アートに乾杯! 動物彫刻
フランソワ・ポンポンの‘シロクマ’(1923年頃 メトロポリタン美)
現在、東京都美で開催されている‘メトロポリタン美’(10/4~1/4)に出品されたものは数でいうと絵画より工芸、彫刻のほうが多い。これはメトロポリタンの全収蔵品のなかに占めるこうした美術品の割合の多さをそのまま反映している。
今回やって来たもので‘美術館ガイド’に載っているものをちょっとチェックしてみたら、いくか見つかった。例えば、エジプト美術の‘跳躍する馬’、‘トエリス神’、武器・甲冑部門の‘サレット’、そしてギリシャ・ローマ美術の‘鐙形の壺’。
大英博物館とかルーヴルとかMetのような大博物館の展覧会では、全部が全部お宝ということはないがレベルの高いものが多く含まれているので、目に力を入れてみるに限る。そのなかでとくに印象深いのがあった。
フランソワ・ポンポン(1855~1933)の‘シロクマ’、触れないのが残念だがこの白の輝きは大理石。癒し系の彫刻とはこのこと。7,8年前にでかけた旭川動物園でみた白熊と再会したような気分だった。このポンポンの彫刻はオルセーにあるものが確か一度やってきたような記憶があるのだが、どの展覧会だったか思い出せない。
ピカソ(1881~1873)が手がけた彫刻‘雌山羊’も大変魅せられている。ピカソにしてはこの山羊はやさしすぎるモチーフにように思えるが、‘ヒヒの親子’のようなピカソらしい動物も選んでいるからバランスはとれている。
とてもおもしろいのはダリ(1904~1989)のダブルイメージ彫刻‘白鳥=象’。この象を裏返すと美しい白鳥の姿に変身する。絵だけでなく、立体の彫刻でもイメージの変容をみせてしまうのだから、シュールさは徹底している。
同じシュルレアリスト、ミロ(1893~1983)の‘犬’になると、そのフォルムは具象をずいぶん逸脱している。でもなにか丸っこい犬の生命力が伝わってくるから不思議。
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