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2012.09.12

アンソールの追っかけ画‘陰謀’が日本にやって来た!

4272_2     ‘陰謀’(1890年)

4273_2     ‘絵を描く骸骨’(1896年)

4274_2     ‘花と野菜’(1896年)

4275_2     ‘牡蠣を食べる女’(1882年)

開幕を楽しみにしていた‘ジェームズ・アンソール展’(9/8~11/11 損保ジャパン美)をみてきた。アンソール(1860~1949)の代表作のひとつ‘陰謀’がみれたので、今日はとても機嫌がいい。

今回の回顧展にでている作品は1点を除いてアントワープ王立美が所蔵するもの。昨年11月、アントワープを訪問したとき、この美術館が2017年秋までの長期休館に入っていることを知った。そのため、館自慢の作品は現在拙ブログ11/12/25で紹介したMASミュージアムで公開されている(今年の12/30まで)。

ここにでていたアンソールは期待していた‘陰謀’ではなくて以前に日本でみたことのある‘東洋の品々のある静物’(11/12/26)1点のみ。ほかはヤン・ファン・エイクの‘聖女バルバラ’やフーケの‘聖母子と天使たち’など美術館の代名詞ともいえる作品がでているのに、アンソールはなぜ最も有名な‘陰謀’ではないのか?

このときは腑に落ちなかったが、あとで損保ジャパンでこの美術館所蔵のアンソール展があることを知り、その謎が一気解けた。MASの展覧会は今年の末まであるので、アンソール作品だけははじめから日本における巡回展(4月の豊田市美からスタート)のためブロックされていたのである。

この展覧会、アンソールがメインでほかの作家の作品はおまけ。だから期待しないほうがいい。クールベなどもあることはあるがアベレージクラス。人気の作品はMASに展示されているので、これは仕方がない。

アンソールのゾクゾクする絵は最後の部屋に飾ってあった。お目当ての‘陰謀’はまさに仮面の画家が描いた傑作。この絵に心がざわざわするのは大胆にデフォルメされた仮面の姿だが、その怪奇さを強く印象づける色のマジックにも虜になる。それは鮮やかな赤と緑。黄色や青より数倍のインパクトをもっている。

どうでもいいことだが、この仮面の男たちのひとりがある人物の顔を連想させた。緑の衣服を着た男、その上に反り返った鼻に注目、これは亡くなったマイケルジャクソンの整形された鼻にそっくり!ついでに冗談をもうひとつ。右端の上にいる骸骨、この男はギャグをかまして笑わせる間寛平。

赤に視線が寄っていくのは‘花と野菜’でも肖像画の大作‘牡蠣を食べる女’でも同じこと。図版ではその赤の強さがよく出ていないが、本物の絵の前に立つと赤がストレートに感じられるはず。

‘陰謀’とともにみたくてしょうがなかったのが‘絵を描く骸骨’。レンブラントにも絵を制作中の自画像があるが、自分を骸骨として描く発想がじつにユニーク。その骸骨にしっかり目が入っているので、腰が引けるという感じが無くて、部屋のなかにある絵を1点々みてしまう。

05年東京都庭園美で開催されたアンソール展(05/6/5)のとき出品されたのが10くらいあったが、そのなかの‘首吊り死体を奪い合う骸骨たち’をまたじっくりみた。ここに登場する人物は‘陰謀’でもみられる。

アントワープ王立美が誇るアンソールコレクションを日本で2度も体験できたのは幸運だった。ミューズに感謝!

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» ジェームズ・アンソール‐写実と幻想の系譜 その2 @損保ジャパン東郷青児美術館 [Art & Bell by Tora]
 これは「その1」の記事(こちら)の続きである。  ここでは展覧会の第2章「グロテスク絵画に向けて」の記事を書くが、会場のキャプションの説明は必ずしも十分とはいえないので、美術館のホールで上映されているビデオを見てからエレベーターで会場に行かれることをお勧めする。ビデオでは、アンソールが写実絵画から幻想絵画に移っていった経緯が丁寧に説明されていた。  チャプタータイトルの「グロテスク絵画」とは、エルンストやマグリットなどのシュールレアリスム絵画とは一線をかくしたアンソールの画の表現。 ... [続きを読む]

受信: 2012.09.13 13:22

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