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2012.07.20

収穫の多かった‘契丹展’!

4094_2            ‘獅子文盒’(10世紀前半)

4095_2            ‘龍文盒’(10世紀前半)

4096_2            ‘花文盒’(10世紀前半)

4097_2     ‘白磁皮嚢壺’(10世紀前半)

東芸大美で開催されている‘契丹展’(7/12~9/17)は特別関心が高かった展覧会というのではなかったが、墓から出土した金や銀でつくられた工芸品に目を見張るものがあり、その想定外の内容に少なからず驚いた。

途中、東京都美の前を通ったが、フェルメールの‘真珠の耳飾りの少女’をみるため大勢の人が列に並んでいた。待ち時間は60分!平日でもこの混雑ぶり、土日はすごいことになっていそう。‘少女’のあのふと振り返った姿を誰だってみたい。本物をみれば長いこと並んだ疲れは一瞬にふっとぶ、そして一生の思い出になる。上野の熱い夏は当分続く。

‘契丹展’でとくに熱心にみたのは金銀器。描かれた動物や草木の線はとてもこまやかでのびやかに引かれている。遊牧の民、契丹は唐で発達した金属工芸の技法を継承し、さらに文様に生命の息吹を吹きこみ契丹流の工芸品を生み出した。長くみていたのはトルキ山古墓からでてきた‘獅子文’と‘龍文’の容器、‘マカラ文盤’、‘双魚文碗’。

また、金銀平脱(日本では平文という)の技法でつくられた‘花文盒’も興味深くみた。平脱(へいだつ)というのは金や銀など金属の薄い板を形に切り取って漆器に貼る技法で唐時代にできた。作業に大変な手間がかかる技法で、日本の正倉院の宝物のなかにも平文(ひょうもん)の技法が施された弦楽器がある。

やきものは形にすごく魅せられる‘白磁皮嚢壺’と‘黒釉皮嚢壺’の前に長くいた。そのほわっとした丸さ加減がじつにいい。また。鴛鴦を象った三彩の水注や‘黄釉鳳首瓶’にも足がとまった。

日本で行われる中国関連の展覧会はできるだけ見逃さないようにしている。これは中国を本格的に回るようになったときの準備。やきものでも工芸品でも今は貪欲に鑑賞し、長い歴史をもつ中国文明のなかで生まれた質の高い美術品を深く味わいたい。

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コメント

こんばんは。
上野は、フェルメールにおされて、芸大美術館も、トーハクも話題になってませんね。残念です。
契丹は中国北ですね。
秋のトーハクの中国文明展でも、一部展示があるようですね。
芸大美術館は、震災で中止した、冥土の土産にうらめしや、は開催しないんですね。

投稿: oki | 2012.07.21 03:42

to okiさん
契丹展は金属工芸が予想外に見ごたえがあり
ました。

九博の学芸員が現地遺跡を共同で調査してい
たのですね。2年くらい前、江戸東博であっ
た大モンゴル展よりは充実した内容です。

投稿: いづつや | 2012.07.21 17:28

ご紹介の契丹展に行ってまいりました。

私には馴染みのない文化なのですが、高麗の白磁や唐三彩に近い焼き物を見て、文化の交流を確認しました。

皮嚢壺は独特ですね!

黄金のマスクは、アメリカ大陸の古代文明を思い出しました。

発掘された彩色木棺も迫力がありました。

投稿: ケンスケ | 2012.07.27 21:16

to ケンスケさん
金銀器の細工がしっかりしていて、やきもの
も白磁、三彩のいいのがありましたから、
予想に反して満足度の高い展覧会となりました。
こういうのに遭遇すると得した気分になります。

彩色木棺の部屋は見ごたえがありましたね。
じっくりみました。

投稿: いづつや | 2012.07.27 23:06

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