夢の美術館! ロサンゼルス郡立美(2)
アンリ・ルソーの‘フランス共和国の女神’(1904年)
3年前ロサンゼルス郡立美(拙ブログ09/5/7)をとりあげたとき、みたい絵として選んだのはラ・トゥール、セザンヌ、マグリット。これらは画集によく載っている有名な絵だから、いつかこの目でという気持ちがだんだん膨らんでいる。
この美術館を強く意識させるのはなんといってもラ・トゥールの‘ゆれる炎のあるマグダラのマリア’。4点あるマグダラのマリアをなんとか全部みようと思っているが、ルーヴル、メトロポリタン、ワシントン・ナショナル・ギャラリーにあるものは運良く鑑賞できたので、最後のターゲットがここにあるもの。
LAにはラ・トゥールの絵がもう1点ある。ポール・ゲッティ美のコレクション‘楽士たちのいさかい’。ラ・トゥールは20世紀に入ってから人気がでてきた画家だが、その作品をNYのMETで体験したり、LAの美術館にあることを知るとアメリカ人コレクターの審美眼はつくづくたいしたものだなと思う。
ロサンゼルス群立美には印象派や近現代絵画の名品も沢山揃っている感じ。08年シカゴ美で遭遇したホーマー(1836~1910)の水彩画‘狩の後’に大変魅せられている。水面にうつる光の揺らぎと白いあごひげをはやした人物が猟犬を引き上げようとしている姿が心をとらえて離さない。
晩年、健康がすぐれなかったピサロ’1830~1903)は外に出かけられなくなったので、ホテルの一室から街の様子を描いた。俯瞰の構図が特徴の‘フランス劇場広場’はその一枚。
これまでアメリカの美術館が所蔵するアンリ・ルソー(1844~1910)をいくつか紹介したが、西海岸ではこことすぐ近くのパサデイナのノートン・サイモン美に気になる絵がある。‘フランス共和国の女神’はルソーお得意のジャングルの中にライオンを従えた女神を描くという意表をついた構成がおもしろい。
ステラ(1936~)の絵は‘ブラック・ペインティング’シリーズの一枚。ステラの抽象絵画は初期は黒地に細いストライプが繰り返される。じっとみていると画面が微妙に動くから不思議な感覚にとらわれる。
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