システィーナ礼拝堂の天井画 お披露目から500年!
今日のお昼のニュースでシスティーナ礼拝堂の天井画がお披露目されてから500年となるのを記念してローマ法王が祈りの儀式を行ったことが報じられていた。ミケランジェロがユリウス2世に依頼されてこの天井画を完成させたのは1512年の秋、完成には4年の歳月が流れた。見る者に大きな衝撃を与えたにちがいないこの壮大な天井画が公開されたのは500年前の10月31日だったのか!という感じ。
ここは2年前に訪れたが観光客でいっぱいだった(拙ブログ10/3/16)。天井の高さは20メートルくらいあるから、TVの美術番組がみせてくれる大映しの画像のようには描かれている旧約聖書の創世記物語は目に入ってこない。350の人体が描かれているが、強く印象づけられるのは多くても50人ほど。
ながめている時間が最も長いのは‘アダムの創造’、映画‘E.T’にも採用された有名な場面である。そして、お尻をみせている‘天体の創造’も目に焼きつく。また、ノアの物語の‘大洪水’も関心の高い場面だが、これは最初に描かれたこともあって人間の数が多すぎ下からは画面全体がよくつかめない。
天井の下の部分に描かれている預言者や巫女では目がくりくりっとしている‘デルフォイの巫女’と両肩をひねったポーズが印象深い‘リビアの巫女’がとくに気に入っている。短縮法で描かれれているため体は縮こまり、太い足や腕はこちらに飛び出してくるようで立体的にみえる。これはまさに彫刻家ミケランジェロは仕組んだ壮大なイリュージョン。
今この天井画や正面の壁画‘最後の審判’は湿気やほこりによる絵の劣化という大きな課題に直面している(10/10/10)。ここは誰もが一度は見たい人気のスポットであり、夏は一日2万人の観光客がやって来るという。美術品の保存と観光をどうやってバランスさせるか、入場者制限をするというのもひとつの方策ではあるがこれはなかなか難しい。なにか妙案がでてくるといいのだが。
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