« アンソールの追っかけ画‘陰謀’が日本にやって来た! | トップページ | 邸宅美術館にぴったりはまる‘シャルダン展’! »

2012.09.13

期待の‘デルヴォー展’を楽しんだ!

4280

4276     ‘行列’(1963年)

4278     ‘エペソスの集いⅡ’(1973年)

4279     ‘森の使者’(1980年)

4277     ‘夜明け’(1944年)

昨日とりあげたアンソール展同様、期待値の高かった‘デルヴォー展’(9/12~11/11)をみるため府中市美まで足をのばした。最近は初日に出動することはあまりないのだが、シュルレアリスムというとどうしても体がむずむずするのでこの展覧会にあわせた美術館めぐりになった。

同じベルギーのシュルレアリスト、マグリット(1898~1967)の回顧展は一度
Bunkamuraで体験したことはあるが、デルヴォー(1897~1994)はどういうわけか縁がなかった。だから、チラシを手に入れたときは出品作を食い入るようにながめていた。

デルヴォーが生まれた街はリエージュ州のアンテイ。展覧会の図録に載っている地図で確認するとここは昨年のベルギー旅行のときブリュッセルから出かけたモダーブ城のすぐ近くだった!そして、1994年97歳で亡くなったところは北海からあまり遠くなくフランスとの国境近くに位置するフュルヌ。

フュルヌのすぐ上のサンティデスバルドにこの展覧会に作品を貸し出してくれたポール・デルヴォー美術館がある(1982年開館)。ここを訪問したいという思いはあるものの、単独で出かけることはまずないから実現する可能性はかなり低い。アンソールの故郷オステンドと組み合わせるという手もあるが、これとて魅力的なオプションにはならない。だから、こうやって日本でこの美術館の作品がみれるというのは大変幸運なことである。

最も惹かれたのは‘行列’。不思議な世界が目の前に広がっているが、デルヴォー独特の遠近法による画面構成が心を落ち着かせてくれる。お馴染みの裸体の女性が9人、三角形のフォルムをなしてこちらにやってくる。いつもそうだが、デルヴォーの裸体は肉体的な感じがしないから大勢いても心拍数が上がってくることもない。そして、左のほうでは汽車が反対方向へ向かって進んでいる。

‘エペソスの集いⅡ’もなかなかの傑作。壮麗なギリシャ神殿が建ち並び、汽車が横を通りぬける暗闇のなか自ら光を放つ発光体のような女性たちが気高く輝いている。赤いベッドと横たわる裸体の白さが目に焼くつく。汽車は神殿のある広場だろうが木々の生い茂る森であろうが不条理に現れるところがデルヴォーマジック。

‘夜の使者’も古代ギリシャやローマの時代にタイムスリップしたような気持ちになる絵。広々とした通りの両側に緑の木があり、遠くには凱旋門や円柱、神殿がみえる。ここにはなぜか場違いな男が描かれている。この眼鏡をかけた人物は一体誰れ?

会場の一番最初に飾られているのが‘夜明け’。つかみの作品としては上々。外にいる裸体の女と部屋にいる女の大小対比が記憶に強く残るのもシュルレアリスムらしいところ。久しぶりの府中市美だったが、とてもいい気分になって館をあとにした。

|

« アンソールの追っかけ画‘陰謀’が日本にやって来た! | トップページ | 邸宅美術館にぴったりはまる‘シャルダン展’! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 期待の‘デルヴォー展’を楽しんだ!:

« アンソールの追っかけ画‘陰謀’が日本にやって来た! | トップページ | 邸宅美術館にぴったりはまる‘シャルダン展’! »