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2012.08.31

シチリア、マルタにあるカラヴァッジョ!

4229          ‘ラザロの復活’(1609年 メッシーナ州立美)

4228          ‘聖ルチアの埋葬’(1608年 シラクーザ ベッローモ州立美)

4230  ‘洗礼者ヨハネの斬首’(1608年 マルタ島ヴァレッタ サン・ジョヴァンニ大聖堂)

4231 ‘執筆する聖ヒエロニムス’(1607~08年 ヴァレッタ サン・ジョヴァンニ大聖堂)

シチリアへ一度行ってみたいのはコンコルディア神殿のような壮大な古代遺跡があるからだが、もうひとつ特別な絵画めぐりをこの島でしたいため。それは大好きなカラヴァッジョ(1571~1610)の作品。

シチリアにあるカラヴァッジョは3点、メッシーナに2点、シラクーザに1点、パレルモには‘生誕’(1609年)があったが、1969年にマフィアによって盗まれいまだに行方知れず。

10年にローマで開催された大カラヴァッジョ展にメッシーナ州立美が所蔵するもうひとつの作品‘羊飼いの礼拝’(1608~09年)が公開された。とても大きな絵で、息を呑んでみたのを昨日のことのように思い出す。このときシラクーザにある‘聖ルチアの埋葬’も出品されたが、展示替えでみれなかった。惜しいことをした。

カラヴァッジョ作品をコンプリートすることを夢見ているが、まだ15点くらい残っている。イタリアに9点ある。このなかには個人蔵や観光ルートから外れる街にあったりするから、行動すればみれそうなのはナポリ2点、シチリア2点、マルタ2点の6点。

シラクーザから南へ150kmくらいのところにあるマルタ島にもいつか足を踏み入れたいと思っている。ここはシチリアとは違って関心の的は200%カラヴァッジョの絵。ヴァレッタのサン・ジョヴァンニ大聖堂へいくと念願の‘洗礼者ヨハネの斬首’がみれる。大きな絵の前に立ったら心臓がばくばくするかもしれない。

シチリアとは別にマルタツアーもしっかり用意されているから、決断すればこの絵や‘聖ヒエロニムス’にも会える。でも、何事も一足飛びには実現しないので前の橋から渡っていきたい。

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2012.08.30

古代遺跡は楽し! シチリア

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4225_2     ‘コンコルディア神殿’(BC5世紀半ば アグリジェント)

4226_2     ‘スポーツを楽しむ10人の娘たち’(3世紀末 ピアッツァ・アルメリーナ)

4227_2     ‘全能のキリスト’(12世紀 パレルモ ノルマン王宮)

旅行会社が企画するイタリアツアーに参加しイタリア好きの方々と名所観光を楽しんでいるとき、シチリアを旅行された人にお会いすることがある。そして、話に耳を傾けているうちにいつかわれわれもという気になってくる。

今具体的な計画があるわけではないが、最近は古代ギリシャの芸術やローマ帝国の物語を集中的にレビューしているのでシチリアの文化歴史への関心が高まってきた。で、シチリア観光のパンフレットなどもチラチラながめている。

シチリアというとすぐ思い浮かべるのはヨーロッパ最大のエトナ火山、マフィア、そして映画‘ゴッドファーザーⅢ’にでてくるオペラ‘カヴァレリア・ルスティカーナ’(マスカーニ作曲)のシーン。このところオペラにはすっかりご無沙汰しているが、このオペラの間奏曲は全オペラのなかでも最も心打たれる名曲。これを聴くたびにオペラに接してよかったなと思う。

名所観光の情報は過去放送されたTVの美術番組に多くを依存しているので、これでめざす古代遺跡のイメージができあがっている。最もみたいのが島の南に位置する街、アグリジェントにある‘コンコルディア神殿’や‘ヘラクレス神殿’。

調和という意味の‘コンコルディア神殿’はアテネの‘パルテノン神殿’と同じ頃につくられた。古代ギリシャ神殿のなかでは保存状態のいいもののひとつらしいので、すごく惹きつけられる。ピラミッドでもパルテノンでもそうだが、こうした巨大な建造物をみるとなにか爽快な気分になる。

島の内陸部にあるピアッツァ・アルメリーナでは裕福な貴族の屋敷に描かれたモザイク画がおもしろそう。目が点にあるのがスポーツを楽しむ娘たちの姿。今風のビキニをつけボール投げや徒競走などをしている。また、‘大狩猟の廊下’と題された全長60メートル、幅3メートルのモザイクにも興味深々。

州都パレルモはノルマン王宮が観光の目玉らしい。以前添乗員さんはここにあるビザンチン様式で描かれたキリストのモザイクは世界三大モザイクのひとつといっていた。これまでイスタンブールのアヤソフィア、そしてラヴェンナのサン・ヴィターレ聖堂にあるものを幸いにも体験したので、これにもお目にかかりたい。

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2012.08.29

ダルビッシュ 13勝目!

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レイズとの試合に登板したレンジャーズのダルビッシュは粘り強いピッチングで7回を無失点に抑え勝利投手になった。これで13勝目!前回勝ったあと太ももに違和感があり登板の間隔があいたので今日は心配だったが、再三のピンチをうまく切り抜けチームの勝利に貢献した。

4回の裏1番バッターのキンズラーが好投していたレイズのシールズからレフトに見事なホームランを放ち1点勝ち越すまで、ダルビッシュは緊迫した投球が続いた。ダルビッシュは投げるだけでなく守備も非常に秀れているが、その運動神経のよさがでたのが4回表のプレー。

1死満塁のピンチで点が入るかなと思われたが、9番バッターを上手くダブルプレーにしとめた。当たりのよいファーストゴロだったため、一塁手はセカンドに投げるのが精一杯。ダルビッシュが猛然とカバーに入り間一髪アウト。ナイスプレーだった!

勝ち越してからはダルビッシュの調子はぐんぐん上がり、三振も思うようにとった。こんな頼もしいダルビッシュをみるのは久しぶり。球種としては普段はあまり投げないフォークを大きく曲がるカーブとともにうまく投げていた。2回続けて勝ったので、これからは波にのるような気がする。

残りゲームは34、すると登板の機会は6回くらい。これを4勝2敗でいくと最終的には17勝11敗。松坂の1年目の実績を1つ上回る。こんなところかもしれない。ワシントン監督はポストシーズンのことを考えてダルビッシュにはあまり無理をさせないはず。余力を残させワールドシリーズまで投手陣の柱としていいピッチングをしてくれることを願っていると思う。

今日のピッチングは監督の期待に十分応えるものだった。ダルビッシュのスゴさをみせるのはこれから、熱く応援したい。

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2012.08.28

待ち遠しい東京都美の‘メトロポリタン美展’!

4218_2     モネの‘マヌポルト(エトルタ)’(1883年)

4221_2     ホッパーの‘トゥーライツの灯台’(1929年)

4220_2     レンブラントの‘フローラ’(1654~55年)

4219_2     ドラクロアの‘嵐の最中に眠るキリスト’(1853年)

秋に行われる西洋美術の展覧会で最も関心を寄せているのが東京都美の‘メトロポリタン美展’(10/6~1/4)。あと一ヶ月ちょっとで開幕するのに出品内容が載ったチラシが手元にない。で、館のHPをチェックみた。

すると待望の作品情報がずらずらとでてきた。急いでクリックすると次第にテンションが上がってくる。作品は全部で133点公開されるようだ。絵画が54点、彫刻・工芸66点、写真13点。期待の絵画は名画が沢山やってくる。新館記念展の第2弾も200%特◎、開幕が本当に待ち遠しい。

再会が楽しみなのがモネ(1840~1926)の‘マヌポルト(エトルタ)’。METにはモネの傑作中の傑作が2点ある。この絵と‘サンタドレスのテラス’、ともに大好きな絵だが10年パリのグランパレであった大回顧展には2点とも展示された。その1枚がやってくるのだからすばらしい。

もう1点嬉しい絵があった。ホッパー(1882~1967)の‘トゥーライツの灯台’。ホッパーらしい絵。4年前シカゴ美でみたときはあわただしかったので、今度はじっくり味わいたい。

日本で追っかけ画に会えるとは思ってもいなかったのがレンブラント(1606~1669)の‘フローラ’とドラクロア(1798~1863)の‘嵐の最中に眠るキリスト’。前回METへ出かけたときこの2点は必見リストに載せていたのに残念ながら姿をみせてくれなかった。こういうことがあると東京都美への好感度はますますアップする。

会社で製品やサービスの満足度に関する業務に携わっておられる方ならよくご存知のように、‘満足度’はユーザーの抱いている期待値との関係で決まる。期待値のレベルが10だったのに製品、サービスが15くらいあるように思えたらもう大満足。期待を2割以上上回ると人は満足する。逆に期待値を下回ると不満足となりその製品は購入されない。

たとえ他社のレベルをこえていても、ユーザーは他社との比較ではみてない。自分の好きな会社の製品をこれまで使って得られた満足をベースにして新製品を評価するのである。ブランド企業というのはいつもユーザーの期待に応えられる企業のこと。使い手の期待値はどんどん上がっていくからこれに対応するのはかなり大変。でも企業はそれに応える。それを繰り返すうちに真のブランド企業に成長していく。

美術館が実施する展覧会もこれと似ている。美術好きは‘あの美術館ならいい作品をみせてくれるだろう、あの人が館長をやっているのだから、画集に載っているような傑作をもってきてくれるはず’と期待するのである。ホームランを打ち続ける東京都美、ここの企画展は当分目が離せない。

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2012.08.27

コロッセオと剣闘士!

4214_2     ローマのコロッセオ

4215_2     エンターテイメントの主役剣闘士

4216_3     古代ローマの世界

4217_2        ‘拳闘士’(BC1世紀中頃 ローマ国立博)

古代コーマ時代、民衆の一番の楽しみといえば剣闘士競技と戦車競争。ローマでは80年に完成したコロッセオでくりひろげられる剣闘士の真剣勝負が観客を熱狂させた。5万人を収容したというこの巨大な円形闘技場のなかに入ると、観客たちの興奮した声がまわりから聞こえてくるような錯覚にとらわれる。

コロッセオは落成した後もいろいろ追加工事が行われ、アリーナの地下には3層の奈落ができた。これによりせりだし装置を使って猛獣やグラディエーターたちを素早く登場させるといったサプライズの演出も可能になった。また、観客席をおおう天幕もつくられた。この天幕の素材は美しいシルクだったという。

剣闘士の多くは現在のセルビア、ブルガリアにあたるモエシアやトラキアの出身。BC73年に起こったスパルタカスの乱のリーダー、スパルタカスもトラキアからローマに連れてこられた奴隷といわれる。剣闘士の試合で目に焼きついているのは古い映画ではカーク・ダグラスが演じた‘スパルタカス’(1960年)、そして大ヒットしたラッセルクロウ主演の‘グラディエーター’(2001年)。これは映画館に足を運びみたが、腹の底から楽しんだ。

剣闘士の誕生はBS3世紀の終わり頃。有力者が死んだとき追悼するために捕虜たちを戦わせたのがグラディエーターのはじまり。剣闘士の試合が民衆の最大の娯楽になると、強い剣闘士はローマ人にとってスターだった。3000万円くらいで取引されたという。食事も十分に与えられ、ケガをすると優秀な医師が治療した。

剣闘士はただのスターではなく男らしさの象徴。ローマの女性たちは彼らの魅力に夢中になったという。でも、筋肉隆々の体ではなく、実際は炭水化物中心の食事を大量に与えられたため、かなり太っていた。太らされたのは剣で刺されても厚い脂肪で体を守り、多くの試合にでられるから。興行師は金勘定をちゃんとしている。

いろいろタイプの違う剣闘士がいた。網を手にしたレティアリウス、魚の兜をかぶったムルミッロ、槍を持つホプロマスク、曲がった剣を持つトラーク、古代ローマ軍の兵士の格好をしたプロボカトール、、、戦い方としては剣と同じくらい楯を武器として使った。

おもしろい話は網と槍をもって対戦相手から逃げ回るレティアリウスは観客から軽蔑される存在で、剣闘士の訓練所でも彼らは片身の狭い思いをしていたという。逃げ回る姿は堂々と真正面から戦うことを美学とするローマ人には受け入れがたかったにちがいない。

剣闘士の彫像はこれまでみたことがないが、ボクサーの拳闘士はローマの国立博でお目にかかった。疲れきった表情をみていると激しく戦ったグラディエーターも試合のあとはこんな姿だったのではと思えてくる。へこんだ鼻や体のあちこちにできた傷など写実的な描写に息を呑んでみていた。こんなすばらしい彫像をみれたことは一生の思い出である。

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2012.08.26

古代ローマ皇帝の彫像!

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4212_2       ‘プリマ・ポルタのアウグストゥス’(14~29年 ヴァティカン博)

4210_2       ‘ハドリアヌス帝の胸像’(117~118年 大英博)

4211_2     ‘マルクス・アウレリウス帝の騎馬像’(176年 カピトリーニ美)

6月にNHKで‘知られざる大英博物館’という興味深い番組が3回放送された。その1回目と2回目に取り上げられた古代エジプトにおける民衆の生活実態や色のついたギリシャ彫刻の話がとても新鮮で知識欲がおおいに刺激された。

で、ここ2ヵ月は古代遺跡関連の本を読んだり、過去に収録した関連ビデオを集中的にレビューしたりしている。今日はそのなかから、古代ローマ帝国のことを少しばかり。

今とくに関心を寄せているのが14代ローマ皇帝ハドリアヌス(76~138)。ローマの近郊ティヴォリにハドリアヌスが晩年をすごした別荘‘ヴィラ・アドリアーナ’があることは知っていたが、出かけてみようという感じでもなかった。

でも、2つの番組が興味を掻きたててくれた。一つは今年3月に放送されたBSプレミアム‘時を刻む コンクリート’、そしてもうひとつは08年に制作された‘BBC地球伝説 ローマ帝国の英雄 ハドリアヌス’。番組ではこの広大な敷地をもつ別荘をじっくり紹介してくれた。皇帝の住まいである‘海の劇場’やハドリアヌスがエジプトを視察旅行したときに見た運河を再現した‘カノープス’などに目が吸い寄せられていく。次回ローマへ行くことがあったら、ティヴォリツアーを自由行動のオプションに加えるつもり。

わが家では昨年地デジ対応の新しいTVを購入してからはTVライフが格段に楽しくなった。とくに美術番組は色がリアルに映しだされるので気分がハイになる。一度でかけたことのある美術館が登場すると、現地での体験そのままが再現される感じなので、デジカメで獲った写真をみているより何倍も楽しくなる。こんな生感覚は以前のTVではとうてい味わうことはできなかった。本当にすばらしい!

ローマ皇帝の彫像というと最近の体験では初代皇帝のアウグストゥス(BC63~14)がすぐ思い出される。2年前ヴァティカン博士とローマ国立博でみた。そして、カピトリーノ美でみた16代皇帝マルクス・アウレリウス(121~180)の騎馬像も目に焼きついている。

ところが、大英博にあるハドリアヌスの胸像は現地でみたのはみたのだろうが、もうずいぶん前のことだから記憶から消えかかっている。大英博にフォーカスした上質の番組をみたので、再訪問のスケジュールを前倒したほうがいいかなという気になってきた。

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2012.08.25

ベルリン美にあるレンブラントの追っかけ画!

4206_2     ‘アンスローとその妻’(1641年)

4208_3     ‘舅を脅すサムソン’(1635年)

4207_2     ‘スザンナ’(部分 1647年)

4209_2     ‘スザンナ’(1636年 マウリッツハイス美)

レンブラント(1606~1669)がお好きな方なら2003年に西洋美で開催された‘レンブラントとレンブラント派’展は足を運ばれたと思うが、このとき今行われている‘ベルリン国立美展’(9/17まで)にでているレンブラント派の‘黄金の兜の男’もやってきた。

ベルリン国立美展にはレンブラントの若い頃の作品‘ミネルヴァ’が展示されており、これが美術館の入り口のところに飾られている告知看板にフェルメールの‘真珠の首飾りの少女’と一緒に使われている。この絵、そんなにいい?これをみて西洋美のPRは下手くそだなと正直思った。

この展覧会はどうみたって‘真珠の首飾りの少女’の1点豪華主義なのだから、どーんと‘真珠の首飾りの少女’を全面にだして宣伝すればもっと多くの人が集まるのに、こんな魅力の無いレンブラントの絵をくっつけてみせるものだから‘少女’の魅力と存在感が薄められている。何をやっているのか、と言いたくなる。

人気のフェルメールの‘少女’を貸し出してもらったのだから、ほかの画家の作品はランクが落ちるのは仕方がない。美術館の性として美術本に載っているようないい作品はなかなか出さない。だから、レンブラントの2点についてもこれで了解、画集に選ばれている作品やBSの美術番組などで紹介される名画ははじめから見れるなんて思っていない。

ベルリンを再訪したとき楽しみにしているレンブラントは3点、‘アンスローとその妻’、‘舅を脅すサムソン’、そして‘スザンナ’。とくに関心を寄せているのは‘スザンナ’。今、東京都美に展示されているマウリッツハイス美蔵の‘スザンナ’はベルリンにある絵の準備のために描かれた小品といわれている。リアルな描写にはっとさせられるスザンナのおびえた顔を真近でみてみたい。

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2012.08.24

フェルメール コンプリートまであと3点!

4204_2     ‘紳士とワインを飲む女’(1658~59年 ベルリン国立美)

4203_2     ‘取り持ち女’(1656年 ドレスデンl国立美)

4205_2     ‘音楽の稽古’(1662年 イギリス王室コレクション)

フェルメールの描いた愛らしい二人の少女が上野でコラボするのもあと20数日。‘真珠の耳飾りの少女’(マウリッツハイス美)と‘真珠の首飾りの少女’(ベルリン美)がこの先日本にやってくるのは20年以上先になるだろうから、もう一度みておきたい気もするが、あの待ち時間ではううーん、いいかとなる。

マウリッツハイス美展は東京都美のあとは9/29から来年の1/6まで神戸市博で開催される。関西の方はいまかいまかと待っておられると思うが、四国や北陸、中国、九州にお住まいの方だって神戸へ出かけようと計画されている人は多いのではなかろうか。

‘真珠の耳飾りの少女’を2000年大阪市美ではじめみたときは展示室には大勢の人はいたが、行列をつくって鑑賞するということはなくじっくりみれた。ところが、この絵の公開が関西では2度目となる神戸展では当時より4,5倍の観客が押しよせるのではなかろうか。フェルメールの少女の人気はとどまるところを知らない。この少女の絵を心から愛しているので、多くの人にもてはやされることはすごく嬉しい。

このようにフェルメール(1632~1675)のファンであることはまちがいないが、30数点の作品が全部好きというのではない。だからフェルメールへの思い入れ度は200%のめりこんでいるカラヴァッジョ(1571~1610)、レンブラント(1606~1669)の半分くらい。今回西洋美で念願の‘真珠の首飾りの少女’との対面が叶ったので、好きな絵はおおよそ目のなかにおさめることができた。で、今は安堵の気持ちがいっぱい。

フェルメールでまだみてない作品は3点。みたくてしょうがないという絵でもないのだが、ここまできたらコンプリートをやりとげようと思っている。ベルリンにある‘紳士とワインを飲む女’と一度訪問したことのあるドレスデン国立美が所蔵する‘取り持ち女’についてはいつもの団体ツアーに参加して遭遇する段取りはついている。

いつみれるのか見当がつかないのがイギリス王室コレクションの‘音楽の稽古’。イギリス旅行はこれからもいろいろ計画しているが、この絵が公開されるタイミングに無理やり日程をあわせるほど見たい度は強くない。だから、フェルメールコンプリートの時期はだらだらと延びるかもしれない。

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2012.08.23

ワシントン フリーア美の忘れもの!

4199_2     俵屋宗達の‘松島図屏風’(右隻 17世紀)

4200_2     俵屋宗達の‘松島図屏風’(左隻 17世紀)

4201_2     俵屋宗達の‘雲龍図屏風’(左隻 17世紀前半)

4202_2     葛飾北斎の‘富士と笛吹童図’(1839年)

国内にある日本画で追っかけが継続中の作品は数点になったので、今は展覧会に出かけて大興奮ということは少なくなった。そのため、鑑賞エネルギーは海外の美術館にある作品をみるためにこつこつと蓄積している。

そうしたみたくてしょうがない日本画の傑作の数々については‘夢の里帰り展’でいくつか紹介した。そのなかで思い入れの強い作品があるのがワシントンのフリーア美。08年に訪問したときは北斎の‘雷神図’、‘玉川六景’などが飾ってあった。はじめての体験で北斎の貴重な肉筆画をみれたのは幸運だった。

所蔵作品はチャールズ・フリーア(1854~1919)の遺言により門外不出とされているので、ここへ来なければ願いが叶えられない。死ぬまでになんとしてもみたい絵が3点ある。俵屋宗達(?~1630?)の‘松島図屏風’、‘雲龍図屏風’、そして北斎(1760~1849)の肉筆画‘富士と笛吹童図’。

この春ボストン美から尾形光琳の同名の絵が里帰りした。これは何度も日本にやってくるのに、光琳の絵のもとになった宗達のものは現地に出向かないとみれない。この日本にあったら国宝間違いなしの華麗な海の絵は画集で目にし美術番組にも度々登場するのでおおよその感触はつかめている。それでも、やはり本物の前に立たないと心は満たされない。

宗達はもうひとつ見ごたえのある龍の絵がある。この龍の足の描き方は国宝‘風神雷神図屏風’の雷神の手や足の構えとよく似ている。これも最接近してみてみたい。

‘富士と笛吹童図’は北斎80歳のときの作品。こんなすばらしい構図の絵が日本でみることができないのが残念でならない!この絵葉書はミュージアムショップの目玉商品のひとつ。居合わせたアメリカ人も買っていた。富士を眺める童子をこういう風に配置するアイデアは並みの頭の中からは生まれてこない。北斎の構成力はつくづくスゴイなと思う。

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2012.08.22

調子を上げてきたソフトバンクと西武!

4197    2ヶ月ぶりに勝ち投手になったソフトバンク山田

4198    打撃好調の西武中島

今日は最近調子がいい西武とソフトバンクの試合がBS1で中継されたので、久しぶりにみた。野球好きだから、セパの戦いがどうなっているかはわかっているがTVで試合をみることはほとんどなく、熱くなるのは例年クライマックスシリーズと日本シリーズのときだけ。

試合の予想としてはソフトバンクが勝つのではないかと思っていたが、その通りになった。ソフトバンクはこれで7連勝。小久保が今シーズンで引退することを発表して以来、チームは勝ち続けている。試合はその小久保が6回に放ったラッキーなライト前のヒットで一気に流れがソフトバンクのほうへいった。

この後細川の3ランホームランなどがでてあっというまに5点入った。そして、7回にも三番の長谷川が2ランホームランを放ち、西武に完勝。勝ち投手になった山田は6/22以来の勝ち星で7勝目。ソフトバンクはようやく投手陣が揃ってきた。昨日12勝目あげた摂津、大隣、そして陽。2、3日前にいいピッチングをした陽をスポーツニュースでみたが、とてもいい球を投げていた。この陽は目が離せなくなった。

今年のソフトバンクは昨年活躍した主力投手3人が抜けたため戦力は大幅にダウン。つい最近まで勝ったり敗けたりのBクラスのチームだったが、ここにきて投手陣ががんばり、チームには昨年のような強さが戻ってきた。現在、1位は日本ハム、これに西武が1ゲーム差でつづき、そして3位のソフトバンクは西武に半ゲーム差と迫ってきた。

ズバリ、ソフトバンクがこの調子を維持し、残り40試合を勝ち進むのではないか。勝手な予想をすると1位ソフトバンク、2位日本ハム、3位西武。西武も昨日の試合に敗けるまで6連勝し猛烈に追い上げてきたが、栗山のケガが痛いし、打撃好調の中島の腰痛も気になるところ。

どのチームが優勝するにせよパリーグは終盤おもしろくなる。ロッテもまだまだすてたものではない。西武が再逆転されることも十分ある。アホ星野の楽天までクライマックスシリーズへの可能性があるといっている評論家がいるが、それは200%ない。

楽天はこの男が監督をやっている限りはBクラスのまま。シーズンの終盤に入ったら優秀な監督はチームの結束を一番に考える。だから、個々の選手の失敗や出来の悪かったことはいちいち言わない。ところが、星野は敗けると選手のプレーをけなしわめきちらし、選手たちを極度に萎縮させる。三木谷さん、東北のことを本当に思うのなら、こんなダメな監督は早く首にしたほうがいいですよ!

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2012.08.21

イチローを脇役で起用するヤンキースに興味半減!

4196昨日、ヤンキースのイチローはレッドソックス戦で2打席連続ホームランを放ち、12勝目をあげた黒田を強力にバックアップした。

が、BS中継はみなかった。じつはダルビッシュのいるレンジャーズの試合はみるが、ヤンキースの試合はこのところみてないのである。

理由はただひとつ、8番のイチローをみてもおもしろくないから。もともとヤンキースは松井が去ってからは興味が薄れていたが、今年は黒田が登板するときだけみるつもりだった。

そこへ、イチローが加わった。しかし、並みの選手扱い。移籍後、イチローが一番を打ったのは1回だけ、ほかはほとんどが8番。ヤンキースはイチローを移籍の条件の通りに使っている。すなわち、打順は下位、守るところはレフト、左投手のときは先発をはずれこともある。打率.261のイチローはバットには期待されてなく、衰えをみせない守備力と足だけを評価して獲得したというわけである。

この起用法についてイチローは戸惑いもあるが、マリナースをどうしても出たかったから無理やり納得させているにちがいない。そして、気持ちを切り替えて打席に立つ。8番ライトでもレフトでもセンターでもOKですよ、この打順でチームの勝利のためにできることをします、と。ところが、イチローを応援する者としてはまったくつまらない。脇役のイチローなんてみる気がしない。

ヤンキースのユニフォームを着てからのイチローは3割を打っている。移籍が刺激になり前半戦に比べると打撃の調子は上がっている。残りのゲームは40。現在、ヤンキースは東地区の首位をキープし2位のレイズに4ゲームの差をつけている。だが、地区優勝できるかどうかはわからない。

レイズは例年終盤すごい追い込みをみせるチーム。ヤンキースはエースのサバシアが故障しているので、今は投手力がガタガタ。黒田が投げるときは安心してみておれるが、ほかの投手のときは勝ったり敗けたり。攻撃はホームランでぼんぼんと点をとる打線、長いレギュラーシーズンをのりきるにはこの打線でいいのだが、緊迫したゲームが続く終盤やポストシーズン(PS)では苦戦する。

ここ数年ヤンキースがPSで簡単に敗れるのは足をからめたスモールベースボールがまったくできないから。今年もこのままいくと、PSには進出できてもワールドチャンピオンにはとどかない。鍵はイチローが握っている。イチローを一番か2番で起用すると勝つ可能性は高くなるが、ホームランの少ない選手は上位では使わないのがヤンキースの基本方針。だから、今の打線のままでいくだろう。となると、今年もワールドシリーズの覇者にはなれない。

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2012.08.20

ニューヨーク近代美術館(MoMA)の忘れもの(4)!

4192      マレーヴィチの‘シュプレマティスト・コンポジション 飛ぶ飛行機’(1915年)

4195     モンドリアンの‘ヴィクトリー・ブギウギ’(1943~44年)

4193     ニューマンの‘英雄的にして崇高な人’(1950~51年)

4194     レジェの‘大きなジュリー’(1945年)

現在、MoMAでは作品がどういう風に展示されているのかわからない。心の中にあるお目当ての作品を実際にみることができるのか、それとも倉庫の中に眠っているのか、大いに気になるところ。

とくに知りたいのが注目をあびている現代アートティストの作品の展示にあてられているスペース。このウェートが大きいと近・現代絵画の分野で早い時期に登場したアヴァンギャルド作家たちの作品を展示するスペースが確保されているのか心配になってくる。

手元の美術本を開くとロシア出身のマレーヴィチ(1878~1935)の代表作はMoMAとアムステルダム市美に多く集まっている。アムス市美はまだ訪問したことがなく、2度の体験があるMoMAでも有名なシュプレマティズム作品‘飛ぶ飛行機’や‘白の上の白’をみていない。このため、円筒形のフォルムで印象づけられる人物がでてくる作品に少しは目が慣れているとはいえ、抽象画家マレーヴィチは知らないも同然。いつになったらこのすっきり抽象画を楽しめるだろうか。

晩年のモンドリアン(1872~1944)はその明るい黄色の線が目に焼きつく賑やかな作品で人気作家へと登りつめた。誰もが知っている‘ブロードウエイ・ブギウギ’(1942~43)と未完の別ヴァージョン‘ヴィクトリー・ブギウギ’。‘ヴィクトリー’のほうは普段は倉庫にしまわれているのだろうか?

‘ブロードウエイ・ブギウギ’は近代アメリカのイメージにピッタリの絵。はじめてみたとき大変感動した。抽象画なのに黄色と赤の線の縦横の組み合わせが具象画以上にイメージを掻きたて楽しい気分にさせてくれる。具象、抽象の枠をこえた絵画史上の金字塔ではないかと思う。

赤の大きな色面がどーんと目のなかに入ってくるニューマン(1905~1970)は20年前はまったく知らなかった作家。作品をまとまった形でみたのは2年前川村記念美で開催された回顧展のみ。ロスコやニューマンはやはりアメリカの美術館をまわらないと近づけない。

レジェ(1881~1955)はパリのポンピドーで何度も体験したから、その画風は体のなかにかなり沁み込んでいる。‘大きなジュリー’はみたかどうか記憶があやふや。彫刻的な人物のフォルムは皆同じにみえるから、画面に描かれた蝶を見落としたのかもしれない。

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2012.08.19

ニューヨーク近代美術館(MoMA)の忘れもの(3)!

4191     ボッチョーニの‘都市は立ち上がる’(1910年)

4190     バッラの‘アマツバメ:動線と動きの反復’(1913年)

4188            クプカの‘垂直線の中のクプカ婦人’(1910~11年)

4189          ジョーンズの‘標的と4つの顔’(1955年)

イタリアに未来派というのがあり、ローマの国立近代美術館へ行くとボッチョーニ(1882~1916)、バッラ(1871~1958)、セヴェリーノ(1883~1966)、カッラ(1881~1966)の作品を楽しむことができる。

そしてローマ以外の都市ではミラノのブレラ美とヴェネツィアにあるグッゲンハイムでも鮮やかな色彩とスピード感のある直線や曲線でできあがった画面構成に強く惹きつけられた作品に遭遇する機会があった。このようにイタリアでは運良く未来派の傑作を目にすることができたのに、MoMAが所蔵する未来派コレクションで縁があったのは上野の森美にやってきた3点だけ。

ボッチョーニはまだ3点残っておりその1枚が‘都市は立ち上がる’。20年近く前現地を訪問したときは未来派はよく知らず、展示室でみたという意識がまったくない。それからイタリアの街で少しずつ目が慣れていったが、MoMAにある‘都市は立ち上がる’やスピード美にあふれるフォルムが印象深いバッラの‘アマツバメ’などをみないと未来派はこれで済みという気にならない。

パリのポンピドーはどういうわけか未来派をみたという印象が薄い。MoMAにいい絵が揃っているのはアメリカにはイタリア系移民が結構おり、裕福なコレクターがボッチーニらの作品を買い集めたのかもしれない。次回の訪問ではお気に入りのものはリーチ一発ツモといきたいが常時展示してあるかどうか?これがちょっと心配。

クプカ(1871~1957)の絵は不思議な絵。赤や青や黄色で彩られ細長い紙切れが縦にいくつも張られている感じだが、よくみると中央に円がありそこから女性がこちらを見ている。抽象95%で残り5%が具象。抽象度を100%にしない発想がおもしろい。

ジャスパー・ジョーンズ(1930~)の‘標的と4つの顔’もクプカと同じような絵。円形のデザインの標的はひとつしかなく上の4つの顔はすごくインパクトがあるので、この絵の場合、抽象と具象の割合は半分々という感じ。だが、この標的という記号の上に人間の顔があるから、この男たちが狙われていると解釈すると作品はにわかに具象性を帯びてくる。

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2012.08.18

ニューヨーク近代美術館(MoMA)の忘れもの(2)!

4184     スーラの‘オンフルールの夕暮れ’(1886年)

4185     バルテュスの‘街路’(1933年)

4186     ルオーの‘3人の裁判官’(1913年)

4187     ブラックの‘マンドリンをもつ女’(1937年)

スーラ(1859~1891)の点描画はオランダのクレラー=ミュラー美の所蔵するコレクションを昨年の秋に運良く全部みれたので、ヨーロッパにある作品はひと段落ついた。で、心はアメリカの美術館に移っている。

‘夢の美術館’で紹介したようにアメリカにはスーラが好きなコレクターが数多くおり、
MoMAにも4点ある。だが、これまでみたのは日本にやってきた‘グラヴリーヌの運河、夕暮れ’のみ。‘オンフルールの夕暮れ’など3点がお揃いで現れてくれるのが理想だが、いつも展示されているかはわからない。直感的にはローテーション展示されているような気がする。

次にこの美術館を訪問したとき重点鑑賞作品にしているのがバルテュス(1908~2001)の‘街路’。これは25歳のとき開いたデビュー展に出展した5点のうちの一枚で最も高い評価を得た。人物の配置は綿密な幾何学的な計算によって構成されており、静けさのなかからでてくる動きの感じに魅せられる。

過去に出かけたときはバルテュスはかすりもしなかったが、今は回顧展に遭遇することを強く願うようになった。が、この画家の場合、大半は個人が所蔵してのでこれは夢のまた夢。だから、貴重な鑑賞機会であるこの絵は大事にしたい。

ルオー(1871~1958)は画集に載っている代表作はまだ2割くらいしかみていない。そのため、鑑賞のエネルギーを内には多くためこんでいるのになかなか縁がない。08年の美術館めぐりではシカゴ、ワシントン、ボストンで姿を現してくれなかった。‘3人の裁判官’と似たような絵を出光か汐留ミュージアムでみたが、絵の魅力はMoMAのほうがある。

ブラック(1882~1963)の‘マンドリンをもつ女’は現地でみたのかもしれないが、その実感がないので追っかけ画にしている。具象っぽい人物画なので絵にはすっと入っていける。女性の輪郭はマティスのデッサンを彷彿とさせる。

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2012.08.16

ニューヨーク近代美術館(MoMA)の忘れもの(1)!

4181_2     モディリアーニの‘新郎新婦’(1915~16年)

4182_2     マティスの‘赤いアトリエ’(1911年)

4183_2     ミロの‘壁画’(部分 1950~51年)

4180_2     シャガールの時は岸辺のない河’(1930~39年)

NYの近代美術館(MoMA)を訪問したのは1993年のことだから、もうずいぶんご無沙汰している。今は建物も一新され、次に行くときははじめての美術館のような心持ちになるにちがいない。

美術館で建物が改築される場合、海外へ作品がどっと貸し出されることがよくある。この機をとらえて‘MoMA名品展’を行ったのが上野の森の美術館。都合3回開かれた(1993年、1996年、2001年)。美術の本に必ず載っている名画が沢山やってきたので、何度も足を運ばれた方も多いのではなかろうか。

このビッグな展覧会を体験し現地へも2度出かけたから、館の図録に載っている作品で人気の高いものはおおよそみることができた。が、美欲(My造語)にはかぎりがなく新たな作家の作品やプラスαへと関心は広がっていく。

モディリアーニ(1884~1920)の‘新郎新婦’は過去の訪問で目にとまったという実感のない作品。常時展示されているのだろうか?これはアメリカの美術館で見残しているモディ作品のひとつ、是非ともお目にかかりたい。

上野の森美にマティス(1869~1954)は結構やってきたが、まだ4点くらいみたいのが残っている。その筆頭が‘赤いアトリエ’、赤一色なのに奥行きを感じさせる画面をじっくりみてみたい。また、緑と灰色の組み合わせに惹かれる‘ピアノレッスン’も思い入れの強い一枚。

ミロ(1893~1983)の‘壁画’は大きな絵だからみたような気もするが、あやふやな記憶のまま。ほかの作品はユーモラスな‘オランダの室内一’などを一応目の中におさめたから、この絵の前では目をかっと開いて鑑賞するつもり。

MoMAにあるシャガール(1887~1985)といえばなんといっても代表作‘私と村’。これは嬉しいことに1993年の展覧会にやってきた。このころの上野の森美は本当に輝いていた。‘時は岸辺のない河’が展示されているかわからないが、気になっている絵。

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2012.08.15

ついつい足が向かう‘上村松園と鏑木清方’展!

4179_2     上村松園の‘青眉’(1934年 吉野石膏)

4177_2     上村松園の‘新蛍’(1944年 東近美)

4178_2     鏑木清方の‘鰯’(1927年 東近美)

4176_2                鏑木清方の‘権八小紫’(昭和初期 光記念館)

平塚市美はHPで企画展を定点観測している美術館のひとつ。ここで行われる作家の回顧展はハズレがないので関心のある作家のときは必ず出かけることにしている。昨年は‘伊東深水展’があり、今年は‘上村松園と鏑木清方展’(7/21~9/2)。美人画のビッグ2とくればついつい足が向かう。

上村松園(1875~1949)は2年前決定版の回顧展が東近美で行われ、鏑木清方(1878~1972)についても4,5年前サントリー美に名品が結集した。二人の描く女性の絵は特別な磁力を発しており、いつも深く魅せられる。

作品の数は松園が29点、清方が38点、このうちプラスαは9点あった。好きな画家なので新しい作品に遭遇すると充実した気分になる。これまでみた作品は画集によく載っている名品がズラリと揃う。

松園の‘青眉’と‘新蛍’は構図にとても惹かれる作品。‘青眉’は女性のさしている傘の描写に安堵するバランス感がうかがわれ、‘新蛍’は余白をたっぷりとった画面に蛍をじっとみつめる赤い帯の女性の姿がじつに優雅に描かれている。

清方の‘鰯’は明治のころに生きた人々の暮らしの一こまを切り取った作品。ぼてふりの少年と女性の会話が聞こえてくるよう。風俗画はほかに‘朝夕安居’や‘明治風俗十二ヶ月’もでている。

清方の新規作品の収穫は光記念館が所蔵する‘神田祭’と‘今様浅妻舟’。浮世絵をみている感じなのが‘権八小紫’。若衆の着ている衣裳の紫が目に沁みた。これも光記念館蔵。もう一点、‘稔りの秋’といういい絵がでている。これは見てのお楽しみ!

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2012.08.14

興味深々の‘死者の書’!

4175     ‘フウネフェルの「死者の書」:口開けの儀式’(前1280年頃)

4174     ‘グリーンフィールド・パピルス 死者の書:審判’(前950~930年頃)

4173     ‘グリーンフィールド・パピルス 死者の書:イアルの野’(前950~930年頃)

4172  ‘グリーンフィールド・パピルス 死者の書:天と地のはじまり’(前950~930年頃)

大英博物館が所蔵する世界最長の‘死者の書’を六本木の森アーツセンターギャラリーでみてきた。今エジプトもの展覧会はここの‘大英博物館古代エジプト展’(7/7~9/17)のほかに上野でも行われているがこちらはまったく関心がない。

‘死者の書’についての知識は一応ありこれまで実物もみているが、大英博が所蔵する37mもある‘死者の書’は縁がなかった。大英博にこういう世界最長のものがあることはこの展覧会の情報が入ってきたときはじめて知った。現地でみた‘死者の書’はもっと小さいもの。大英博は前回行ってから随分間隔が開いているので現在の展示の状況はわからないが、この‘グリーンフィールド・パピルス’は常時展示されているのだろうか?

‘死者の書’は死者が首尾よく来世の楽園へ行けるための呪文を集めたガイドブック。呪文の数は200種類以上あるが、この‘グリーンフィールド’には110くらいでてくる。ひとつ々じっくりみていくとおもしろい。

興味深くみたのは‘口開けの儀式’。画像は‘グリーンフィールド’のものではなく、展示会場の最初に飾られている‘フウネフェルの死者の書’。この儀式をすませると死者は冥界の旅で呪文を唱え、供物を食べることができるようになる。

‘審判’は死者が最も緊張する場面。死者の心臓が天秤にかけられる。左側には真理の女神マアトの小像がのせられており、生前の行いがいいと心臓はこれとつりあい、めでたく永遠の命が与えられ楽園に入ることが許される。

来世の楽園、イアルの野は仏教の極楽浄土の世界とは趣が異なる。楽園といっても現世の風景と変わりなく、牛を追い田畑を耕している。これでは死がないのと同じ。古代エジプトの宗教観はこのように死の暗いイメージがなく、楽観的。

人物表現で視線が釘付けになるのが‘天と地のはじまり’に描かれた大きな天の女神ヌウト。手と足が同じ長さで体操競技を行っているようにみえる。この場面はほかの‘死者の書’にはでてこないらしいが、インパクトのあるヌウトの姿はルクソールの‘王家の谷’にある墓の装飾のなかにみたことがある。

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2012.08.13

祝 レスリング男子66キロ級米満が金メダル獲得!

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4170   24年ぶりに金メダルを獲得したレスリングフリースタイル66キロ級の米満達弘

レスリングの関心はもっぱらアテネ以降メダルを獲り続ける女子、男子の存在感はうすく北京で湯元が銅メダルを獲ったことも忘れていた。だから、ロンドンでも男子にメダルの可能性があるとは思っていなかった。

ところが、最終日にそのイメージをくつがえすスゴイ選手が登場した。66キロ級の米満達弘。昨年の世界選手権で2位になったことで、レスリング界では期待の星だった。が、男子はロシア、ウクライナ、イラン、トルコ、アゼルバイジャンなどに強い選手がごろごろいるので、本番になったら上位にランクされる選手は誰もがチャンピオンになるチャンスがある。

そんなことを思いながら試合をみていたが、米満は予想以上に強い。相手に攻め込まれることがなく、タックルをすばやく決めするっとバックに回ってポイントをとる。圧巻だったのはインドの選手との決勝戦。第2ピリオド、相手を肩車からマットにたたきつけるスゴイ技を決めた。まさに力の差をみせつける戦いで24年ぶりに日本に金メダルをもたらした。拍手々!

レスリングはかつては日本のお家芸で金メダルを沢山獲ったから、オリンピックは体操とともに熱心にみた。技の見せ場はタックル。強い選手はこのタックルを瞬時に決める。前傾姿勢で腰を引いて組み合っているから、そう簡単にはタックルはくわないはず。だが、うまい選手はこれを見事に決める。

米満は体がすごく柔らかいそうだが、これを生かして流れるようにタックルに入りバックをとる。今大会で大いに期待されていたことがだんだんわかってきた。確かに天才肌の選手である。天才は往々にしてポーカーフェイス。米満もその例に漏れない。試合が終わってチャンピオンになったのに笑わないのがおもしろい。こういう選手は真に強い。


ボクシングとレスリングで何十年ぶりに金メダリストが誕生した。今回7個の金メダルのうち6個が格闘技。肉体と肉体がぶつかりあい、勝者と敗者が一瞬のうちに決まる柔道やレスリング、ボクシングは試合展開がスリリングでみていて熱くなる。

日本人のメンタリティにあっている格闘技でボクシングとレスリング男子が復活したのは嬉しいかぎり。次のリオデジャネイロのときははじめから熱く応援したい。

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2012.08.12

祝 ボクシングミドル級村田が金メダル獲得!

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4169     ボクシングミドル級で金メダルを獲得した村田諒太

オリンピックをみるため睡眠不足になる日が続いているが、今朝は7時近くまで目を開けているのがとくに辛かった。でも、嬉しいことに最後にみたボクシングでミドル級の村田が見事に金メダルを獲得してくれた。拍手々!

今大会は日本がメダルを多く獲得する水泳、柔道、レスリング、体操以外の競技でメダリストになった選手が沢山生まれた。重量挙げ女子(銀)、アーチェリー(銀、銅)、卓球女子(銀)、フェンシング(銀)、バドミントン女子(銀)、サッカー女子(銀)、バレー女子(銅)、そしてボクシング(金、銅)

ミドル級の村田は金メダルに近い選手という報道がなされていたので、期待して応援した。準決勝と決勝の2試合をみたが、接近戦でくりだすボデー攻撃が得意。決勝の1ラウンドはブラジルの選手に5-3でリード、出足は上々。金がみえてきた。が、2ラウンドは相手のスピードのあるパンチをかなりもらって4-5で追い上げられた。

最終ラウンドは五分五分の戦いかちょっとやられているかなという感じだったが、相手の減点もあり5-5。わずか1ポイント差で金メダルに輝いた。試合が終わったあと村田は手をあげていたから自信があったのだろう。

普段はまったく縁の無いアマチュアボクシング、オリンピックのときしかみることはないが、48年ぶりに金メダルを獲った村田ど銅メダリストになったバンタム級の清水の活躍でボクシングの醍醐味を腹の底から楽しむことができた。

村田はとてもイケメン。ボクシングが強くてこれだけルックスがいいとCM界もほってはおかないだろう。余談ながらこれからCMに登場して欲しいアスリートをあげてみると、柔道女子の松本薫、競泳の寺川綾、夏目雅子に似ている鈴木聡美、入江陵介、卓球の福原愛、石川佳純、体操男子の加藤、

優れたアスリートは芸術家や一級の頭脳をもった科学者同様、社会にとっては特別な存在。人々はその姿をみて元気がでたり希望に胸をふくらませることがあるのだから、遠慮なくメディアヘの露出を増やしてもらいたい。楽屋話の延長のようなトークでギャラをもらっているお笑い芸人やスキャンダルだらけのプロ野球の選手や監督よりこうしたアスリートの笑顔をみているほうが何倍も楽しい。

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2012.08.11

心に響く‘レーピン展’!

4165_2     ‘休息 妻ヴェーラ・レーピナの肖像’(1882年)

4164_2     ‘あぜ道にて’(1879年)

4167_2     ‘ウラジミール・スターソフの肖像’(1873年)

4166_2     ‘思いがけなく’(1884~1888年)

モスクワにあるトレチャコフ美が所蔵する作品をBunkamuraで楽しむのは09年に開催された‘忘れえぬロシア’に次いで二度目。今回は近代ロシア絵画のビッグネーム、イリア・レーピン(1844~1930)の作品を集めた期待の回顧展(8/4~10/8)。

作品は全部で習作を入れて99点。このうち4点は09年に展示されたもの。おそらく、トレチャコフ美にあるレーピン・コレクションの主要な作品はかなりやってきたのではなかろうか。じつはこの美術館は1999年に訪問したことがあるが、そのときはガイドさんの後をついていくだけだったのでレーピンの絵で覚えているのは大作の‘クールスク県の十字行’だけ。

収穫の作品がいくつもあるので選択に迷う。最も惹かれたのは妻を描いた‘休息’。肘掛椅子で眠っている姿をじっとみつめてしまう。そして、再会した息子の肖像画にも足がとまる。妻の着ている洋服も息子の背景の布も赤茶色、強く印象に残る色だった。

‘あぜ道にて’は3年前にもみた。黄色のライ麦畑の真ん中にできた道に母親と娘たちがいる。これはどこかでみたことのある絵、そう、モネやルノワールにもこれとよく似た構図の絵がある。こういう子どもが登場する絵をみていると心が安らぐ。

男性肖像画で長いことみていたのが顔の肌がとても生感覚な‘ウラジミール・スターソフの肖像’。肖像画というのは誰でも描けそうだが、その内面に迫る表現で仕上げられるのはほんの一握りの才能のあるものに限られる。レーピンはそんな画家のひとり。

‘思いがけなく’は衝撃度200%の絵。部屋に入ってきた男をみつめる女性や子どもたちの視線がじつにリアル。‘まさか、あの人物なの!?ええー、本当に’といった感じでびっくりしている。舞台の芝居の一場面をみているような緊張感があり、思わず画面に見入ってしまう。これはいい絵をみた。

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2012.08.10

祝 レスリング吉田金メダル、なでしこジャパン銀メダル獲得!

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4162     レスリング女子55キロ級で3連覇を達成した吉田沙保里

4163     銀メダルを獲得したなでしこジャパン

レスリングの吉田沙保里が伊調に続き、55キロ級で3連覇を達成した。拍手々!これで日本は4階級のうち3つを制した。レスリング女子はアテネ以降毎回その強さをいかんなく発揮し、皆の期待に応えてくれる。じつに頼もしい。

準決勝で対戦したロシア選手に昨年敗け泣いていたのをスポーツニュースでみた。はたからみればどんなに強い選手でもいつかは敗けることはあるのだから、そう落ち込むこともないのにと思う。だが、長年勝ち続けた王者にとっては一回の敗けでも大きなショックをうけるのかもしれない、もう自分の時代は終わりかと。

だが、吉田はオリンピックの大舞台であらたに磨いた技も使いながら得意のタックルをしっかり決めてルベンジを果たした。試合が終了したときみせたガッツポーズに吉田のこの1戦になんとしても勝ちたいという思いがあらわれていた。

決勝戦は金メダルにむかってその強さを爆発させた。相手に攻め込まれることが一度もなく着実にポイントをとり勝利をおさめた。もうどこからみても大チャンピオン。終わってみれば、予想通りの金メダルに輝き3連覇の偉業を達成。伊調同様、レスリングの天才である。コーチ役の父親を肩車する姿はまるでヘラクレスのよう。

サッカー女子、なでしこジャパンは残念ながら銀メダルに終わった。でも、オリンピックではじめてメダルを獲得したのだから立派なもの。拍手々!前半の早い時間帯に1点とられたあとは再三ゴールのチャンスがあったからそのうち追いつくかなと思ったが、最後まで日本の流れにならなかった。サッカー素人の判断だが、チャンスがありながらシュートが決められないときはだいたい敗けのパターン。

なでしこジャパンの活躍は目を見張らせるものがある。いい選手が育ってきて今以上に強いチームに成長すると次回のリオデジャネイロでは金メダル獲得も夢ではない。大いにはばたいてもらいたい。

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2012.08.09

祝 レスリング女子 伊調・小原金メダル獲得!

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4158_2     レスリング女子68キロ級で3連覇を達成した伊調馨

4159_2     48キロ級で金メダルを獲得した小原日登美

今日はレスリング女子が金メダルを2個獲得してくれた。拍手々!やはりレスリング女子は強い。3連覇を期待された68キロ級の伊調馨は圧倒的な強さで見事これに応え、初出場の48キロ級の小原日登美は念願のオリンピックチャンピオンになった。

伊調は北京大会のときより安定した戦いぶりでスタミナ切れもなく順調に勝ったという感じ。非常に落ち着いていて王者の風格があった。が、実際はロンドン入りしてからの練習で左足首の靭帯を部分断裂していたという。怪我をし体調は万全ではないのに相手を寄せつけないのだから、その強さはとびぬけているといっていい。

五輪で3連覇したのは女子でははじめてのこと。並みの強さでは10年近くも世界の頂点に立ち続けることなどできない。まさにレスリングの天才。歴史に残る記録をつくったからもう引退し指導者の道を歩んだほうがいいと思うが、次のリオデジャネイロまでチャレンジするのならまた栄光を手にするかもしれない。

48キロ級に出場した小原はまったくノーマーク、名前を知らなかった。アテネ、北京でこの階級の銀メダリストだった伊調の姉千春が引退してからは誰が強いのかわからない。だから、てっきり若手が登場するのだろうと予想していた。ところが、マットにいたのは31歳の小原。

放送中にだんだんこの選手の苦節の物語がわかってきた。世界選手権もオリンピックも同じ4階級でメダルが争われていると思っていたが、世界選手権では51キロ級があり小原はこのクラスのチャンピオンに何回もなっていた。そして、09年以降は妹が戦っていた48キロ級に移動して千春に替わる実力者となった。

ベテランなのに動きがものすごくよく、技もすぱっと決まる。このクラスは金のイメージはなかったが、俄然応援にも熱が入ってきた。そしてむかえた決勝戦。第1ピリオドはちょっと動きがかたくアゼルバイジャンの若い選手にとられた。が、ここから第2,3ピリオドをとり逆転勝利。涙、涙の金メダル。本当によかった!

伊調も小原も青森県八戸市の出身、ダブル金メダルで地元は大騒ぎだろう。

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2012.08.08

音楽の流れる‘ドビュッシー 音楽と美術’展!

4157     モネの‘嵐、ベリール’(1886年 オルセー美)

4153          ドニの‘イヴォンヌ・ルロールの3つの肖像’(1897年 オルセー)

4156             バーン=ジョーンズの‘王女サブラ’(1865年 オルセー)

4154      カイユボットの‘ピアノを弾く若い男’(1876年 ブリジストン美)

ブリジストン美では現在‘ドビュッシー 音楽と美術’展(7/14~10/14)が行われている。ここの西洋絵画の企画展への思い入れは正直言ってBunkamuraや三菱一号館美に比べるとかなり低く、あまり期待してない。

だから、今回足を運んだのは例外。が、テーマに関心があったからではなくチラシに載っていた気になる作品をみるため。鑑賞時間は15分で終了。画像はみたかった順に並んでいる。

モネ(1840~1926)の‘嵐、ベリール’はオルセーでは通常は飾られてない作品。10年パリのグランパレであった大回顧展に出品されることを期待していたがダメだったので、この先ずっと縁がないと思っていた。ところが、思いがけず日本で夢が叶うことになった。素直に嬉しい。これでオルセーにあるモネの追っかけは‘霜’と‘コルサース山’の2点を残すのみ。

沢山でているのがナビ派のドニ(1870~1943)。2年前国立新美であったオルセー展でみた‘ミューズたち’や‘木々の下の人の行列’がまたやってきた。気になる絵は未見の‘イヴォンヌ・ルロールの3つの肖像’。色調が淡く乙女チックな空気が漂う画面は奥行があり、とても魅せられた。

今年はバーン=ジョーンズ(1833~1898)イヤー、三菱一号館美ですばらしい回顧展を体験したことは大きな喜び。そして、ここでも1枚お目にかかれた。作家とのかかわり方はおもしろいものでひとつの展覧会をきっかけに急速に深まっていく。

この展覧会にそれほど熱くなってないのはテーマ型の企画展に関心がうすいこともあるが、一番の理由はチラシに載っている絵をすでにみているから。でもこれは個人的なことで、展覧会としての格付けは間違いなく特◎、オルセーやオランジュリーにある名画がパリに出かけなくてみれるのだから幸せな気分になる。

それを強く思わせるのが‘夢の美術館’で何点も紹介したホーマー(1836~1910)の‘夏の夜’(オルセー)。これは大好きな絵、そして、マネの傑作‘浜辺にて’もある。みてのお楽しみ!

想定外の収穫が1点あった。それは最近ブリジストンが手にいれたカイユボット(1848~1894)の‘ピアノを弾く若い男’。これを購入した話は知っていたが、本物をみるのははじめて。なかなかいい。

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2012.08.07

祝 サッカー女子 なでしこジャパンメダル確定!

4152_2      決勝進出に大喜びのなでしこジャパン

4151_2      強烈なシュートをとめたGK福元美穂

サッカー女子準決勝はなでしこジャパンが見事フランスを2-1で破り、五輪史上はじめてのメダルを獲得した。拍手々!ここにくるまでの試合をライブでみてなかったが、この試合はみないわけにはいかない。

サッカーは男子でも、女子でも、ワールドカップや五輪のときだけ試合をみるにわかサッカーファンなので、知っている選手の澤、主将の宮間、川澄の3人だけ。ワールドカップでチャンピオンになり大ブレークしたなでしこジャパン、その強さは本物なのかどうかは素人だからよくわからない。が、この試合での戦い方をみて五輪の金メダルを信じてもいいように思えてきた。

前半、ゴール前で得たFKはするするとネットにすいこまれた。いいところにいた長身の大儀見の足にボールがあたったのかどうかわからないが、気がついたら入っていた。先制点をとるとやはり安心する。この時点でメダルがもうちらついてきた。

勝利を確信したのは後半がはじまってすぐ、宮間のFKに阪口がヘッドで合わせ2点目をとったとき。あまりにいい流れなので、日本は強いなと率直に思った。楽勝ムードでみていたら、どうわけかフランスばかりがボールを支配しばんばんシュートをうってくる展開になった。

そのうち目の覚めるようなすごいシュートで1点返された。あわてたのはその直後。反則でPKを与えてしまった。これは大変なことになった。同点になったら勝負の行方は一気にわからなくなる。ところが、ツキが日本に味方したのかフランスはシュートをはずしてくれた。

ほっとしたが、フランスの攻撃は最後まで続く。ゴールをよく守ったのは福元。GKはワールドカップのときみた男のような選手だと思っていたがちがっていた。前半1点入ってもおかしくなかった強烈なシュートを素早く反応しとめた。これはビッグプレー。なでしこジャパンにはすごれた才能をもったGKが2人もいたとは!

残り10分くらいの間にハットするシュートはいくどもあったが、福元はことごとくしのいだ。この試合は日本は前半攻めの力でゴールを奪い、後半は強い守備力で点差を守り逃げ切った。攻守ともに高い力を発揮するなでしこジャパン、金メダルに近づいたような気がする。

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2012.08.06

祝 内村ゆか銀メダル獲得 卓球女子団体メダル確定!

4148    種目別ゆかで銀メダルを獲得した内村航平

4149   シンガポールに勝った平野早矢香(右)、石川佳純組

4150     決勝進出を決めた石川、福原愛 平野

体操の種目別ゆかは内村の金を楽しみにしていたが、残念ながら2位に終わった。
拍手々!最初に演技した内村の得点が15.800の高い得点だったので金を90%確信したが、次に登場した中国の選手は全然ミスのないすばらしい演技。15.933の高得点がでて、あっさり内村の得点を上回った。世の中思い通りにはいかない。

個人総合のときとくらべて、内村の演技はずっといい。途中の着地もよくきまり、そして最後はピタッととまった。これぞ内村の‘美しい体操’という感じ。観客へのアピールは満点と思われた。が、ここの技は事前にTV映像でインプットされているもっと難度の高い技だったはず。

大技、り・ジョンソンを内村は最初の演技で体が温まってないのでやめたという。美しく終わり満足のいく演技をするために演技の構成を変えるというのだらか内村の頭のなかはとても冷静。内村の演技に対するこういうこだわりはすごく説得力がある。美しい銀メダルといっていい。

時計が12時をすぎてからはじまった卓球女子団体の準決勝は心配度70%の試合だった。シンガポールと対戦する日本チームは福原愛、石川佳純、平野早矢香。シンガポールはシングルスで石川を破り銅メダルをとった選手がエースだから手ごわい。

その相手のエースとまず戦ったのが福原。攻撃、守備ともによくポンポンと2ゲームをとった。そのあと1ゲームかえされたが、勝負どころの4ゲーム目を接戦の末勝った。この初戦の勝ちで日本にグッと流れがきた。2番手の石川は相手をまったく寄せ付けず
3-0のストレート勝ち。

ダブルス戦になっても日本の強さはとまらず、平野、石川ペアは快調に得点を重ねていく。ふたりの動きはとてもよく、平野の切れのいい攻撃がきまり、石川のスピードのある卓球も冴える。あっというまに3ゲームとり、念願だったメダル獲得を果たした。
拍手々!

北京大会でもこの団体戦は夢中になってみた。3位決定戦の相手は韓国、日本は平野、福原、広瀬だった。能の般若面のような顔をして戦う平野の姿が今でも目に焼きついている。いい試合をしたが、勝利の女神は微笑んでくれなかった。

あれから4年、平野、福原に石川が加わった日本チームは見事準決勝を制し、決勝に駒を進めた。王者中国に臆することなく全力でむかっていってもらいたい。がんばれ、
日本!

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2012.08.05

祝 400メートルメドレー男子銀メダル、女子銅メダル獲得!

4147

競泳の最後を飾る400メートルメドレーリレーで日本チームは男子が銀メダル、女子が銅メダルを獲得した。拍手々!

朝4時頃からまず女子がはじまった。バラフライの寺川、平泳ぎの鈴木はうまく泳ぎ、3番手のバタフライの加藤に3位でリレーした。メダルを獲る作戦としては鈴木は2位につけて加藤につなぎたいところだったが、貯金がなくてバタフライになった。

加藤は相当のプレッシャーだったと思うが、すごいがんばりをみせた。前を行くアメリカ、オーストラリアと大きく離されることなく、また後ろから追い上げてくるロシアや中国にも差をつめさせない。そして、最終泳者上田へつなげた。

小さい加藤に対して上田は背の高い選手。こういう体格だからクロールも元気一杯。大勢の人の応援で力が倍増したのか、そのまま力泳をつづけ見事3位でゴール。ついにシドニー以来の銅メダルを獲得した。水泳のメドレーリレーはいつもすごく興奮するが、今回は‘がんばれ、がんばれ!’を連発した。本当によかった。

男子もすばらしかった。3位は想像していたが、アメリカにつぐ2位になるとは思ってもいなかった。入江の背泳ぎは予定通り、ほぼ1位でリレー、ひきついだ北島が底力をみせつけた。はじめからグイグイとばしラスト20メートルくらいでアメリカのハンセンをおさえ1位になった。

ここからの松田、藤井のがんばりもすごかった。松田はやはり実力者。フェルプスとまったく互角の泳ぎをみせるのだから立派。ここまで2位でつないでくると最後の藤井も敗けるわけにいかない。北島に‘落ち着いていけ’といわれたそうだが、終盤にバテることなく全力で泳ぎきり2位をオーストラリアに譲らなかった。この銀は価値がある。

日本チームはメダルを全部で11個とった。銀3個、銅8個。入江の200メートル、松田の200メートルで金メダルが実現しなかったのは残念だが、金がなくてもこれだけメダルを獲ると腹のそこから嬉しくなる。今回ほど水泳が楽しかったことはない。世界も日本の水泳の強さに目を見張ったにちがいない。

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2012.08.04

金メダルなしに終わった男子柔道!

4146オリンピック前半の楽しみだった柔道が終了した。

結果は男子が銀メダル2個、銅メダル2個、そして女子は金、銀、銅メダルが1個ずつ。男子の金メダルなしははじめてのこと。

メダルの数は北京の2個(ともに金)を上回ったが、柔道は日本のお家芸だから金メダルがひとつもないというのは何かスカッとしない。

小さい頃から柔道が好きで技のきれる選手がでてくるとその技をみるのがすごく楽しみだった。過去の五輪で金メダルに輝いた選手が鮮やかな一本勝ちを数え切れないほどみせてくれたが、最も目に焼きついているのは吉田秀彦(1992年バルセロナ)と井上康生(2000年シドニー)のすばらしい内股一本。これぞ柔道、じつに美しい内股だった。また、3連覇した野村忠宏のきれすぎる背負い投げにもどれだけ感動したことか。五輪がくると柔道に夢中になるのはこの一瞬にしてきまる技がみれるから。

今回男女を通じて最も感動したのは66㎏級の海老沼が3位決定戦で一本をとった技。海老沢ははじめてみる選手だったが技がきれるからいっぺんにファンになった。準決勝戦は一瞬のすきをつかれ敗れたが、これから精進して技をさらに磨けば次は金がみえてくる。

最初に登場した60㎏の平岡もよくばんがったと思う。積極的に攻めていたし、内に闘志をひめていることはその繰り出す技からも十分うかがえた。決勝戦はまさに勝負は時の運という感じ、金にかぎりなく近い銀といっていい。

寝技の得意な73㎏の中矢(上の画像)は序盤に負傷したのに最後までよく戦った。どんどん技をかけていくのはみてて気持ちがいい。男子の軽いほうからの3選手は残念ながら金メダルはとれなかったが、日本柔道崖っぷちというようなことではない。

これからさらに得意技をみがけばいい。もちろん心の準備といったメンタルなことも大事だが、技に自信がもてれば心も強くなる。頂点を極めるには稽古をして吉田や井上、野村のようにどんな相手がきても一本がとれる絶対的な技をもつことである。

一方、体重の重いクラスは前途多難、パワーもつけないと強靭な体力をもつ外国人選手には勝てないから、基礎体力の強化は技の修練と同じくらい重要な課題。北京で金メダルをとった石井はスタミナ抜群だった。技のきれだけでは金にはとどかない、総合的なトレーニングにはげみトータルな力をつけることが必要になってくる。柔道連盟の指導者たちには智恵を絞ってもらいたい。

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2012.08.03

祝 競泳 入江・鈴木銀メダル獲得!

4144_2      200メートル背泳ぎで銀メダルを獲得した入江陵介

4145_2     200メートル平泳ぎ銀メダリストの鈴木聡美

期待をこめてみていた200メートル背泳ぎ、入江陵介は本当に惜しかった!150メートルをターンしてから予定通り入江が王者ロクテを追い上げていったから、金メダルと思ったが、ロクテの向こうを泳いでいた選手が金をさらっていった。

レースが終わったとき入江は落胆の気持ちがありありだったが、これもオリンピック、銀メダルをとったのだからたいしたもの。拍手々!入江はこれで100メートルの銅とあわせて二つのメダルを手にいれた。個人種目で2個のメダルは北島についで二人目、2度目の五輪で一気に世界のトップスイマーのひとりになった。

入江はみればみるほどイケメン。カッコよくてその実力もこれで世界に知れわたった。今回の活躍で競泳界の二大スター、北島とこの大会でも200メートルのバタフライで銅メダルを獲得した松田にかわって、若手を引っ張っていくリーダー的存在になっていくだろう。4年後のリオデジャネオロでの挑戦がとても楽しみ。

100メートルのときはサプライズの銅メダルだった平泳ぎの鈴木聡美、その泳ぎっぷりがすばらしかったので200メートルは銀もいけるかなと思いながら応援した。果たして?期待通りの速くていい泳ぎ。解説者によるとこういう泳ぎを滑るというらしい。この滑る泳ぎで世界新をだしたアメリカのソニを激しく追っかけ2着になった。拍手々!

女子で2種目メダルをとったのははじめてのこと。好感のもてるハキハキした応対とチャーミングな顔、これで女子競泳陣の中心選手に踊りでた。鈴木聡美の名前と顔が刻み込まれたから、今後国際大会があるときはレース結果がすぐインプットされるようになりそう。

それにしても、競泳はメダルラッシュが続いている。これで9個(銀2、銅7)。選手間のチームワークがよく、コーチとのコミュニケーションがうまくいっているのだろう。すばらしい。

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2012.08.02

祝 体操 内村金メダル、 競泳 立石・星銅メダル獲得!

4140_2     体操個人総合で金メダルを獲得した内村航平

4141_2

4142_2     200メートル平泳ぎで銅メダルを獲得した立石諒

4143_2     200メートルバタフライ銅メダリストの星奈津美

体操男子個人総合で内村航平が日本人としては28年ぶりに金メダルを獲得した。
拍手々!団体戦は鉄棒で落下するなど想定外のミスがでた内村、でも世界選手権3連覇したその実力を大舞台できっちり発揮して念願の金メダルを手にした。

以前は体操競技はよくみていたが、競技全体をじっくりみたのは北京五輪以来。出場選手をみて不思議だったのは中国の選手が一人もいないこと。内村が最高の演技をみせたのが跳馬、選んだ技がどのくらいの難易度なのか専門的なことはわからないが、跳馬をとびこえて前向きで着地する場合これがなかなか決まらないことは知っている。それがなんとピタリととまった。大舞台でこの見事な演技。まさに千両役者!

鉄棒も着地がきれいに決まった。その前の離れ業のコールマンをやらずにそのままフィニッシュ体勢に入った。これで十分。3つの離れ業をやり着地もうまくいったから、パーフェクトな演技に近い。内村の鉄棒は日本画でいうと大和絵の美しさと琳派の華麗さがミックスされたような感じ。これを体操界では日本の美しい体操というらしい。本当にすばらしい!今の内村の実力は選手のなかでは抜きん出ている。この先当分、王者として世界の体操界に君臨することはまちがいない。

3時半からはじまった競泳は最初の種目が期待の北島康介、立石諒が出場する200メートル平泳ぎ。予選・準決勝の出来から北島の3連覇は無理かなと思っていたが、150メートルまでは速いスピードでレースをリードした。身をのりだして応援したが、残念ながらメダルにとどかなった。でも、昨年の世界選手権のタイムを上回ったのだから見事なもの。拍手!

五輪初出場の立石は最後まで北島に食らいついていき、3位に入った。このがんばりもすばらしい。ニューヒーローの誕生である。次のリオデジャネイロでは頂点に立ってもらいたい。

同じことが女子の200メートルバタフライで銅メダルを獲得した星にもいえる。ランキング1位の星の金がひょっとしてあるかなと、前のめりで応援したが世の中そううまい具合にはいかない。星はバセドウ病とおつきあいしているという。21歳と若いからこれからどんどん記録をのばしていきそう。

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2012.08.01

グッゲンハイム美の忘れもの!

4136_2     アンリ・ルソーの‘ラグビーをする人々’(1908年)

4137_2     シーレの‘老人の肖像’(1916年)

4138_2     ゴーギャンの‘村の男と馬’(1891年)

4139_2     デ・クーニングの‘コンポジション’(1955年)

ニューヨークにあるグッゲンハイム美をはじめて訪れたのは今から20年くらい前、だから館内のユニークな螺旋階段は目に焼きついているものの、作品がどういう風に展示してあったかはほとんど忘れている。

この美術館はMoMAとともに近現代アートを展示する世界的に有名な美術館、一回足を運んだくらいではそのすばらしいコレクションの全体はとてもみつくせないのだが、じつは見逃した作品としてリストアップしているものはそれほど多くない。

これは日本で大規模な‘グッゲンハイム美展’(1991年 セゾン美)を体験したから。NYへでかける2年前のことだったので、短期間の間にこの美術館のコレクションがすごく近くなった。が、それから随分な時が流れたので、今グッゲンハイムに飾られている作品は当時とはだいぶ変わっているのかもしれない。

最先端の現代アートに密着しようという気が今のところないので、当面のターゲットは既存のビッグネームの作品に絞られる。最も関心を寄せているのはアンリ・ルソー(1844~1910)の‘ラグビーをする人々’とシーレ(1890~1918)の‘老人の肖像’。

ルソーの作品は‘夢の美術館’で取り上げたように多くのアメリカの美術館が所蔵している。NYではグッゲンハイムにこの絵と‘砲兵’、METに‘ライオンの食事’、そしてMoMAへ行くと‘夢’と‘眠るボヘミアンヌ’がみられる。

シーレが妻エディットの父親を描いた作品は訪問したとき見たという意識がまったくない。20年前はシーレへの接近度はそれほど深くなかったから見落としたのかもしれない。ところが、今はみたくてしょうがない。

グッゲンハイムには印象派やポスト印象派の絵もしっかりある。だが、図録に載っているマネやシスレー、ゴーギャン(1848~1903)の絵は記憶にない。常時展示してない可能性もある。ゴーギャンの1点は10年、テートで開催された回顧展でみたから残るは‘村の男と馬’。

現代アートではステラやリキテンシュタイン、そして抽象絵画だが躍動する生命力を感じるデ・クーニングの‘コンポジション’などを楽しみたい。

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