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2012.07.05

期待を大きく上回る‘バーン=ジョーンズ展’!

4043_2   ‘連作・ペルセウス 果たされた運命’(1882年頃 サウサンプトン市立美)

4040_2     ‘連作・いばら姫 眠り姫’(1872~74年  ダブリン ヒューレイン美)

4042_2     ‘「怠惰」の戸口の前の巡礼’(1884年 ダラス美)

4041_2   タペストリー‘東方の三博士の礼拝’(1894年 マンチェスター・メトロポリタン大)

三菱一号館美で開催されている‘バーン=ジョーンズ展’(6/23~8/19)をおおいに楽しんだ。‘いつか行きたい美術館’シリーズでバーミンガム美(拙ブログ11/11/17)とサウサンプトン市立美(11/11/19)をとりあげたとき、バーン=ジョーンズの作品を
5点入れていた。その絵が果たしてこの回顧展にやってくるか?

わくわくしながら展示室をまわった。そして、だんだん興奮してきた。なんと‘魔法使い’(バーミンガム美)と‘果たされた運命’、‘聖杯堂の前で見る騎士ランスロットの夢’(ともにサウサンプトン市立美)の3点が飾ってあるではないか!

サプライズはまだ続く。バーミンガム美からは連作‘ピグマリオンと彫像’(4点)や‘巡礼を導く「愛」’が描かれたすばらしい布地がやってくるし、代表作のひとつ‘眠り姫’、そして色鮮やかで見事な出来栄えのタペストリー‘東方の三博士の礼拝’まである。なんとも豪華なラインナップ。本当にスゴイ回顧展。日本でバーン=ジョーンズ(1833~1898)の傑作がこれほど多くみられるなんて思ってもいなかった。グローバルクラスの回顧展に遭遇したことを心から喜んでいる。

‘果たされた運命’はペルセウスの鋭い目がとても印象的。これに対してドラゴンはすでに戦意喪失気味、開いた口は弱々しくイルカの体を連想させるそのながい長い胴体は草月流の生花みたいに装飾的なフォルムをつくっている。

大作‘眠り姫’をみているとボッティチェリの‘春’に描かれた花々がダブってくる。‘春‘に登場する女性たちが立ち姿ですがすがしい表情をみせているのとはちがい‘眠り姫’の横たわって眠る姫君と待女たちはロマンと神秘的な雰囲気につつまれているが、画面全体に装飾的な描写がみられる点で二つの絵はよく似ている。

今回びっくりしたのがアメリカのダラス美から出品された‘「怠惰」の戸口の前の巡礼’。‘夢の美術館’に選んだダラス美がバーン=ジョーンズのこんないい絵を所蔵していたとは!若い女性と青年を画面いっぱいに横から描くところは‘ランスロットの夢’の構成と同じ。これは記憶にずっと残りそうな絵。

最後の部屋に飾ってあったタペストリーを気持ちよくながめていた。日本でこんな目の覚めるような赤や青や黄金で彩られたタペストリーを体験できるなんて夢のよう。
満足度200%のバーン=ジョーンズ展だった。

尚、この展覧会は次の美術館にも巡回する。
・兵庫県立美:9/1~10/14
・郡山市美:10/23~12/9

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コメント

魅力的な作品群ですね!

初期ルネサンスの雰囲気が素敵ですね。特に『怠惰』と『東方三博士の礼拝』は、とてもラファエル前派的に感じられます。

バーン=ジョーンズの作品は画集で少し見た程度なので、私にはあまり馴染みがありません。

今回いづつやさんの報告を伺って、展覧会に行きたくなりました。

今月中に予定を立てて、行ってみますね。

投稿: ケンスケ | 2012.07.06 21:07

僕も行きました。
いづつやさんの満足度200%うなづけます。
モリスと仕事をしていたのですね、日本ではモリス展は開かれますが、バーンジョーンズはこれだけの回顧展は初めてとか。
眠り姫のうっとりした表情最高ですね。
三菱一号館なんか椅子が通路に沢山置いてありましたね。

投稿: oki | 2012.07.06 23:23

to ケンスケさん
バーン=ジョーンズに最接近できるまたとない
チャンスです。是非お出かけください。

‘いつか行きたい美術館’で紹介した作品が
今回3点もきており、テートブリテンが出版し
ているバーン=ジョーンズ本に載っている
43作品のうち11点が展示されているのです
から、本当にスゴイ内容です。

じつはこの回顧展は今年開かれる西洋絵画の
展覧会では最も注目していましたから、感激も
ひとしおです。

投稿: いづつや | 2012.07.07 00:47

to okiさん
三菱一号館はやはり期待に応えてくれますね!
今回の出品作の中核をなしているバーミン
ガム美のコレクションは質、量ともに一級品
ですね。

そして、サウサンプトンからもお目当ての作品
があれもこれもきているのですから最高です。

東京都美が開館して、東京の西洋絵画を展示する
美術館は5強時代になりますね。東京都美、西洋美
、三菱一号館美、国立新美、Bunkamura。

okiさんに教えてもらった西洋美のラファエロ展、
なんとフィレンツェのピティ宮から‘大公の聖母’
がくるんですね。ほかの作品情報はわかりません
が、これは大変なことになりそうです。

投稿: いづつや | 2012.07.07 01:02

いづつやさん、こんばんは。

お勧めいただいたバーン=ジョーンズ展に行ってまいりました。

バーン=ジョーンズの個展を見るのは初めてだったんですが、青、緑といった基調の色にピンクや赤がアクセントを添えた作品に魅せられました!

三菱一号館美術館も初めてだったんですが、とても落ち着いて観賞できるところですね。

ありがとうございました。

投稿: ケンスケ | 2012.07.17 21:25

to ケンスケさん
バーン=ジョーンズのいい絵がこんなに沢山
みれるのですから、三菱一号館美の企画力は
相当高いです。

このあとシャルダン、そして来年はルノワール
の名品が含まれているクラークコレクション
ですから、この美術館はしばらく目が離せ
ません。欧米の邸宅美術館風で静かにみれる
のがいいですね。

投稿: いづつや | 2012.07.17 23:34

いづつやさん、暑中お見舞い申し上げます。

自分も見て来ました。

2002年秋に国立西洋美術館「ウィンスロップ・コレクション(フォッグ美術館所蔵)」で見た「パーンとプシュケ」に一目惚れしたんです。

「いばら姫」予想以上の素晴らしさでした。
展示の仕方も良かったですね。跪きたい衝動に駆られました。

投稿: みどりがめ。 | 2012.07.27 05:05

to みどりがめさん
暑い日が続きますね、ご自愛下さい。
ウィンスロップ・コレクションがバーン=
ジョーンズをすこしまとまった形でみる
最初の体験でした。‘パーンとプシュケ’
も目に焼きついています。

三菱1号館のこの回顧展は‘いばら姫’
などみごたえのある作品がいくつもそろい
ましたね。館の実力をみせつけられた感じ
がします。

投稿: いづつや | 2012.07.27 09:08

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