびに音楽に国境はないなと思う。今でもこの曲が流れているのだろうか?
この音楽との親和性をとても感じるのがミレー(1814~1875)の‘晩鐘’。ドヴォルザークの故郷チェコのボヘミア地方とフランスのバルビゾン。祈りを捧げる農夫と妻の姿をみていると自然に新世界の旋律が聴こえてくる。
ブリューゲル(1525~1569)の‘干草の収穫’とルーベンス(1577~1640)の‘虹のある風景’も下校の音楽と重なる作品。仕事を終えて帰る女たちの楽しげな様子がじつにストレートに伝わってくる。‘干草の収穫’は幸運なことに日本でみる機会があった。そして、‘虹のある風景’も2年前ウォレス・コレクションを訪問し長年の思いの丈を叶えることができた。この2点に出会ったのは生涯の喜び。
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コメント
新しいコラボ、楽しく読ませていただきました。絵にテーマ曲を考えるのも面白いですね!
私はそれほどクラシックは詳しくないのですが、ドヴォルザークの新世界は学校時代の音楽鑑賞で馴染みがあります。
第一楽章と打って変って、第二楽章は静かでゆったりとし、日本語版の歌もありますね。
「陽は落ちて」という歌詞がありますから、やはり夕方の絵というわけですか。
ミレー、ピーテル・ブリューゲル、ルーベンスいずれも有名な絵ですね。
プラハとロンドンのウォレス・コレクションには行っていないのですが、特にプラハのブリューゲルは一度実見するのが夢です。
投稿: ケンスケ | 2012.11.17 22:15
to ケンスケさん
音楽と絵画がどう響きあうか、はっきりとした
イメージはないのですが、ふと心に浮かんだ
ものを素直に表現してみようと思います。
ブリューゲルの‘干草の収穫’をケンスケさん
もお好きですか!名画の魅力を共有するのは
楽しいですね。
この絵は日本でもみたのですが、03年プラハ
国立美でも楽しみました。いい思い出です。
投稿: いづつや | 2012.11.18 00:55