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2012.11.18

光の画家 エル・グレコ!

4463_3  エル・グレコの‘燃え木で蝋燭を灯す少年’(1570~75年 カポディモンテ美)

4464_3         ラ・トゥールの‘大工ヨセフ’(1642年 ルーヴル美)

4465_2     ルーベンスの‘蝋燭をもつ老婆と少年’(1616~17年 マウリッツハイス美)

絵画の鑑賞を重ねていくとどういうわけか好きな画家でも相性のいい画家と悪い画家がでてくる。エル・グレコ(1541~1614)は前者のタイプ。

その相性の良さの一つの例が2年前西洋美で開催された‘カポディモンテ美展’。このナポリにある美術館からやって来た作品のなかにグレコの追っかけ画‘燃え木で蝋燭を灯す少年’が含まれていた。この絵は現地に出向かないと一生縁がないなと思っていたから、腹の底から嬉しさがこみあげてきた。

こういう幸運なことが複数回起きるとなるとこれはもうその画家とは相性の良さを通りこして固い絆で結ばれていることになる。じつはそれが来春の‘エル・グレコ展’で実現するのである。‘無原罪のお宿り’(トレド サンタ・クルス美)、‘フェリペ2世の栄光’(エル・エスコリアル修道院)、‘白貂の毛皮をまとう貴婦人’(グラスゴー美)の3点がまとめて日本にやって来るというのだから幸せ三段重ね。

エル・グレコが5年滞在していたローマで制作した‘燃え木で蝋燭を灯す少年’をみるたびにエル・グレコを光の画家と呼びたくなる。この絵はいつもラ・トゥール(1593~1652)の傑作‘大工ヨセフ’を思い起こさせる。言葉を失うほど感動するのが蝋燭の炎に透かされた幼子イエスの左手。これほど繊細な光の表現をする画家はほかにいない。

ラ・トゥールが幼子の顔やヨセフの額を蝋燭の炎が静かに照らすところを描いたのに対し、グレコの絵では蝋燭を灯す燃え木は少年の顔や衣服をぱあーっと照らし闇のなかに少年を浮かび上がらせている。燃え木に息を吹きかける口の動きがとてもリアル。

昨年11月に訪問したマウリッツハイツ美で衝撃的な体験があった。それはルーベンス(1577~1640)が描いた‘蝋燭をもつ老婆と少年’(拙ブログ11/12/13)。グレコの絵と較べてみると、グレコのほうは粗いタッチで描かれているが、二つの絵は画面に占める人物の大きさや顔を明るく照らす光の描写がよく似ている。

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コメント

おはようございます。
グレコ展、待ち遠しいですよね。
西洋美術館では、ラファエロ、文化村では、ルーベンスですか。
三菱一号はクラークコレクション。いづつやさんおっしゃる、西洋美術の五大は確かですね。
千足先生がまた、ルーベンスの付録付きの本書いてますが、付録が嵩張るから買うのはちょっと。

投稿: oki | 2012.11.19 05:15

to okiさん
西洋絵画は年内にみることはないですが、
年が明けたら期待の展覧会がどどっとはじ
まりますから楽しみです。

グレコ(東京都美)、ラファエロ(西洋美)、
クラーク(三菱一号館美)、ルーベンス
(Bunkamura)。日本は美術大国ですね。

国立新美も加えた5強の美術館のように
チャレンジしている館長や学芸員がいる
ところは好感がもてます。

千足さんの本みてみます。

投稿: いづつや | 2012.11.19 11:49

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