« 古代ローマを題材にした歴史画の傑作はこれ! | トップページ | ルーベンスの連作‘デキウス・ムス’がやって来る! »

2012.09.18

絵画、彫刻で知るローマ建国物語!

4296_2  コルトーナの‘サビニの女たちの略奪’(1650~31年 ローマ カピトリーニ美)

4297_2ティツィアーノの‘タルクィニウスとルクレティア’(1571年 フィッツウィリアム美)

4295_2ジャンポローニャの‘サビニの女の略奪’(1583年フィレンツェ ランツィのロッジア)

4298_2 ベルリーニの‘アエネアスとアンキセス’(1618~20年 ローマ ボルゲーゼ美)

海外の美術館へでかけるのはもちろんそこに飾られている絵画や彫刻の名作を心ゆくまで楽しむため。感性を刺激されるのは気持ちのいいものだが、美術鑑賞はこれだけでなくもうひとつ貴重な体験をすることができる。それは作品を通じて世界が広がること。

宗教画に何度も接しているとキリスト教徒でもないのに‘目学問’(My造語)で聖母マリアやキリストの物語がだんだんとわかってくる。また、西洋史に起こった有名な事件や古代から伝承されている物語についても書物を読むより絵画や彫刻をみているほうがよりイメージが豊かになり理解が進むことがある。

昨日取り上げたサビニの若い女たちがローマの若者らにさらわれる話はまずルーヴルにあるプッサンやダヴィッドの絵によって知った。次にその暴力的な場面がルーヴル以上に目に焼きついたのはローマにあるカピトリーニ美。バロックの画家コルトーナ(1596~1669)の絵は人物描写が大きいので目の前に広がる略奪シーンに息がつまりそうになる。コルトーナは彫刻的な造形を意識してこの悲惨な情景を描いている。

こういう悲劇性の強いテーマを表現する場合、絵に比べると立体の彫刻のほうがやはり訴える力は強い。フィレンツェのランツィのロッジアに野外展示されているのがジャンボローニャ(1529~1608)のマニエリスム様式による作品。これをみるたびにベルニーニ(1598~1680)の‘プロセルピナの略奪’が頭をよぎる。

貞女ルクレティアの悲劇をレンブラントは王子に凌辱されたルクレティアが短剣を胸にさし自殺する場面で描いたが、ティツィアーノ(1485~1576)は王子が寝室で暴行する情景を選んだ。絵からうける印象はすでにバロック絵画。絵を所蔵するケンブリッジのフィッツウィリアム美へ行ってみたくなった。

詩人ヴェルギリウスが書いたローマ建国物語の叙事詩‘アエネイス’は岩波文庫で読んだので、ベルニーニの‘アエネアスとアンキセス’をボルゲーゼ美でみたときは感慨深かった。神話の人物が彫刻作品によって視覚化され、トロイからローマに逃れてきた苦難の道のりが思い描かれた。

|

« 古代ローマを題材にした歴史画の傑作はこれ! | トップページ | ルーベンスの連作‘デキウス・ムス’がやって来る! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 絵画、彫刻で知るローマ建国物語!:

« 古代ローマを題材にした歴史画の傑作はこれ! | トップページ | ルーベンスの連作‘デキウス・ムス’がやって来る! »