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2012.07.06

流麗な線に魅せられる‘吉川霊華展’!

4045_2     ‘離騒’(1926年)

4046_2     ‘羅浮僊女’(1928年)

4044_2     ‘清香妙音’(1927年)

4047_2             ‘香具耶姫昇天 竹取物語’(1920年)

東近美では今、‘吉川霊華展’(6/12~7/29)が開かれている。この回顧展の情報を得たときから注目していた。といっても、吉川霊華(1875~1929)の絵に詳しいわけではない。せいぜい両手くらいしかみていない。

これまでこの画家の絵をみた美術館は東博、東近美、埼玉県近美、目白の野間記念館、明治神宮記念館、そして静嘉堂文庫。画家の作風に目が慣れたのは野間記念館。ここにはグループをつくって一緒に活動をしていた吉川霊華と鏑木清方(1878~1972)の作品を所蔵しており、よく展示される。

今回の回顧展には100点くらいでている。その大半が白描といわれる墨のみを用いて描かれた絵。墨で描かれた絵というと水墨画があるが、水墨画の魅力が墨の濃淡、ぼかしにあるのに対し、白描は描線を主体にして描かれる。有名な‘鳥獣人物戯画図’は白描画の代表作であり、マンガのルーツ。

初見の作品ばかりだが、最も惹かれたのは‘離騒’。出品作の多くが個人の所蔵であり、これも個人のもの。じっとみてしまうのが、雲を表わすもこもことした線や小さな山形をリズミカルに連続させるシャープな波の線、そして女性の着ている着物の襞や風になびく裾の流麗な曲線。繊細かつのびのびとした筆線と人物と龍にすこしだけみえる淡墨だけでこれほどひきつけられる、日本画の真髄をみる思いである。

梅の精、‘羅浮僊女’(埼玉県近美)をみるのは2度目。羅浮を取り囲む梅の木のV字と遠くにみえる山の横のラインを組み合わせた画面構成がとてもいい。羅浮の黒髪は濃墨で描かれているが、これよりもっと黒髪が目に飛び込んでくるのが‘清香妙音’。濃い墨で1本々緻密に表現された長い黒髪がつくる流水のような美しいフォルムを夢中になってみた。

彩色画ではかぐや姫の昇天の場面を描いた作品に魅了された。また‘太平楽之図’や静嘉堂文庫にある‘稚児童文殊’にも思わず足がとまった。白描画をみる機会は少ないのでこういう展覧会はとても新鮮。後期にもう一度出かけるかもしれない。

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