« 祝 レスリング男子66キロ級米満が金メダル獲得! | トップページ | ついつい足が向かう‘上村松園と鏑木清方’展! »

2012.08.14

興味深々の‘死者の書’!

4175     ‘フウネフェルの「死者の書」:口開けの儀式’(前1280年頃)

4174     ‘グリーンフィールド・パピルス 死者の書:審判’(前950~930年頃)

4173     ‘グリーンフィールド・パピルス 死者の書:イアルの野’(前950~930年頃)

4172  ‘グリーンフィールド・パピルス 死者の書:天と地のはじまり’(前950~930年頃)

大英博物館が所蔵する世界最長の‘死者の書’を六本木の森アーツセンターギャラリーでみてきた。今エジプトもの展覧会はここの‘大英博物館古代エジプト展’(7/7~9/17)のほかに上野でも行われているがこちらはまったく関心がない。

‘死者の書’についての知識は一応ありこれまで実物もみているが、大英博が所蔵する37mもある‘死者の書’は縁がなかった。大英博にこういう世界最長のものがあることはこの展覧会の情報が入ってきたときはじめて知った。現地でみた‘死者の書’はもっと小さいもの。大英博は前回行ってから随分間隔が開いているので現在の展示の状況はわからないが、この‘グリーンフィールド・パピルス’は常時展示されているのだろうか?

‘死者の書’は死者が首尾よく来世の楽園へ行けるための呪文を集めたガイドブック。呪文の数は200種類以上あるが、この‘グリーンフィールド’には110くらいでてくる。ひとつ々じっくりみていくとおもしろい。

興味深くみたのは‘口開けの儀式’。画像は‘グリーンフィールド’のものではなく、展示会場の最初に飾られている‘フウネフェルの死者の書’。この儀式をすませると死者は冥界の旅で呪文を唱え、供物を食べることができるようになる。

‘審判’は死者が最も緊張する場面。死者の心臓が天秤にかけられる。左側には真理の女神マアトの小像がのせられており、生前の行いがいいと心臓はこれとつりあい、めでたく永遠の命が与えられ楽園に入ることが許される。

来世の楽園、イアルの野は仏教の極楽浄土の世界とは趣が異なる。楽園といっても現世の風景と変わりなく、牛を追い田畑を耕している。これでは死がないのと同じ。古代エジプトの宗教観はこのように死の暗いイメージがなく、楽観的。

人物表現で視線が釘付けになるのが‘天と地のはじまり’に描かれた大きな天の女神ヌウト。手と足が同じ長さで体操競技を行っているようにみえる。この場面はほかの‘死者の書’にはでてこないらしいが、インパクトのあるヌウトの姿はルクソールの‘王家の谷’にある墓の装飾のなかにみたことがある。

|

« 祝 レスリング男子66キロ級米満が金メダル獲得! | トップページ | ついつい足が向かう‘上村松園と鏑木清方’展! »

コメント

オリンピック観戦お疲れさまです!
また日常に戻るのでしょうか?
大英博物館、死者の書、僕も観ましたが、よく残ってましたよね。
神官の娘だから、あんな長いものが、作れたとか。
一番重要なのは、否定告白だそうで、じゃ自分はこんな良いことやりましたとアピールはできないのかな?
暑いですね。残暑お見舞いこの場で申し上げます。

投稿: oki | 2012.08.15 00:36

to okiさん
連日メダル獲得が続いたオリンピックが終わり
ましたので、通常モードになります。

死者の書をじっくりみましたので古代エジプト
の知識がだいぶふえました。口開きの儀式と
否定告白に興味深々です。

暑さが続きますが、ご自愛ください。

投稿: いづつや | 2012.08.15 09:20

先日、森アーツセンターで、『死者の書』を見てまいりました。

私には、あまり知識のない内容だったので新しいことを学んだ感がありますが、じっくり見ているうちに疲れてしまいました。

エジプト美術なので、絵は類型的ですが文字と絵が混然一体となって、独特の装飾性を帯びていますね。

特に棺のあでやかさに驚きました!

投稿: ケンスケ | 2012.08.25 22:29

to ケンスケさん
エジプト絵画の横向きの頭部や様式化された
ポーズは3000年の間変わらなかったと
いうのがおもしろいですね。

これだけの長い期間ですと普通は様式の変化
が起きるものですが、こんな美術史はほかに
ありませんね。また、黒の太い輪郭線と鮮や
かな色彩も強く印象に残ります。

投稿: いづつや | 2012.08.26 00:45

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 興味深々の‘死者の書’!:

« 祝 レスリング男子66キロ級米満が金メダル獲得! | トップページ | ついつい足が向かう‘上村松園と鏑木清方’展! »