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2012.10.15

太田記念美の‘月岡芳年展’!

4349     ‘藤原保昌月下弄笛図’(1883年)

4352     ‘義経記五條橋之図’(1881年)

4350         ‘月百姿 烟中月’(1886年)

4351         ‘和漢百物語  大宅太郎光圀’(1865年)

太田記念美で行われている‘月岡芳年展’(10/2~11/25)をみた。歌川国芳が師匠だった月岡芳年(1839~1892)の浮世絵が好きか?と尋ねられると返事にちょっと困る。国芳へののめり込み度を100とすると30くらいというのが正直なところ。

それくらいの浮世絵師なのに太田へ足を運んだのは芳年の図録を手に入れたかったから。10枚あったらそのなかに好きなのが3点は入っている。普通の浮世絵展だったらそれに当たる確率は当然低い。だが、作品が沢山でてくる回顧展なら数はそこそこ期待できる。

芳年の血みどろ絵は好みではないので鑑賞時間は短い。お目当ての絵は‘宇治拾遺物語’にでてくる故事を絵画化した‘藤原保昌月下弄笛図’。正面を向き笛を吹く保昌の横では盗賊が衣を奪おうと狙っている。衣はススキの穂同様、強い風に吹かれ揺れ動いている。緊張感を生み出しているのは烏帽子を頂点とした三角形の構図。そして、後ろのススキの先にみえる月にはこの緊迫の一瞬を暗示するかのように黒い雲がたれかかっている。

この絵に対してアクロバティックな動体描写が視線を惹きつけるのが義経と弁慶の五條の橋の戦い。この人物を正面からとらえる構成はなかなか思いつかない。宙を跳ぶ義経の姿はロンドンオリンピックで金メダルをとった内村の跳馬の演技を見ているよう。

2年くらい前、ここで‘月百姿’が全点展示された。それまで数点を体験し関心があったので前期の作品をみたのだが、グッとこなかった。理由ははっきりしている。国芳に比べて画面に対象をいっぱい描きすぎるのである。ぱっとみると意表をつく構図がいいかなと思うが、しばらくみているとビジー感が強く折角の構図が生きてこない。だから、これはという絵は本当に少ない。‘烟中月’はそのときみたか覚えてないが、これなら足がとまる。

骸骨が登場する武者絵はこの展覧会のまえに国立新美でヤン・ブリューゲル2世の模写‘死の勝利’をみていたので、すぐ反応した。

後期(11/1~25)に図録の表紙に使われている‘源牛若丸 熊坂長範’がでてくる。現在活躍する劇画の作家が描いたような感じで絵に勢いがある。後期も出動するかどうか、ちょっと悩む。

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コメント

僕も行って来ましたが、狭い太田記念では、数の不足が否めず、トーハクと言わないまでも、千葉あたりでやってほしかったです。
血みどろだけでなく、芳年は、教訓物にも手を染めていたとか、、神経症だったとか、まあ面白いですけどね。
僕が出ようとする時、外人の団体客が入って来ましたが、芳年って外国で、人気ある?

投稿: oki | 2012.10.16 02:54

to okiさん
月岡芳年は一応図録を持っておきたい
浮世絵師なので出かけてきました。
ですか、惹かれる作品は少ないです。
晩年は病との戦いでしたから、作品に
落ち着きがないです。

外国の浮世絵ファンは画面にいっぱい
描かれたものが好きですから、芳年は
うけると思います。

投稿: いづつや | 2012.10.16 13:37

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