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2012.11.25

音楽が誘う絵画の世界! マーラー‘交響曲5番 アダージョ’

4484_2     ヴァイオリン                ハープ

4486_2        クノップフの‘見捨てられた町’(1904年 ベルギー王立美)

4485_2     ベックリーンの‘死の島’(1880年 メトロポリタン美)

4487_2     ホイッスラーの‘青と銀色のノクターン’(1872年 テートブリテン)

4488_2     ムンクの‘月の光’(1895年 オスロ国立美)

クラシックとのつきあいは人夫々。小さい頃から父親の影響などで家にクラシックがいつも流れていた人と違って、クラシックを聴く機会といえば学校の音楽の時間とかNHKで10分くらい流れるクラシックアワーくらいのものだった。だから、クラシックへの耳の反応はごく普通。

その状態に変化が起こる契機となったのが社会人になってから聴いたマーラー(1860~1911)の交響曲。クラシックの本を読みアバド、ショルテイ、ハイティングらが指揮した有名な演奏が収録されたCDをあれこれ集めた。以来、ずっとマーラー愛好が続いている。最も好きなのは5番!もう耳にたこができるくらい聴いた。

この5番で何か別の曲が入ってきたのではと思わせるのが弦とハープのために書かれた第4楽章の♪♪アダージョ。このアダージョというとマーラー好きの方はこれが使われた映画‘ベニスに死す’(1971年 ルキノ・ヴィスコンティ監督 トーマス・マン原作)を条件反射的に連想するにちがいない。

この映画をみてからもうだいぶ時間が経つのでどういう話の展開だったか記憶がうすくなっているが、びっくりするくらい美しい若い男性がでてきたことは今でもよく覚えている。どうでもいいことだが、2年前ロンドンの地下鉄でワイワイしゃべっている高校生のグループのなかに映画に登場した人物を彷彿とさせるような子がいた。別にそういう趣味はないのだが、ヨーロッパを旅行していると女の子のような綺麗な顔をした男の子にときどき出会う。

この♪♪アダージョの曲想は映画のイメージとダブっているので、思いつく絵画も死の観念とか滅びの美学をテーマにした象徴主義や表現主義の作品が多い。その代表がクノップス(1858~1921)の‘見捨てられた町’とベックリーン(1827~1901)の‘死の島’。クノップスの絵は昨年ベルギー王立美を再訪したときリカバリー作品のリストに入れていたのに、またしても会えなかった。この画家とはどうも相性が悪い。

アダージョのかもし出す不安や苦悩の心情を少し和らげると、ホイッスラー(1834~1903)の静謐で幻想的な‘青と銀色のノクターン’とかムンク(1863~1944)の‘月の光’といった作品が目の前をよぎる。いずれの絵でも描かれるのは暗い海や川。その退廃的で甘美さの漂う光景が心の奥底のひだにまで溶けていく。

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コメント

いづつやさん

こんばんは。いつも色々な情報ありがとうございます。
あいにく「ベニスに死す」は見ていないのですが、マーラーは私も好きです。
以前は食べず嫌いというか聞く機会がなかったのですが2-3年前に2番の≪復活≫を歌うことになりまして、とてもとてもと思ったんですが歌わせていただきました。合唱の部分はご存じ最後の15分か20分くらいですがとても難曲でして四苦八苦しました。でも最後には本当に今まで知らなかった世界が広がって、マーラーに出会えてよかったと思っています。 お好きな盤があったら教えてくださいね。

投稿: Joyce | 2012.11.26 21:16

マーラー、私の時代がくる、といったひとですね。
僕のクラシックとの出合いもマーラーの復活、でした。
マーラーは何しろ長いですからね、復活も一枚に収まらない演奏有りますね。
第五番も好きです。
僕は音声ガイドを展覧会では、よく借りますが、クラシックの曲入りも多いですね。
今年のドビュッシー展は、当たり前という感じですが。

投稿: oki | 2012.11.26 22:29

to Joyceさん
マーラーの復活は5番同様大変魅せられてます。
ぐっとくる旋律がいくつもでてきますから、
長い演奏でもダレることがなく、心が大きく
揺すぶられます。

合唱のメンバーだとマーラーの世界とそれこそ
一体にある感じでしょうね。とにかく2番は
別格の交響曲ではないでしょうか。

今はマーラーのCDがないのですが、ビデオ収録
したアバド指揮ベルリンフィルの2番がもう最高
にいいです。ですが、CD化されてるかはわかり
ません。

投稿: いづつや | 2012.11.27 01:08

to okiさん
マーラーがお好きならまた話がはずみますね。
2番はいいですね。重厚で華やかさもあり
ますから最高に気分が盛り上がります。

来年はクラシック、オペラ回帰の年にしようと
思ってまして、またマーラーを1番から9番
までじっくり聴くことにしてます。

投稿: いづつや | 2012.11.27 01:15

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