開幕が待ち遠しい‘エル・グレコ展’!
‘フェリペ2世の栄光’(1577~79年 エル・エスコリアル修道院)
先週の‘日曜美術館’はエル・グレコを特集していた。現在、大阪の国立国際美で‘エル・グレコ展’(10/16~12/24)が開催されているが、番組のなかでとても嬉しい作品がでてきた。もともと期待値の高い東京都美での展覧会(来年1/19~4/7)、開幕が待ち遠しい。
‘ビッグニュース!’で紹介したようにこの大規模な回顧展(拙ブログ7/8)における最大の見所はグレコ(1541~1614)晩年の傑作‘無原罪のお宿り’(トレド サンタ・クルス美)、こんな有名な作品が日本にやって来るなんて夢みたいな話だが、実際今大阪で多くの美術ファンを楽しませている。
この絵がみられだけでもスゴイことなのに、なんと追っかけ画の‘フェリペ2世の栄光’まで一緒にやって来ていた。出品が間違いないかチェックするため美術館のHPへアクセスしたのだが、残念なことに出品作のリストが掲載されてない。ちょっと心配だが、絵の横のプレートは日本語だったから東京都美にも展示されるだろう。
この回顧展を監修したマドリード自治大学のマリーアス教授が番組に登場し、グレコが人物の体を長く引きのばして描いたことに関して、興味深い話をしていた。当時トレドでは女性は高いヒールをはき背をより高く美しくみせていたという。グレコはこれを参考にしていた。
そして、もうひとつ重要なポイントを指摘。祭壇画は高い位置に飾られるため、これをよく知っているグレコは下からみたときマリアや天使が美しくみえるよう人体を長くひきのばして描いた。これを遠くからみると人物は異常に引きのばされてみえてしまう。へエー、そういうことだったのか!という感じ。
‘無原罪のお宿り’の前では真近に寄って下から見上げるようにしてみようと思う。いい話を聞いた。
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コメント
来年のエル・グレコ展は、本当に楽しみにしています!
『フェリペ2世の栄光』は、30年以上前一度だけ行ったことがあるエスコリアル宮で見たはずなんですが、当時は『聖マウリシオの殉教』がお目当てだったため、『フェリペ2世の栄光』のほうはあまりよく見ませんでした。だから今回は、ゆっくり見るつもりです。
トレドの『無原罪のお宿り』は、日本で見られる最初で最後のチャンスかもしれませんね。
やはり30年ほど前一度だけ行ったトレドでは、大聖堂やサント・トメ寺院、エル・グレコの家美術館を見たのですがサンタ・クルス美術館は行きませんでした。
今回は、いづつやさんと同じように見てみようと思います!
投稿: ケンスケ | 2012.11.17 20:50
to ケンスケさん
エル・エスコリアルへは行ったことがあるの
ですが、絵をみたという記憶がありません。
ですから、有名な2点をいつかと思っていた
のですが、‘フェリペ2世の栄光’がみれる
ことになるとは、ついてます。対面が楽しみ
です。
‘無原罪のお宿り’をみる視点については目
からうろこが落ちた感じです。
投稿: いづつや | 2012.11.18 00:24
ご無沙汰しております。
いつも拝見しておりますが、
毎日色々と思いながらも
コメントをするまでにいかずで。。。
エル・グレゴは大阪が先で、
この秋一番行きたかった企画展でした。
きっと東京ほどは混んでおりませんでしたので、
(マウリッツハイスも)
間近でしっかと見上げてきました。
今回改めて観て、グレゴの描く人物の手(指)の表現が
美しいと感じました。
投稿: licoluise | 2012.11.18 13:19
to licoluiseさん
グレコ展は日曜美術館で紹介されましたから、
観客の数が増えたのではないでしょうか。
国立国際美は一度ルノワール展があったとき
に行きました。
東京は年が明けたらグレコモードのなりそう
です。1986年西洋美であったワールド
クラスのグレコ展をしのぐ規模ですので、
今か々と開幕を待っています。
投稿: いづつや | 2012.11.18 19:55