古代遺跡は楽し! エフェソス
2001年にでかけたトルコはじつに楽しい旅だった。どこへ行っても感動の袋がはちきれそうだったが、とくにいい思い出が残っているのが古代ローマ時代に栄えたエフェソス。
エフェソスはギリシャのアテネからエーゲ海を東へ380kmくらい進んでいったところにある。ここにはパルテオン神殿のような壮大な建造物はないが、わりとまとまった広さのところに音楽堂やこぶりの神殿などを一通りみることができる。ローマのフォロ・ロマーナのなかを歩くのと同じような感覚がある。
どこからこの遺跡の見学がスタートしたのかはっきりと思い出せないが、観光コースのハイライトはメイン通りを左右の建造物を眺めながら少しづつ下っていくところ。これがとても楽しかった。そして、ちょうどつきあたったところにあるのが‘セルシウス図書館’。遠くからでも目立つ建物だが、近くでみると1階と2階に8本づつ建つ大理石の美しい柱に目が釘付けになる。
この図書館は公共施設の一つだが、ローマ帝国が徴収した税金でつくられたのではなくエフェソスの有力者が市民のために寄付したもの。属州の都市づくりは一部こうした地方の有力者の帝国に対する忠誠心や責任感に頼っていたのである。
通りの中間あたりにある‘ハドリアヌス神殿’はハドリアヌス帝(76~138)が124年に視察のためここへやって来たことを記念してつくられた。これも有力者の寄付。
エフェソスでみた最も印象深い彫刻は‘勝利の女神ニケのレリーフ’。手を横に広げ腰から下が斜めになる姿勢が目にやきついている。博物館やギリシャの遺跡でニケの彫像に出くわすことは意外だがあまりない。だから、これは貴重な体験だった。
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