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2012.07.31

祝 柔道松本 金メダル 競泳寺川、鈴木 銅メダル獲得!

4133_2     柔道女子57キロ級金メダルに輝く松本薫

4134_2     百メートル背泳ぎで銅メダルを獲得した寺川綾

4135_2     百メートル平泳ぎの銅メダリスト鈴木聡美

ロンドン五輪は30日、日本選手のメダル獲得が続いた。拍手々!日本とロンドンの時差が8時間あるためその快挙を見とどけるには睡眠時間の調整を強いられるが、選手たちのすばらしい活躍で眠気も吹っ飛んだ。

女子柔道は二日連続でメダルなし、こうなうると金メダルを獲る選手がでてくるのだろうかと心配になってくる。が、そこは日本のお家芸の柔道、役者がいました、いました!57キロ級の松本薫。はじめてみる選手だが、対戦相手を鋭い視線でみつめる姿はまるで獲物を狙うジャッカルのよう。

試合をみているうちに、素人ながらこれは金メダルを獲るな、と思えてきた。スタミナはあるし、戦闘スピリッツはとぎれず、技もいろいろでる。予想通り、見事決勝戦でルーマニアの選手を破った。意外だが、7階級のなかで57キロ級での金は松本がはじめてだった。

男子の73キロは中矢力が優勝するような予感がしたが、ダメだった。初日の平岡に続いてロシアの選手に敗けて銀メダル。柔道は金をとらないと皆うれしそうな顔をしない。でも、それまでの戦いは強さを印象づける立派な柔道だった。

金メダリストが誕生したので、後の競技の応援にも力が入る。すごく楽しみにしていたのが3時半からはじまった競泳。5時ごろまでみていた。注目は男女百メートルの背泳ぎ。まず、寺川綾が日本新記録で3位に入った。夕刊の記事を読むと寺川はコーチらからアドバイスされたことが全部できたという。本当にすばらしい!8位に終わったアテネから8年、念願のメダルを手に入れた寺川、スポーツ選手には夫々の物語がある。

男子は期待の入江陵介が予想通り銅メダルを獲った。サプライズはその後にあったレース、女子百メートル平泳ぎ。8コースで泳いだ鈴木聡美が後半にすごい追い上げをみせなんと3位に食い込んだ。視線は優勝した15歳の選手とアメリカの選手の争いに釘づけになっていたので、鈴木がフィニッシュした瞬間を見逃した。

レース後のインタビューで鈴木は涙を流す寺川とは違って、喜びを満面にたたえた明るい笑顔。とてもチャーミング。200メートルのランクが2位というから、このレースではスタートから最後のタッチまで目を離さず応援したい。

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2012.07.30

メトロポリタン美の忘れもの!

4132_2     ターナーの‘ヴェネツィア 大運河’(1835年)

4131_2     ビーアスタットの‘ロッキー山脈 ランダーズピーク’(1863年)

4129_2     フラゴナールの‘恋文’(1770年代)

4130_2     ベックマンの‘始まり’(1949年)

今、大盛況の‘マウリッツハイス美展’が行われている東京都美。このあとは‘メトロポリタン美展’(10/6~1/4)。美術館の正面を使ったチラシはずいぶん前からファイルしているのに、作品の載ったものがまだでてこない。

okiさんの情報によるとレンブラントの‘フローラ’、ゴッホの‘糸杉’がやってくるらしいが、出品作の全貌はまだみえてこない。手元にあるチラシには二人のほかにビッグネームがずらずらと並んでいる。

コンスタブル、ターナー、ミレー、クールベ、セザンヌ、モネ、ルドン、ゴーギャン、ルソー、ティファニー、ホッパー、オキーフ、バルチュス、杉本博司。

ターナー(1775~1851)の絵が‘ヴェネツィア 大運河’だったら願ったり叶ったり。ミレーなどやってきて欲しい作品を勝手に選ぶとこうなる。

コンスタブル‘ソールズベリー大聖堂’、ミレー‘干し草の山’、クールベ‘女とオウム’、セザンヌ‘レスタックからみたマルセイユ湾’、モネ‘サンタドレスの庭園’、ホッパー‘夜明けの灯台’、ゴーギャン‘イア・オラナ・マリア’、ルソー‘ライオンの食事’、オキーフ‘赤、白、青’、バルテュス‘山’

ハドソンリバー派の作品が日本にくる可能性はほとんどないので、この絵は現地でしかみれない。ビーアスタット(1830~1902)の‘ロッキー山脈’はコール(1801~1848)の‘雷雨のあとのポウリオウク山から’(拙ブログ11/7/4)同様、次回でかけたとき真っ先にみにいこうと思っている絵。

08年METを訪問したとき残念ながら会えなかったのがフラゴナール(1732~1806)の‘恋文’、こちらを振り向く姿が気になってしょうがない。ワシントンナショナルギャラリーでは‘読書する少女’、そしてMETではこの絵。このすばらしい傑作をみないとロココは済みにならない。

ベックマン(1884~1855)の10点ある三連画のひとつ‘始まり’を知ったのは2年前のこと。どうもこれはみた覚えがない。ドイツ表現主義はノルディの絵も縁がなかったので、次は見逃さないようにしたい。

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2012.07.29

ボストン美術館の忘れもの!

4126_2     ホーマーの‘見張り’(1896年)

4127_2     コールの‘エデンの園からの追放’(1828年)

4128_2     ホイッスラーの‘ウェストミンスター旧橋のとり壊し’(1862年)

4125_2     カサットの‘オペラ座の黒衣の婦人’(1879年)

アメリカの美術館のなかでそのコレクションが日本で公開されることの多い美術館はボストン美ではなかろうか。

これまで質の高い印象派やミレーの展覧会が度々開催されたり、極上の摺りの浮世絵が里帰りし、美術ファンの目を楽しませてくれたが、今年は日本美術の真髄全部みせますとばかりに最高傑作の絵巻や仏画、そして曽我蕭白、伊藤若冲の目を見張らせる作品などがどどっとやってきた。

これくらい名品がやってくるともうボストンへ出かけなくてもいいかなとつい思ってしまう。それほどボストン美にある作品は馴染み深いのである。でも、10年の秋に開館したアメリカン・ウイングで展示されている絵は日本にはなかなかやってこないので、もう1回くらいは出かけようと思っている。

気になる絵は3点。ホーマー(1836~1910)の‘見張り’、コール(1801~1848)の‘エデンの園からの追放’、そしてホイッスラー(1834~1903)の‘ウェストミンスター旧橋のとり壊し’。とくに思い入れの強いのは迫力あるホーマーの絵。08年訪問したときこの絵が特◎だったのに、アメリカ館の増築中にぶつかりみることができなかった。そのリカバリーを早く果たしたいのだが、もうすこし時間がかかりそう。

ホイッスラーの橋の絵にも強く惹かれる。じつはBunkamuraがこの画家の回顧展をやってくれないかと密に願い続けている。そのときこの絵も展示してくれると嬉しい。

印象派のカサット(1844~1926)の‘オペラ座の黒衣の婦人’は浮世絵を連想させる構図に魅せられる。不思議なのはこの絵が日本やってこないこと。モネをはじめとする印象派の傑作があれほど沢山やってきたのに、この絵がなぜか入ってない。人気の絵なので出したくない?そうなるとますますみたくなる。

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2012.07.28

ロンドン五輪 開幕!

4121_2     日本選手団の入場行進 旗手はレスリングの吉田選手 

4122_2     聖火の点火

4123_2     楽団員になりすましたミスター・ビーン
4124_2     ♪♪‘ヘイ・ジュード’を熱唱するポール・マッカートニー

待ちに待ったロンドン五輪がはじまった。開会式は朝5時からのスタートなので、昨日は早目に寝てこれに合わせて起きる予定だったが、30分遅れで目がさめた。

録画で開会式をみるという選択肢もあるのだが、オリンピックは4年に一度の大イベントだからやはりライブで楽しみたい。開会式を盛り上げる大勢の人たちによる一大ページェントはどの大会でも目を見張らせるつくりものが随所にみられサプライズの演出が盛り沢山。普段こういうショーをみることがないので、ひとつひとつの展開に釘付けになりワクワクしてくる。

踊りのすばらしさはミュージカルが盛んなロンドンの面目躍如といったところ。また、背景の緑の草木をみていると映画‘ハリーポッター’や‘ロードオブリング’の世界が蘇ってくる。

選手の入場行進は世界中の国の名前を覚えるいい機会。‘この国があるところはだいたいイメージできる、この国知らないな、どこにあるの?’などといちいち反応しながらみていると、長い々時間も楽しくみれる。選手の着ているユニフォームのデザインや色のセンスにも関心がいく。毎回感心するのがイタリア、とても洒落ている。日本はいつもの白と赤、選手たちは皆いい顔をしている。

聖火がどうやって点火されかは開会式で一番興味のあるところ、今回はなかなかおもしろかった。美術や舞台、そしてイベントの演出で才能を発揮する超一流の人たちのアイデアとその仕掛けを生み出す技術がここに結集されているにちがいない。

懐かしいコメディアン、ミスター・ビーンを久しぶりにみて、また笑い転げた。サイモン・ラトルの指揮で‘炎のランナー’を演奏するロンドン・フィルのなかにちゃっかり入り込んで手にしたスマートフォンをみながら演奏のまねごとをしている。

最後は真打、ポール・マッカートニーの唄う♪♪‘ヘイ・ジュード’。この曲はビッグな式典のときの定番、一緒になって唄った。

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2012.07.27

ワシントン ナショナル・ギャラリーの忘れもの(2)!

4118_2           ブレイクの‘巨大な赤いドラゴンと女’(1805年)

4117_2     アンリ・ルソーの‘猿のいる熱帯の森’(1910年)

4119_2     ポロックの‘ラヴェンダー・ミスト:ナンバー1、1950’(1950年)

4120_2         ロスコの‘オレンジとうす茶色’(1954年)

ナショナル・ギャラリーには二つの建物があり、古典絵画や印象派などは豪華な円形ロビーを中心に展示室が左右対象に配置されている西館でみることができる。そして、道路を挟んで建っている東館では近現代アートが展示されている。

西館でリカバリーしたい作品は昨日とりあげたもののほかにまだ、2,3ある。図録を購入してはじめて知ったブレイク(1757~1827)の絵に驚いた。こんなハットとする絵を見逃すわけにはいかないが、常時展示されているのかどうかちょっと気がかり。

ここにアンリ・ルソー(1844~1910)の作品が3点あることを確認しているのに、前回は展示室の工事のせいなのか1点もみれなかった。不思議なものでシカゴ美でもお目当ての絵が姿をみせず、ルソーとの相性はじつに悪かった。次回、この‘猿のいる熱帯の森’、‘岩の上の子ども’、‘森のなかの逢引’をパーフェクトにみられると気持ちも晴れるのだが。

東館は展示室のレイアウトがどうも頭の中に入ってない。全部見たような見なかったような感じ。ここでは企画展を行っているから、そのため展示室が一部削られ、通常は展示されている作品がみれなくなることがあるのかもしれない。必見リストに載せていたものが半分もみれないとショックは大きい。

そのなかでとくにリカバリーしたいのはポロック(1912~1956)の傑作‘ラヴェンダー・ミスト’と12点以上あるロスコ(1903~1970)の作品。ポロックはやはり1950年前後に描いた作品が最高。ここにあるのをみたら済みマークをつけられる。

ロスコを1点でも多くみたいと思っているが、ここは沢山もっているから期待値は高い。3度目の訪問で思いの丈が果たせるようミューズに祈りをささげている。

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2012.07.26

ワシントン ナショナル・ギャラリーの忘れもの(1)!

4115_2        フラゴナールの‘読書する少女’(1776年)

4114_3       ゴヤの‘サバーテ・ガルシア’(1806~11年)

4113_2     ロートレックの‘ボレロを踊るマルセル・ランデール’(1895年)

4116_2           モディリアーニの‘ジプシー女と赤ん坊’(1919年)

‘夢の美術館’シリーズでとりあげたようにワシントンには美術館や博物館が数多くある。だから、たっぷり時間をとってひとつ々を丁寧にみていくと充実した美術館めぐりとなるにちがいない。

楽しみの一丁目一番地はなんといってもナショナル・ギャラリー。この美術館のすごいところは有名な古典絵画がずらっと揃っていること。ルネサンス絵画のダ・ヴィンチ、ラファエロ、ボッティチェリ、ティツィアーニ、デューラー、北方絵画のファン・エイク、ボス、マニエリスムの画風がみられるグレコ、バロックのルーベンス、ラ・トゥール、レンブラント、フェルメール、本籍フランス、現住所イタリアのプッサン。

そして、18世紀以降に活躍した画家の名画もこあちこちにある。スペインのゴヤ、ロココ絵画のヴァトー、ブーシェ、フラゴナール、イギリスのターナー、コンスタブル、新古典派のアングル、ロマン派のドラクロア、風景画のコロー、写実派のクールベ。

この美術館で最も充実しているのは昨年の秋、国立新美でも公開された印象派・ポスト印象派の作品。マネ、モネ、ルノワール、セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャンらの目を見張らせる傑作の前に立つとアドレナリンがどどっと出てくる。

いい絵がこれだけあると一度や二度の訪問だけで思いの丈をすべてはたすことはとてもできない。08年のときは生憎ヨーロッパ絵画が展示してある部屋が工事中で、対面を楽しみにしていたフラゴナール(1732~1806)の‘読書する少女’とゴヤ(1746~1828)の‘サバーテ・ガルシア’がみれなかった。

この2点はまだ本物を鑑賞してないが、フェルメールの‘真珠の首飾りの少女’やルノワールの‘イレーヌ嬢’と同じ特◎女性画、なんとしても会いたい。ゴヤはサバーテの美貌に一目ぼれし、‘描かせてもらえないだろうか’と懇願している。20世紀になるとピカソがパリの街角で若い娘に心を奪われ同じことをした。

ロートレック(1848~1903)とモディリアーニ(1884~1920)の絵もずっと気になっている作品。アメリカにあるロートレックで最も好きなのはシカゴ美でみた‘ムーラン・ルージュにて’とワシントンにあるこの‘ボレロを踊るマルセル・ランデール’。躍動感にあふれる踊りを披露するマルセルに会えるだろうか?

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2012.07.25

シカゴ美術館の忘れもの!

4112_2     チャーチの‘コトパクシの眺め’(1857年)

4109_2     マティスの‘川のそばの水浴者’(1909年)

4110_2     ベックリンの‘海にて’(1883年)

4111_2       カサットの‘子どもの体洗い’(1893年)

4年前、アメリカを一般の団体ツアーで旅行したときは有名な美術館へ入館するのが大きな楽しみだった。このツアーがなによりも魅力的だったのはシカゴ美の訪問が行程のなかに入っていたこと。

シカゴ美での最大のお目当てはスーラの‘グランド・ジャット島の日曜日の午後’とホッパーの‘夜更かしの人々’。長年の夢が叶ったので天にも昇る気持ちだった。この2点を含めて事前につくった‘必見作品リスト’のヒット率は8割くらい。

はじめて訪問する美術館としては満足のいくレベルに達しているのだが、ここは目を奪われ名画を沢山所蔵しているから、見逃した作品をなんとかリカバリーしたいという思いが強くある。また、館の図録に掲載されているのに運悪くみれなかったものがいくつかあることもツアーへの再参加を駆りたてる。

次回この美術館に縁があったとき、入館してすぐに向かう絵は今から決めてある。ちょうど1年前‘もっと見たい’シリーズ(拙ブログ11/7/4)でもとりあげたチャーチ(1826~1900)の‘コトパクシの眺め’やコール(1801~1848)の‘ナイアガラの滝に眺望’。アメリカの美術館めぐりで重点鑑賞のひとつにしているのがハドソンリバー派の雄大な風景画。シカゴ美はそれがみれる注目の美術館。

印象派や近代絵画は運良くかなりみれたが、残念ながら姿をみせてくれなかったのがマティス(1869~1954)の‘川のそばの水浴者’。草木の鮮やかな緑と人物のシンプルで彫刻的な造形に強く惹かれる。

購入した図録をみて鑑賞欲を刺激されたのがベックリン(1827~1901)のちょっと奇怪な絵‘海にて’。ベックリンの神話を題材にして描く海洋画はその波のリアルな描写がなかなかいい。こういう一度みたら忘れない絵というのはやはり鑑賞リストに入れておきたい。

カサット(1844~1926)もアメリカの美術館を回ったから目に焼き付けたい画家のひとり。‘子どもの体洗い’にとても魅了される。前回はホッパー展やホーマー展に時間をとられアメリカ絵画を展示する部屋に寄れなかった。次はこの絵をじっくり楽しみたい。

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2012.07.24

イチロー ヤンキースへ電撃移籍!

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昨日、調子の上がらない選手としてとりあげたイチローがヤンキースへ電撃移籍した。そして、ヤンキースの背番号31のユニフォームを着てマリナーズと戦った。まさかのヤンキース入団である。今年イチローはマリナーズとの契約が切れるが、年俸は下がるだろうが来年以降もマリナーズでプレーし続けるものと思っていた。

が、イチローはチームが自分を必要としてないなと感じたにちがいない。いまやマリナーズの顔となったイチロー、どこの球団でもそうだがチームの柱となる選手が契約の最終年をむかえる場合、残ってもらいたいという意思が球団サイドにあればシーズン前半に遅くともオールスター前までに選手と再契約について話し合いをする。

こういう話がでてこなかったので、球団としてはイチローの高い年俸を相当下げる腹づもりだなとみていたが、トレードというオプションまでは読めなかった。

新天地のヤンキースでのデビューは8番ライトだった。記者会見でジラルディ監督はイチローをレフトで使うといっていた。今、ヤンキースのライトは打撃がいいスウィッシャー、彼が故障から戻ってくるまではこれまで通りライトのポジションだろうが、いずれレフトでの起用ということになる。

レフトを守っているのは以前ブレーブズのスタープレイヤーだったジョーンズ。若いときは打撃もよくセンターの守備も上手い部類に入っていたのに、今は足が衰えよたよたした守備になっている。イチローがレフトを守ることで外野の守備は格段によくなる。

では打順は何番?今日は8番だが、イチローが新チームで大いに刺激を受け打撃が上向いてきたら、1番あるいは2番を打たせるのではなかろうか。足の衰えが全然感じられないイチローを上位で打たせると早めに得点があげられゲームの主導権をとることができる。

ヤンキース入りでイチローにもワールドチャンピオンのリングを手にする可能性もでてきた。NHKはこれからはヤンキースとレンジャーズの試合を軸に中継することになるだろう。すると今日すばらしいピッチングで10勝目をあげた黒田が投げる試合も頻繁にみれるようになる。イチローと黒田の二人が投打、そして守備でヤンキースの勝利に貢献する。これは楽しくなった。

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2012.07.23

大リーグ日本人選手 好調組 vs 不調組!

4105大リーグは後半戦に突入した。昨日はレンジャーズのダルビッシュがアスレチック戦で7回2失点と好投し、11勝目をあげた。

また、その前日はヤンキースの黒田が7回を完封し9勝目をあげ、大リーグ通算50勝を達成した。

投手ではこの先発2人が予想通りの活躍をしている。ともにチームが東地区、西地区で首位を走っているから応援していても楽しい。

残念なのは黒田の登板する試合を毎回中継してくれないこと。相変わらずイチローが出場する西地区断トツの最下位(レンジャーズとは15.5ゲーム差)、マリナーズの試合が多い。ヤンキースは人気の球団なのだから、これからは黒田が投げるときは全試合を放送し大リーグファンの期待に応えてくれないと、NHKのかかげる視聴者に喜ばれる番組づくりに反することになる。

バッターで好調組はブリュワーズで一番を任されている青木(上の画像)。現在、打率は.285、ヤクルト時代3回も首位打者になった選手だから、打撃の技術は一級品。これからは投手陣に研究されるから目標の3割は難しいだろうが、チームの勢いを引き出すリードオフマンとしての役割をしっかりと果たしてきくれそうな気がする。

一方、成績が上がらないのがイチロー、松井、岩隈、復帰した松坂。打率が.261まで落ちているイチローは1番から2番に降格させられてしまった。本人にとっては屈辱的な扱いにちがいないが、2割6分の成績では文句はいえない。このあたりは大リーグは厳しい。今の打撃状態では3割は無理。すると、2連連続3割を切る。あの強靭なイチローの肉体に変化がおきているのだろうか、とにかく今のイチローの悪さ加減は相当深刻。

このイチローより輪をかけて悪いのが松井。ヒットがでない。打率は.147と目をおおいたくなるような低さ。残念だが、この成績では戦力外を通知されてもしょうがない。まさに崖っぷち。

レッドソックスの松坂は肘の怪我から復帰したものの、思うようなピッチングができずまたDL入り。チームは首位のヤンキースから9.5ゲーム離され最下位。2枚あるワイルドカードの獲得を目指して、バレンタイン監督は松坂に期待しているだろうが、それに応えるピッチングができるか。とりあえずは1勝が欲しいところ。がんばれ、大輔!

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2012.07.22

日本芸術院にちょっと寄り道!

4102_2     高山辰雄の‘沼’(1956年)

4103_2        奥田元宋の‘かい’(1979年)

4104_2       池口史子の‘ワイン色のセーター’(2002~03年)

先週の水曜日、東芸大美の‘契丹展’をみる前、日本芸術院に寄った。当初ここへ行く予定はなかったから、これは犬も歩けば棒に当たるというやつ。

上野へ行くときはだいたいJRを利用するから改札を出てから少し歩くと東博や東京都美に着く。この日は最初にサントリー美の‘紅型展’から美術館めぐりがスタートしたので、地下鉄銀座線で上野までやってきた。JRに慣れていると地下鉄からの歩きがちょっとおっくう。

途中、階段をあがるところがある。いつもならまっすぐ進み文化会館の横を通って東芸大美へいくコースをとるのだが、この日に限って‘東博、東京都美はこちらが近道です’という案内が目に入った。暑かったので、楽をしようと左に曲がった。

ここの階段が何段もあることを思い出したのは半ばほど登ったとき。上がりきったところからは確かに新しくできたスタバのところまで早く行けるが、暑いときはこの階段はきつい。そんなことを思いながら進んでいると、日本芸術院の前に作品展示のバナーがでてきた。

‘日本芸術院会員 生誕100年の作家たちの作品’(7/9~9/23)、ここはいつも無料でみられるので中に入ってみることにした。年に1,2回は入館するので作品の数はわかっている。お目当ての日本画は誰の絵だろう?

ビッグネームのいい絵が3点でていた。高山辰雄(1913~2007)の‘沼’、赤の画家奥田元宋(1912~2003)の‘かい’、そして杉山寧(1909~1993)の‘暦’。いずれも過去にみたことのある作品だが、名画はみるたびに感動がある。きつい階段を登ったのでミューズがとびっきりの絵を用意してくれたのかもしれない。

展示室の入り口のところに2011年度の‘恩賜賞・日本芸術院賞’に決まった作家のリストがあった。美術部門では洋画家の池口史子(ちかこ、1943年生まれ 69歳)さんが‘恩賜賞と日本芸術院賞’を受賞されている。池口さんはご存知のように作家堺屋太一(1935年生まれ、77歳)の奥さん。

03年損保ジャパンの‘池口史子展’でみた‘ワイン色のセーター’を思い浮かべながら、東芸大美へ向かった。

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2012.07.21

‘奈良美智展’ 君や僕にちょっと似ている!

4099_4         ‘真夜中の巡礼者’(2011年)

4100_2     ‘春少女’(2011年)

4098_2     ‘山少女’(2012年)

4101_2     ‘Real One’(2012年)

横浜美で開催中の‘奈良美智展’(7/14~9/23)をみてきた。今年は‘エルンスト展’もみたから横浜美へ足を運ぶ回数が例年より多い。

奈良美智(1959~)という作家をうーんと知っているわけではない。すこしまとまった形で作品をみたのは今回を含めて3回しかない。だから、この作家が今どこで創作活動をし、どういう形でそれを発表しているかについてはまったく疎い。

回顧展なので初期のころの作品から最新作までが一堂に展示されているのかなと思っていたら、ほとんどの作品は今年あるいは昨年に制作されたものだった。06年弘前市までクルマを走らせて見に行った‘A to Z展’のときは小屋がいくつもあり、ミニ博覧会のなかに紛れ込んだ感じだったが、今回はその雰囲気が一部再現されていた。

はじめの部屋に展示されていたのがブロンズ彫刻7点、そのなかで最も惹かれたのが‘真夜中の巡礼者’。彫刻は館に入ってすぐの中央ホールに大きな少女像が飾ってある。これは写真撮影OK、デジカメを手さげバッグのなかにいれとけばよかった。

お気に入りの絵画は不二家のペコちゃんを連想させる‘春少女’。目と目の間が大きく開いたこの少女にはいろいろなヴァージョンがある。目をあけている少女と目をとじ瞑想している少女。‘春少女’の見所はなんといってもその目。瞳のまわりには少女漫画で嬉しいときに使われるキラキラ星のような点々がぼかし気味にきれいに描かれている。

この少女の隣に展示されているのは目は切れ長で八重歯をチラッとみせるちょっと毒の入ったドッキリヴァージョン。こういう大人をも手玉に取りそうな少女も一緒に並ばせるところが奈良智の作品の大きな魅力になっている。

沢山あるドローイングを1点々みていると自然に顔がニヤニヤしだす。足がとまるのはシュルレアリスムの定番の技法、ダブルイメージで描かれた‘山少女’。この髪と山の合体したフォルムはステンドグラスのような目とうまく響き合う。シンプルなものはやはり強く印象に残る。奈良智はキャラクターづくりの極意を完璧にマスターしている。

‘Real One’の少女は手にはさみを持ち髪には髑髏マークのアクセサリーをつけているから、うかつには近づけない。‘元気かい?’なんて声でもかけようものなら、‘おじさん、指切ってあげようか!’と冷や汗ものの切り返しをくらいそう。

図録はまだ出来ていなかったので、それが完成したとき散歩がてらまた美術館に寄ることにした。

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2012.07.20

収穫の多かった‘契丹展’!

4094_2            ‘獅子文盒’(10世紀前半)

4095_2            ‘龍文盒’(10世紀前半)

4096_2            ‘花文盒’(10世紀前半)

4097_2     ‘白磁皮嚢壺’(10世紀前半)

東芸大美で開催されている‘契丹展’(7/12~9/17)は特別関心が高かった展覧会というのではなかったが、墓から出土した金や銀でつくられた工芸品に目を見張るものがあり、その想定外の内容に少なからず驚いた。

途中、東京都美の前を通ったが、フェルメールの‘真珠の耳飾りの少女’をみるため大勢の人が列に並んでいた。待ち時間は60分!平日でもこの混雑ぶり、土日はすごいことになっていそう。‘少女’のあのふと振り返った姿を誰だってみたい。本物をみれば長いこと並んだ疲れは一瞬にふっとぶ、そして一生の思い出になる。上野の熱い夏は当分続く。

‘契丹展’でとくに熱心にみたのは金銀器。描かれた動物や草木の線はとてもこまやかでのびやかに引かれている。遊牧の民、契丹は唐で発達した金属工芸の技法を継承し、さらに文様に生命の息吹を吹きこみ契丹流の工芸品を生み出した。長くみていたのはトルキ山古墓からでてきた‘獅子文’と‘龍文’の容器、‘マカラ文盤’、‘双魚文碗’。

また、金銀平脱(日本では平文という)の技法でつくられた‘花文盒’も興味深くみた。平脱(へいだつ)というのは金や銀など金属の薄い板を形に切り取って漆器に貼る技法で唐時代にできた。作業に大変な手間がかかる技法で、日本の正倉院の宝物のなかにも平文(ひょうもん)の技法が施された弦楽器がある。

やきものは形にすごく魅せられる‘白磁皮嚢壺’と‘黒釉皮嚢壺’の前に長くいた。そのほわっとした丸さ加減がじつにいい。また。鴛鴦を象った三彩の水注や‘黄釉鳳首瓶’にも足がとまった。

日本で行われる中国関連の展覧会はできるだけ見逃さないようにしている。これは中国を本格的に回るようになったときの準備。やきものでも工芸品でも今は貪欲に鑑賞し、長い歴史をもつ中国文明のなかで生まれた質の高い美術品を深く味わいたい。

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2012.07.19

3度目の‘紅型展’!

4090_2      国宝‘白地松皮菱繋ぎに松桜楓亀模様衣裳’(18~19世紀)

4091_2      国宝‘水色地菱繋ぎに松梅楓鳥模様衣裳’(部分 18~19世紀)

4092_2     ‘黄色地松枝垂桜燕流水菖蒲鶴亀模様衣裳’(19世紀)

4093_2      ‘桔梗色地波に梅笹模様衣裳’(19世紀)

サントリー美で行われている‘紅型展’(6/13~7/22)へまた出かけてきた。3回もみたのは最初の鑑賞(拙ブログ6/15)でわかった国宝10点を全部目に焼きつけたかったから。これで出品作は型紙も含めて241点すべてみたことになる。

7/4も昨日も大勢の人がいた。その9割は女性。先月日曜美術館で取り上げられたことも紅型への関心を高めているかもしれない。今展示されてる国宝は最後の3点、すでにみている7点同様、色の明るさや模様の細かさ、丁寧な仕上げはやはり群を抜いていい。

時間をかけてみたのは‘水色地菱繋ぎに松梅楓鳥模様衣裳’。よくみると、小鳥は風に舞う楓の葉に呼応するかのように軽快に飛んでいる。そして、ところどころに気泡を思わせる白い点々。すごくシックでエレガントな意匠にぐぐっと惹きこまれた。

那覇市歴史博物館に所蔵されている国宝の紅型が全部で何点あるのかわからないが、この度の10点のなかに最高傑作が入ってなかった。じつは7/4にこの展覧会をみたあと、06年7月に収録したEテレの‘美の壺 沖縄の染織’を久しぶりに再生してみた。すると紅型はみるからにすばらしい‘紅色地龍宝瑞雲模様衣裳’がでてきた。ううーん、この龍がみたかった!王家に伝わった紅型が国宝に指定されたのはこの番組が放送された06年。

サントリー美の企画展でいつも感心するのはいい作品がドドーとでてくること。‘日本にある有名なものは全部集めました、どうかお楽しみ下さい!’この旺盛なサービス精神はとても好感がもてる。今回は自館のもの以外では沖縄市歴博をはじめとして、東博、静岡市立芹沢銈介美、日本民藝館、女子美術大美、松坂屋コレクションなどから評価の高い優品をずらっと揃えた。拍手をしたくなる。

国宝とともに期待していた松坂屋コレクションは8点が新たに展示された。足がとまったのは‘桔梗色地波に梅笹模様衣裳’、エルメスのネクタイを手がけるデザイナーが好みそうな色合いかなと思った。紅型というとすぐイメージする黄色地の下のほうに鶴が賑やかに並んでいる衣裳は7/4から展示されているもの。また沖縄の心を感じながら、しばらくいい気持ちでながめていた。

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2012.07.18

夢の美術館! サンフランシスコ近代美

4089_2        マティスの‘帽子の女’(1905年)

4088_2     オキーフの‘黒い場所Ⅰ’(1944年)

4086_2     ポロックの‘秘密の守護者たち’(1943年)

4087_2       ロスコの‘No.14’(1960年)

サンフランシスコを体験している隣の方の話を聞くと‘花より団子’もよさそう。海老や蟹などが美味しくいただけるフィッシャーマンズワーフも観光のハイライトのようだ。4年前ボストンで食べたロブスターに満足感いっぱいだったが、サンフランシスコのシーフードに舌がメロメロになるかもしれない。

You Tubeの動画はときどき楽しんでいる。みているのはもっぱら中学・高校の頃熱を上げていたアメリカやイギリスのポップミュージック。お気に入りの曲を07年の11月、‘年末は懐かしのポップミュージック’(拙ブログ07/11/27)でとりあげた。

そのなかにスコット・マッケンジーが1967年に唄って大ヒットした‘花のサンフランシスコ’がある。大好きな曲で以前は手づくりMyビデオで聴いていたが、今はお気に入りYou Tubeでいい気持ちになっている。この歌のおかげでLAよりサンフランシスコのほうが親近感を覚える。

サンフランシスコというともうひとつ、すごくいい曲がある。そう、知ってる人は知っている‘思い出のサンフランシスコ’(1962年)。トニー・ベネットはこの曲で大歌手の仲間入りをした。♪♪‘I Left My Heart in San Francisco’ 小学校5年から英語の勉強をはじめたから、この曲は上手に唄える。ウソではありません、本当です。だから、すばらしいゴールデンゲイトブリッジの夜景の映像が使われている動画にトニーの甘い歌声が流れてくると、調子に乗り一緒に口ずさんでいる。

街の中心部にあるサンフランシスコ近代美は規模でいうと全米で3本の指に入る美術館という。所蔵作品も傑作が揃っている感じ。そのなかで最もみたいのがマティス(1869~1954)の‘帽子の女’。今、マティスの当面の追っかけ画は初期に制作されたこの絵とコペンハーゲン国立美にある‘緑の筋のある女:マティス夫人の肖像’。なんとしてもみたい。

アメリカの作家ではオキーフ(1887~1986)、ポロック(1912~1956)、ロスコ(1903~1970)のビッグネームの作品にとても惹かれる。ここは高い人気を誇る美術館のようだから、アメリカ人アーティストの作品も充実しているにちがいない。LA、サンフランシスコ旅行もだんだんその気になってきた。

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2012.07.17

夢の美術館! サンフランシスコ美

4085_2              グレコの‘洗礼者聖ヨハネ’(1600~05年)

4084_2     ラ・トゥールの‘老人・老女’(1618~19年)

4082_2     ヴァトーの‘二組の男女’(1713年)

4083_2     モネの‘大運河、ヴェネツィア’(1908年)

サンフランシスコはロサンゼルス同様、まだ縁がない。どんな街だろう、野球が好きだから大リーグジャイアンツの本拠地というのがすぐ頭に浮かぶ。

美術館めぐりを中心にしたアメリカ旅行をはじめるときどこを最初にするか、いろいろ思いをめぐらしている。NYに滞在して周辺にある美術館へ出かけるとかなりの収穫がありそうなので、東海岸をオプションの上位としたい気持ちはあるのだが、今はまだ訪問してないLA、サンフランシスコの観光&美術館めぐりを優先するほうに気持ちが傾いている。

サンフランシスコで訪問したい美術館はサンフランシスコ美、サンフランシスコ近代美、そしてアジア美。まだこの街のガイドブックを購入してないので、場所については詳しいことはわからない。太平洋が見渡せる丘の上にあるのがサンフランシスコ美。

作品の情報は少ないが、気になる絵が3点ある。アメリカにあるグレコ(1541~1614)はMETやボストン美、シカゴ美、ワシントン・ナショナル・ギャラリーのような大きな美術館だけだと思っていたら、ここにも‘洗礼者聖ヨハネ’があった。来年1月東京都美で開催される‘グレコ展’にやってくるだろうか?

LAに2点あるラ・トゥール(1593~1652)がサンフランシスコにもおさまっている。1618年頃描かれた‘老人・老女’。今、西海岸旅行にすごく駆り立てられるのはその作品を1点でも多くみたいと願っているラ・トゥールとゴッホのいい絵があるから。

ヴァトー(1684~1721)の絵は画集に必ず載っている有名な絵。この‘二組の男女’が美術館自慢のお宝にちがいない。‘メズタン’(MET)と‘イタリア喜劇の俳優たち’(ワシントン・ナショナル・ギャラリー)を幸運にもみることができたので、この絵もいつかこの目でという思いは強い。

2年前、パリであったモネ(1840~1926)の大回顧展にここの所蔵する‘大運河、ヴェネツィア’がでていた。てっきりボストン美のものかと思ったら、サンフランシスコ美と書かれていた。ヴェネツィアの連作ではこの‘大運河’に最も惹かれる。しばらく立ち尽くしてみていた。

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2012.07.16

‘真珠の耳飾りの少女’は‘北方のベアトリーチェ’!?

4080_2          フェルメールの‘真珠の耳飾りの少女’(1665年頃)

4081_3           レーニの‘ベアトリーチェ・チェンチの肖像’

2日前にTV東京で放送された‘美の巨人たち’でフェルメールの‘真珠の耳飾りの少女’がとりあげられた。この番組はフェルメールに過去何度もスポットを当てているが、この少女に最接近するのは2度目。

‘美の巨人たち’は高い人気を誇る美術番組だから、最初に登場した04年12月18日の放送を覚えておられる方も多いかもしれない。そのときとても興味深かったのは‘真珠の耳飾りの少女’をグイド・レーニ(1575~1642)の‘ベアトリーチェ・チェンチの肖像’と関連づけたこと。

つまり、フェルメール(1632~1675)は‘真珠の耳飾りの少女’をベアトリーチェの肖像に霊感を得て描いた可能性があるというのである。すぐ共振し、この説は直感的に当たっているなと思った。そしてこの思いは06年、ローマのバルベリーニ宮殿で本物と対面し(拙ブログ06/5/24)、いっそう強くなった。以来、フェルメールはレーニの絵の模写か銅版画をみたにちがいないと200%確信している。

この説を番組スタッフは今回の構成でさらに前面に出していた。フェルメールに関する番組は各局つくっているが、これはTV東京が最初に唱えたことだから他の局では触れもしないし、美術専門家だって誰もこれに言及しない。

専門家はこんな確証のない話にコメントすると名声に傷がつくから口には出さない。でも内心当たっているなと思っているかもしれない。というのは、画家が過去の作品の構図を参考にするのはよくあることで、カラヴァッジョだってレンブラントだって有名な絵をほかの画家が描いたものを参考にして自分流の画風に昇華させている。

フェルメールだって、例えば‘天秤持つ女’でも‘真珠の首飾りの少女’でも女性のポーズは過去や仲間の画家の作品とよく似ている。

‘真珠の耳飾りの少女’と‘ベアトリーチェ’はみればみるほど似ている。‘真珠の耳飾りの少女’はフェルメール作品のなかでは特別な絵で、窓もカーテンもテーブルもない、描かれているのは女性だけ。黒の背景にとても愛らしい少女が浮かび上がっている。この
‘ベアトリーチェ’と同じ黒の背景が2枚の絵のコラボ性をイメージさせる決定的な要素。

そして、少女がふとこちらを振り向く姿。フェルメールは女性の美しさを生感覚でとらえるのは本当に上手いから、‘ベアトリーチェ’のふりむくポーズにとびついたにちがいない。顔をよくみると二人は艶やかな唇がそっくり。人物画は顔が中心だから、顔の雰囲気がよく似ているということはフェルメールの絵をレーニの絵と関連づける上で一番のポイントとなる。

また、色は違うが頭につけているターバンまで一緒。似ている点がこれほどあると、どうみたってフェルメールはレーニの絵に深く魅せられたはず。1599年ローマであった父親殺しのベアトリーチェが処刑されるという悲惨な出来事はヨーロッパで発達していた郵便網によりデルフトにも伝わっていただろうし、涙をそそるベアトリーチェの肖像は本物ではないにしろ模写などを画家仲間たちは共有していたのであろう。

番組のなかに合点がいかないことが一つあった。‘ベアトリーチェ’が描かれたのは‘真珠の耳飾りの少女’の3年前の1662年となっている。これ、間違いでは。作者のレーニは1642年に亡くなっている。

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2012.07.15

王子江さん 日曜美術館に登場!

4076_2   岩手県大槌町で唯一残った公民館を描く王子江さん

4077_2     ‘夢・希望’(2012年)

4078_2    大槌町の子どもたちと一緒に絵を制作する王子江さん

4079_2     ‘吉祥如意図’(部分 2012年)

今日の日曜美術館に個展(拙ブログ05/12/706/10/1407/10/12)があるときよく話をさせてもらう水墨画家、王子江(おうすこう 1958年~)さんが登場した。昨年の個展は都合が悪く出かけられなかったので、TVのなかではあるが久しぶりにお会いした。

先月末恒例となっている雑誌‘TV太郎’による美術番組をチェックをした際、この番組が目に入った。大好きな画家なので楽しみにしていたが、その内容は見当がつかずひょっとして中国でまた個展が開かれたのかな?と思ったりもした。

王子江さんは東北の被災地に出かけ、そこに暮らす人々の今を水墨画で描いていた!番組のタイトルは‘水墨で今を映す アーティスト・王子江の世界’。今年54歳の王さんはNHKとは縁が深く、美術番組出演がこれで3度目くらいで、また何年か前田中優子が演じた‘西太后’に使われた絵を手がけたり、Eテレの水墨画の番組に講師として出演している。

岩手県の大槌町に今年3月訪れた王さんがまわりに瓦礫や壊れたオートバイやクルマが積み上げられているところから描いたのが津波で唯一流されなかった公民館。王さんは最後に地面に水を描いた。この水の描写が王さんは天才的に上手い。

釜石市では人物画を描いている。若い漁師さんをスケッチするとき話を聞きながら手を動かす。そのあと、仮設住宅に行き、可愛い娘さんと同居する祖母も一緒に描いた。王さんは若い頃北京の街にでかけ1万6千人もの人をを描いたという。王さんは根っから人間が好きなのだ。完成した‘夢・希望’をみていると08年上野の森美で開催された回顧展に展示してあった群像図(08/2/24)が目の前をよぎった。

大槌町を6月に再訪問したとき、王さんは16人の子どもたちと一緒に絵を描いている。横長の大きな画面の下半分に子どもたちが町の様子や海にいる魚や生き物を描き、上半分に王さんが吉祥の龍を描いた。王さんが2本の箒に墨をたっぷりつけて一気に龍の胴体を描いていく。それをみている子どもたちは生き生きとした表情で‘龍がスゴイ!’とつぶやく。

王さんと子どもたちの合作‘吉祥如意図’をみたくなった。王子江さんはもってる水墨画の技が高いだけでなく、人間性がすばらしい。このように被災した東北へでかけ復興に夢と希望を託し日々生きている人たちから話を聞きその姿を水墨で描き、子どもたちとは絵でコラボし元気を与える。本当にエライなと思った。

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2012.07.14

夢の美術館! パサディナ ノートン・サイモン美

4072_2         ゴッホの‘パシアンス・エスカリエの肖像’(1888年)

4073_2     アンリ・ルソーの‘異国風景’(1910年)

4074_2         モディリアーニの‘ジャンヌ・エピュテルヌ 芸術家の妻’(1918年)

4075_2     モネの‘オンフルールのセーヌ河口’(1865年)

ノートン・サイモン美は印象派の本にときどきでてくるから、名前だけは知っていた。でも、今回アメリカの美術館を集中的にとりあげるまでパサディナという街がある場所を確認することがなかったので、美術館としては遠い存在だった。

じつはこの街のイメージは西海岸のLAとサンジアゴの中間あたり。ところが、地図をみるとなんとLAから北東へ15kmくらい! こうなると、みたい絵が急に近くなった感じになる。

ゴッホ(1853~1890)はパシアンス・エスカリエの肖像を2点描いており、もうひとつの絵はアテネのニアルコス・コレクション(拙ブログ11/9/10)にある。ゴッホの分厚い画集を手に入れたとき、あらたに追っかけリストの加えたのがこの肖像画。

パサディナがLAのすぐ近くにあることがわかったので、LAでのゴッホ探訪がとても楽しみになってきた。ポール・ゲッティ美で‘アイリス’、ハマー美で‘サン・ポール療養院の庭の木’、そしてノートン・サイモン美のこの絵。なんとも豪華なラインナップ。

また、アンリ・ルソー(1844~1910)も連チャンがある。郡立美の‘女神’とこの美術館にある‘異国風景’。NYへ行けばルソーはMETやMoMAやグッゲンハイムで5点くらいみれるが、LAでもしっかりルソーのいい絵が揃っている。やはりアメリカは奥の深い美術大国。

モディリアーニ(1884~1920)の描いたジャンヌの肖像は画集に載っている有名な絵。ちょっと前まではこの絵はアメリカにあるモディの追っかけ画に入ってなかった。だが、今はリストの筆頭に置いている。見たい度の大きい絵がこれほどあるのだから、現地でコレクションの全貌が明らかになったら卒倒するかもしれない。

ここにはモネ(1840~1926)とルノワール(1841~1919)が若い頃描いた作品がある。‘オンフルールのセーヌ河口’はモネ26歳のときのもの。白波のたつセーヌの河口を舟やヨットが船体を傾けながら進んでいる。いつかみてみたい。

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2012.07.13

夢の美術館! ロサンゼルス現代美

4068_2

4069_2     ロスコの‘NO.61 ラストとブルー’(1953年)

4070_2     リキテンスタインの‘あばら肉’(1962年)

4071_2     ローゼンクィストの‘付属物の痕跡’(1962年)

アメリカ旅行を何度も体験されている人の中には、ニューヨークが大好きという人もいれば、ロサンゼルスなど西海岸が楽しくてたまらないという人もいるだろう。大きな街であっても小さな街であってもその街との相性はなにかの縁さえあれば自然にできていくもの。だから、今はLAとの縁づくりをどんな風につくるかあれこれ考えている。

ビッグシティ、LAでの美術館めぐりは漠然とではあるがNY同様、腹の底から楽しめそうだと思っている。‘その通りよ、早くお出かけになったら!’という声があちことから聞こえてくる。その一つが近現代アートを展示するロサンゼルス現代美かもしれない。

ここはNYでいうと、MoMAとかグッゲンハイム、ホイットニー美のような存在なのだろうが、関心をいだくようになったのは07年に村上隆の大きな回顧展がここで開催されたこととロスコ(1903~1970)の画集に‘NO.61’が載っていたのがきっかけ。

作品情報は片手くらいしかないが、ロスコのこの気持ちいい青が強い磁力を放っている。この傑作を知れば、ここのコンテンポラリーアートの質の高さについてはおおよそ察しがつく。リキテンスタイン(1923~1997)とローゼンクイスト(1933~)の作品は国立新美が開館したときにやってきたもの。

太い黒の線で縁どられたあばら肉の存在感はオランダの静物画のよう強く印象づけられた。シンプルですっきりしているものに美を感じるのは古典絵画でも現代アートでも変わらない。

リキテンスタインと同じポップアートのビッグネーム、ローゼンクィストの作品もみていて楽しい。手法はピカソがはじめたコラージュと同じだが、組み合わされる作品はどれも写実性が豊かでモチーフを逆さまに描くことで画面に動きを与えている。

展示室にほかの作家、例えばウォーホルとかウッセルマンなどはあればハイテンションになるのだが。期待に応えてくれそうな予感がする。

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2012.07.12

夢の美術館! ロサンゼルス郡立美(2)

4067_2     ホーマーの‘狩の後’(1892年)

4065_2     ピサロの‘フランス劇場の広場’(1898年)

4066_5       アンリ・ルソーの‘フランス共和国の女神’(1904年)

4064_2     ステラの‘ゲッティ家霊廟Ⅱ’

3年前ロサンゼルス郡立美(拙ブログ09/5/7)をとりあげたとき、みたい絵として選んだのはラ・トゥール、セザンヌ、マグリット。これらは画集によく載っている有名な絵だから、いつかこの目でという気持ちがだんだん膨らんでいる。

この美術館を強く意識させるのはなんといってもラ・トゥールの‘ゆれる炎のあるマグダラのマリア’。4点あるマグダラのマリアをなんとか全部みようと思っているが、ルーヴル、メトロポリタン、ワシントン・ナショナル・ギャラリーにあるものは運良く鑑賞できたので、最後のターゲットがここにあるもの。

LAにはラ・トゥールの絵がもう1点ある。ポール・ゲッティ美のコレクション‘楽士たちのいさかい’。ラ・トゥールは20世紀に入ってから人気がでてきた画家だが、その作品をNYのMETで体験したり、LAの美術館にあることを知るとアメリカ人コレクターの審美眼はつくづくたいしたものだなと思う。

ロサンゼルス群立美には印象派や近現代絵画の名品も沢山揃っている感じ。08年シカゴ美で遭遇したホーマー(1836~1910)の水彩画‘狩の後’に大変魅せられている。水面にうつる光の揺らぎと白いあごひげをはやした人物が猟犬を引き上げようとしている姿が心をとらえて離さない。

晩年、健康がすぐれなかったピサロ’1830~1903)は外に出かけられなくなったので、ホテルの一室から街の様子を描いた。俯瞰の構図が特徴の‘フランス劇場広場’はその一枚。

これまでアメリカの美術館が所蔵するアンリ・ルソー(1844~1910)をいくつか紹介したが、西海岸ではこことすぐ近くのパサデイナのノートン・サイモン美に気になる絵がある。‘フランス共和国の女神’はルソーお得意のジャングルの中にライオンを従えた女神を描くという意表をついた構成がおもしろい。

ステラ(1936~)の絵は‘ブラック・ペインティング’シリーズの一枚。ステラの抽象絵画は初期は黒地に細いストライプが繰り返される。じっとみていると画面が微妙に動くから不思議な感覚にとらわれる。

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2012.07.11

大リーグ オールスター戦!

4060     バーランダー(タイガース)

4061_2     ハミルトン(レンジャーズ)

4063     ストラスバーグ(ナショナルズ)

4062     ブラウン(ブリュワーズ)

今日は大リーグのオールスター戦をスタートから終りまでみていた。今年は日本人選手は一人の出場しなかった昨年とはちがい、レンジャーズのダルビッシュが最後の一人に選ばれたので、オールスターゲームに対する関心が特別高い。

オールスター戦は大リーグ中継の少ないナショナルリーグで活躍している選手を知る絶好の機会。どんな球を投げ、どんなバッティングをみせるのか興味はつきない。そんなことを思いながらみていた。

ゲームは先発したアメリカンリーグの大エース、バーランダー(デロトイト・タイガース)が予想外の制球の乱れで1回表いきなり5失点した。攻撃の口火をきったのがイケメン大リーガー、ブラウン(ミルウォーキー・ブリュワーズ)。小次郎の長い刀を思わせる長いバットでライトオーバーの2塁打を放ち、一塁ランナーをホームにかえした。

ブラウンは前半戦レギュラーを獲得し3割を打った青木のチームメイト。NHKのインタビューで‘アオキは真の忍者でいい選手’なんておもしろいことをいっていた。アメリカ人にとって、日本は今だにサムライ、忍者の国というイメージ、オイオイという感じだが、この国では2,30年前に製作された映画によってつくりあげられた日本のイメージはいつまでも変わらないのだろう。

初回5点をとったナリーグが4回にもカブレーラ(SF・ジャイアンツ)のホームランなどで3点追加、そしてそのまま9回までアリーグに得点を許さず、8-0で勝利した。これでナリーグは3連勝。ワールドシリーズの開幕試合はオールスターで勝ったリーグの球場ではじまることになっているから、今年もまたナリーグに有利なスタートとなる。

出場した投手のなかで関心を寄せていたのがすごい速い球を投げる23歳のストラスバーグ(ワシントン・ナショナルズ)。前半、ナショナルズはナリーグ東地区を首位で折り返したが、チームの好調を支えているピッチングスタッフの柱が若き速球王、ストラスバーグ。

1回だけの登板で今日は160キロのスピードがでなかったが、変化球のコントロールも決まっていた。やっとこの投手の投げる球をみれた。次はプレーオフでその勇姿をみてみたい。

テキサスレンジャーズの選手は主力バッターのハミルトン、ベルトレーなど8人、ダルビッシュは残念ながら投球する機会がなかったが、これは予想通り。後半戦15日に投げることになっているから、ダルビッシュの心はこっちにむかっているだろう。

大リーグの醍醐味は後半戦にあるが、今年からワイルドカードが2枚になったので例年以上に熾烈な戦いが繰り広げられるだろう。ゲーム差によっては地区優勝に届かないチームはワイルドカードの獲得に頭を切り替え、最後の最後までゲームを諦めずに戦う。

だから、勝率5割を確保しておればどのチームにもポストシーズン進出の可能性がある。青木やブラウンのいるブリュワーズだって今は負け越しているが、5割になったら気分ががらっと変わる。どのチームが調子を上げていくか、後半戦も目が離せない。

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2012.07.10

夢の美術館! ロサンゼルス ハマー美

4058_2     レンブラントの‘ユノー’(1665年頃)

4056_2       モローの‘ヘロデ王の前で踊るサロメ’(1876年)

4057_2       ゴッホの‘サン・ポール療養院の庭の木’(1889年)

4059_2        ゴーギャンの‘こんにちわ ゴーギャンさん’(1889年)

アメリカは東海岸の大都市ニューヨークやボストンなどへは数回訪れたものの、太平洋側の街はまだ縁がない。だから、ロサンゼルスの地図を見て知ってる地名サンタモニカとかロングビーチとかハリウッドのあるところをみつけも、その場所の実風景のイメージがわかない。

アメリカ第2の都市、LAを知らないと話にならないのでなんとか早くこの状況を変えたいのだが、、サンタモニカの海岸から10kmくらいのところにあるハマー美(1990年開館)はオープンしてからまだ22年しか経ってない。

この美術館はある時期まで、ポール・ゲテイ美と区別がつかず同じ美術館と勘違いしていた。ゲティとハマーはともに石油業で財を成した人物だから、石油王のコレクションとしてがいつのまにか一緒になっていた。

アーマンド・ハマーのコレクションに度肝を抜かされたのは10年前京博で開催された‘大レンブラント展’、ここにレンブラント(1606~1669)が晩年に制作した‘ユノー’が出品されていた。すばらしい絵で有名な‘目を潰されるサムソン’(フランクフルト シュテーデル美)同様、200%心を奪われた。

もう1点この美術館の所蔵品をみたことがある。それは10年テートモダンで開催されたゴーギャン(1848~1905)の回顧展で遭遇した‘こんにちは ゴーギャンさん’。一見、この絵はプラハの国立近代美でみたものだと思った。ところが、プレートをみるとハマー美となっている?日本に帰って二つの作品を見比べてみると、少しちがっていた。同じ年にゴーギャンは別ヴァージョンを制作していた。

ハマー美に入館したら、絵の前にダッシュしたいのが2点ある。モロー(1826~1898)とゴッホ(1853~1890)の絵。‘ヘロデ王の前で踊るサロメ’は代表作‘出現’と対で描かれた作品なので、鑑賞意欲がおおいに刺激される。

また、‘サン・ポール療養院の庭の木’はLAに出かけたときポール・ゲティ美にある‘アイリス’とともに最大の楽しみにしている絵。本物と対面したら、いい気持ちになるにちがいない。

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2012.07.09

ビッグニュース! 来年3月 西洋美で‘ラファエロ展’

4054_3       ‘大公の聖母’(1504~05年、フィレンツェ ピッティ宮)

4055_2       ‘聖チェチェリアの法悦’(1513~15年 ボローニャ 国立絵画館)

手元にある展覧会情報をみてみると、来年3月頃まで西洋絵画の名作が毎月とぎれることなくやってくる。なかでも上野がとても熱い。東京都美の‘エル・グレコ展’のあと西洋美でもすごい展覧会が開催される。なんと、ラファエロ(1483~1520)の回顧展(3/2~6/2)!

これまで日本でラファエロ展を体験したことはないし、海外の美術館で運良く回顧展に遭遇したこともない。この情報を得たとき本当に日本でラファエロ展ができるの?!半信半疑だった。でも、あと9ヶ月経つと日本ではじめてのラファエロ展が行われるのである。

作品の情報は西洋美のHPにはフィレンツェのピッテイ宮に飾ってある‘大公の聖母’しか載ってない。これが目玉の絵だとすると、勝手な想像だがピッティ宮にあるラファエロ作品を中心にした構成になるのかもしれない。この宮殿を訪問された方ならご存知のように、ここにはラファエロの傑作が沢山ある(11点)。

このなかで最も有名なのが聖母子の画家、ラファエロの代名詞ともいうべき‘小椅子の聖母’。そして、これと同じくらい多くの人に愛されているのが‘大公の聖母’。‘小椅子の聖母’は無理だとしても、‘大公の聖母’が日本にやってくることだって普通に考えるとありえないこと。それが実現するのだから、まったく夢みたいな話。

この回顧展にやってきて欲しい絵が1点ある。それはボローニャの国立絵画館が所蔵する‘聖チェチェリアの法悦’。この絵がラファエロ追っかけ画の最後の一枚なのである。可能性は少ないと思うが、ひょっとすると?ということもあるので帆だけは高く掲げておきたい。

今年注目している画家のうち、フェルメール(西洋美のベルリン美展)、バーン・ジョーンズ(三菱一号館美)が終わった。これから登場する期待の画家をあげてみると、
8月  レーピン (Bunkamura)
9月  アンソール(損保ジャパン美)、デルヴォー(府中市美)
10月 ルーベンス(国立新美のリヒテンシュタイン美展)
1月  グレコ(東京都美)
2月  ルノワール(三菱一号館のクラーク・コレクション展)
3月  ラファエロ(西洋美)、ベーコン(東近美) 

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2012.07.08

ビッグニュース!来年1月の‘エル・グレコ展’はすごいラインナップ

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7/4、東京都美で‘マウリッツハイス美展’を楽しんだあと心が次の美術館へ向かっていたとき、ふと来年1月ここで開催される‘エル・グレコ展’のチラシが目に入った。3月
‘ビッグニュース!’(拙ブログ3/22)でお知らせしたようにこの回顧展に関心を寄せているので、急いで作品内容をみた。

そこには驚愕の作品が載っていた。使われているキャッチコピーが踊っている。‘世界の傑作、奇蹟の集結’、‘国内史上最大の回顧展 開催決定!’ここに載っている作品11点をみて頭がクラクラしてきた。このラインナップはスゴイ、まさにコピーに偽りなし。

こんなグローバルクラスのグレコの回顧展が来年1/19~4/7まで東京都美で開かれるのである。本当にすばらしい。チラシによると作品は50点以上を世界中の美術館から集めてくるという。1986年に西洋美で回顧展が開かれたときの作品は49点。この数を上回るのだから、確かに国内史上最大である。

このグレコ展、期待はしていたが、西洋美で行われたときのように世界中の美術館から作品をもってくるとは予想してなかった。東京都美が没後400年をむかえるグレコ(1541~1614)にこれほど熱いオマージュを寄せていたとは。◎でエライ!

やってくる作品のなかに飛び上がるほど嬉しいのが3点ある。
★‘無原罪のお宿り’(トレド サン・ニコラス教区聖堂、サンタクルス美寄託 上の画像)
★‘聖マルティヌスと乞食’(台湾・台南 奇美術館 下の画像の左)
★‘白貂の毛皮をまとう貴婦人’(グラスゴー美 下の画像の真ん中)

グレコ最晩年の代表作である‘無原罪のお宿り’は追っかけ画の筆頭においている作品。トレドはこれまで2回訪問したが、ツアーではこの絵があるサンタクルス美へ寄る時間的な余裕はない。だから、次回マドリードへ行くことがあったら、この絵をみるためトレドへ再度出かけようと思っていた。有難いことに来年日本にやってきてくれるのでトレド旅行のオプションは無くなった。

‘白貂の毛皮をまとう貴婦人’もいつかみたかった絵。遠いクラスゴーから出張してくれるのだから涙がでるくらい嬉しくなる。‘聖マルティヌスと乞食’をみたとき、てっきり08年のアメリカ美術館めぐりで対面が叶わなかったワシントン・ナショナル・ギャラリーの所蔵品と思った。ところが、これは台湾の台南にある美術館がもっている別ヴァージョン。へえー、こんないい絵が台湾にあるの!

作品の全貌がわかったら、展示室ではサプライズの連続かもしれない。それを思うだけでも楽しくなる。あと半年、興奮して開幕を待ちたい。

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2012.07.07

スパイラル鑑賞 ‘バーナード・リーチ展’!

4048     ‘楽焼駆兎文皿’(千葉・我孫子 1919年)

4050     ‘ガレナ釉筒描山羊文皿’(セント・アイヴス 1952年)

4051     ‘鉛釉筒描人物文陶板’(島根・布志名 1934年)

4049     ‘緑釉櫛描水注’(大分・小鹿田 1954年)

最近ご無沙汰していた日本民藝館へでかけ‘作陶100年記念 バーナード・リーチ展’(6/19~8/26)をみてきた。そして、事前に電話で確認していた図録をゲット、ここの所蔵するリーチ作品の図録を待ち望んでいたのですこぶる機嫌がいい。

My展覧会めぐりのスタイルは読書と同じくスパイラル鑑賞方式(拙ブログ09/1/4)をとっている。ライフワークとする美術作品のまとまりをいくつか設定し、これらを毎年ステップアップしていく感じである時期集中して鑑賞する。このなかに民藝のやきものが入っている。

ここ2年、浜田庄司、河井寛次郎の回顧展を体験し、今年は作陶100年になるバーナード・リーチ(1887~1979)。リーチの回顧展はどこのコレクションが中心になるのかわからないが、8月には日本橋高島屋でも行われる(8/29~9/10)。

じつは5年前汐留のパナソニックミュージアムでも日本民藝館蔵のリーチ作品で構成された展覧会があった(07/9/25)。今回は本家で実施されるものだから数は勿論多く170点あまり、リーチの優品全部みせますとばかりにどーんと展示してある。

お気に入りのリーチのやきものは動物画。なかでも兎と山羊がすばらしい。リーチの描く動物の絵はのびやかで生き生きしている。普通模様になると、その形や文様はとまってしまうが、リーチの作品は模様になっても息をしている感じ。兎はとびはねているし、山羊は力強い姿で堂々としている。

そしてリーチの確かなデッサン力は人物描写でも冴えをみせる。松江の布志名の窯でやいた陶板に描かれた作業をする農民の姿が心を打つ。松江に滞在したときリーチは小泉八雲の家を訪ねている。青年時代ハーンの本を読んで日本への憧れをいだいたという。

‘緑釉櫛描水注’は松江訪問から20年後、大分県の日田市小鹿田(おんだ)に出かけたときの作品。薄緑がちょっとエレガントな印象を与える水注、こんな洒落た水注を普段の生活のなかで使ってみたくなる。

東と西を融合した陶芸家リーチ、そのやさしい心情があらわれた作品の数々をみてリーチ芸術のすばらしさをあらためて噛み締めている。

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2012.07.06

流麗な線に魅せられる‘吉川霊華展’!

4045_2     ‘離騒’(1926年)

4046_2     ‘羅浮僊女’(1928年)

4044_2     ‘清香妙音’(1927年)

4047_2             ‘香具耶姫昇天 竹取物語’(1920年)

東近美では今、‘吉川霊華展’(6/12~7/29)が開かれている。この回顧展の情報を得たときから注目していた。といっても、吉川霊華(1875~1929)の絵に詳しいわけではない。せいぜい両手くらいしかみていない。

これまでこの画家の絵をみた美術館は東博、東近美、埼玉県近美、目白の野間記念館、明治神宮記念館、そして静嘉堂文庫。画家の作風に目が慣れたのは野間記念館。ここにはグループをつくって一緒に活動をしていた吉川霊華と鏑木清方(1878~1972)の作品を所蔵しており、よく展示される。

今回の回顧展には100点くらいでている。その大半が白描といわれる墨のみを用いて描かれた絵。墨で描かれた絵というと水墨画があるが、水墨画の魅力が墨の濃淡、ぼかしにあるのに対し、白描は描線を主体にして描かれる。有名な‘鳥獣人物戯画図’は白描画の代表作であり、マンガのルーツ。

初見の作品ばかりだが、最も惹かれたのは‘離騒’。出品作の多くが個人の所蔵であり、これも個人のもの。じっとみてしまうのが、雲を表わすもこもことした線や小さな山形をリズミカルに連続させるシャープな波の線、そして女性の着ている着物の襞や風になびく裾の流麗な曲線。繊細かつのびのびとした筆線と人物と龍にすこしだけみえる淡墨だけでこれほどひきつけられる、日本画の真髄をみる思いである。

梅の精、‘羅浮僊女’(埼玉県近美)をみるのは2度目。羅浮を取り囲む梅の木のV字と遠くにみえる山の横のラインを組み合わせた画面構成がとてもいい。羅浮の黒髪は濃墨で描かれているが、これよりもっと黒髪が目に飛び込んでくるのが‘清香妙音’。濃い墨で1本々緻密に表現された長い黒髪がつくる流水のような美しいフォルムを夢中になってみた。

彩色画ではかぐや姫の昇天の場面を描いた作品に魅了された。また‘太平楽之図’や静嘉堂文庫にある‘稚児童文殊’にも思わず足がとまった。白描画をみる機会は少ないのでこういう展覧会はとても新鮮。後期にもう一度出かけるかもしれない。

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2012.07.05

期待を大きく上回る‘バーン=ジョーンズ展’!

4043_2   ‘連作・ペルセウス 果たされた運命’(1882年頃 サウサンプトン市立美)

4040_2     ‘連作・いばら姫 眠り姫’(1872~74年  ダブリン ヒューレイン美)

4042_2     ‘「怠惰」の戸口の前の巡礼’(1884年 ダラス美)

4041_2   タペストリー‘東方の三博士の礼拝’(1894年 マンチェスター・メトロポリタン大)

三菱一号館美で開催されている‘バーン=ジョーンズ展’(6/23~8/19)をおおいに楽しんだ。‘いつか行きたい美術館’シリーズでバーミンガム美(拙ブログ11/11/17)とサウサンプトン市立美(11/11/19)をとりあげたとき、バーン=ジョーンズの作品を
5点入れていた。その絵が果たしてこの回顧展にやってくるか?

わくわくしながら展示室をまわった。そして、だんだん興奮してきた。なんと‘魔法使い’(バーミンガム美)と‘果たされた運命’、‘聖杯堂の前で見る騎士ランスロットの夢’(ともにサウサンプトン市立美)の3点が飾ってあるではないか!

サプライズはまだ続く。バーミンガム美からは連作‘ピグマリオンと彫像’(4点)や‘巡礼を導く「愛」’が描かれたすばらしい布地がやってくるし、代表作のひとつ‘眠り姫’、そして色鮮やかで見事な出来栄えのタペストリー‘東方の三博士の礼拝’まである。なんとも豪華なラインナップ。本当にスゴイ回顧展。日本でバーン=ジョーンズ(1833~1898)の傑作がこれほど多くみられるなんて思ってもいなかった。グローバルクラスの回顧展に遭遇したことを心から喜んでいる。

‘果たされた運命’はペルセウスの鋭い目がとても印象的。これに対してドラゴンはすでに戦意喪失気味、開いた口は弱々しくイルカの体を連想させるそのながい長い胴体は草月流の生花みたいに装飾的なフォルムをつくっている。

大作‘眠り姫’をみているとボッティチェリの‘春’に描かれた花々がダブってくる。‘春‘に登場する女性たちが立ち姿ですがすがしい表情をみせているのとはちがい‘眠り姫’の横たわって眠る姫君と待女たちはロマンと神秘的な雰囲気につつまれているが、画面全体に装飾的な描写がみられる点で二つの絵はよく似ている。

今回びっくりしたのがアメリカのダラス美から出品された‘「怠惰」の戸口の前の巡礼’。‘夢の美術館’に選んだダラス美がバーン=ジョーンズのこんないい絵を所蔵していたとは!若い女性と青年を画面いっぱいに横から描くところは‘ランスロットの夢’の構成と同じ。これは記憶にずっと残りそうな絵。

最後の部屋に飾ってあったタペストリーを気持ちよくながめていた。日本でこんな目の覚めるような赤や青や黄金で彩られたタペストリーを体験できるなんて夢のよう。
満足度200%のバーン=ジョーンズ展だった。

尚、この展覧会は次の美術館にも巡回する。
・兵庫県立美:9/1~10/14
・郡山市美:10/23~12/9

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2012.07.04

フェルメールの‘真珠の耳飾りの少女’ もう大変な人気!

4036_2        フェルメールの‘真珠の耳飾りの少女’(1665年頃)

4037_2     レンブラントの‘自画像’(1669年)

4038_2     ホッベマの‘農家のある森’(1665年頃)

4039_2         ファブリティウスの‘ごしきひわ’(1654年)

東京都美ではじまった‘マウリッツハイス美展’(6/30~9/17)を本日みてきた。1時頃美術館に着くと‘現在20分待ちです’の案内、平日でもこの人気。まあ仕方ないなと思って列に並んでいたが、実際は地下1階の展示室にある作品を見はじめたのは40分後。土日になると待ち行列はどこまでのびるのだろうか。

多くの人の関心はただ1点、フェルメール(1632~1675)の傑作‘真珠の耳飾りの少女’だけにむかっている感じ。この絵が飾ってある1階の展示室へはエスカレーターで上がる。これは楽になった。ここでまた列ができる。最前列でみたい人はもう一度牛歩をがまんしなければならない。少し離れてみるのOKという人はさっさと進めるのだが、10人いると9人は最前列コースを選択している。

絵の前にやっときたが、北京故宮博物院展の‘清明上河図’のようにあまり立ち止まれない。昨年11月現地でこの少女をみたときは瞳と唇と真珠に映った反射光をじっくりみたので(拙ブログ11/12/11)、今回はターバンの青と襟の白に神経を集中させてみた。オランダの街を歩いたらふと出会いそうな少女、絵が描かれてから350年ちかくもたっているのに同じ時間を共有しているような感じを抱かせてくれる。この生感覚がこの絵の最大の魅力。

レンブラント(1606~1669)も大盤振る舞い。全部で7点もあるのだから言うことなし。すばらしい!お気に入りは‘スザンナ’と最晩年の‘自画像’(11/12/12)。とくに再会した‘自画像’を時間をかけてみた。自画像では内面を深くとらえたこの絵とケンウッド・ハウスにあるものに一番惹かれる。

人物画はほかにもいいのがきている。ハルスの‘笑う少年’、ホントホルストの‘ヴァイオリン奏者’(11/12/13)。また、ルーベンスの‘ミハエル・オフォヴィオスの肖像’にも足がとまる。

風景画で好きなのはホッベマ1638~1709)の‘農家のある森’。この画家の作品はロンドンのナショナルギャラりーとかボストン美とかNYのメトロポリタンなど大きな美術館には結構飾ってあるのでいつも夢中になってみている。

だまし絵を集めた本によく載っているのがファブリティウス(1622~1654)の描いた鳥の絵。余分なものを一切省いたシンプルな構成が心に響く。絵の前にそっと近づき手でもたたくとこのごしきひわはすっと飛んでいきそう。

この展覧会をみたあと、西洋美にまわってフェルメールの‘真珠の首飾りの少女’をまたみるつもりだったが、そのエネルギーは残っていなかった。それにしてもフェルメールの耳飾りのほうの少女の人気はすさまじい。今年の上野の夏はフェルメールの少女に対する熱い人気も加わって最高の暑さになりそう。

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2012.07.03

夢の美術館! ロサンゼルス ポール・ゲティ美(2)

4032_2     ゴッホの‘アイリス’(1889年)

4033_2     ゴーギャンの‘王の死’(1892年)

4035_2     アンソールの‘キリストのブリュッセル入城’(部分 1888年)

4034_2     プッサンの‘穏やかな風景’(17世紀)

まだ行ったことのないロサンゼルス、ここには関心を寄せている美術館が4つある。ポール・ゲティ美、ロサンゼルス群立美、ロサンゼルス近美、アーマンド・ハマー美。

ポール・ゲティ美は全米の美術館のなかでは人気の高い美術館のようなので収穫はどっさりありそう。2年前にとりあげたときはレンブラント、ラ・トゥール、モネ、ルノワールが注目の絵だった(拙ブログ10/9/23)。このなかでモネの‘花の絵’は幸運にも
10年グランパレであった回顧展でお目にかかれた。突然お宝が目の前にでてきた感じ。夢中でみた。

静物画でもう1点みたくてしょうがないのがある。それはゴッホ(1853~1890)の
‘アイリス’。いくつかある花の絵ではこれが最高傑作ではないかと思っている。絵の前に立ったらテンションが相当あがりそう。昨年、クレラー=ミュラーにある‘アルルのはね橋’をみたから、今これがゴッホの追っかけ画の一番上。

ゴーギャン(1848~1903)の‘王の死’は10年テートモダンで開催された‘ゴーギャン展’で絵の存在を知った。ギョッとさせるこの絵は残念ながらロンドンではみれなかった。よくあることだが、展示はこのあと巡回したワシントンのナショナルギャラリーのみ。惜しい気がしてならない。

秋に新宿の損保ジャパン美で行われるアンソール(1860~1949)の回顧展(9/8~11/11)を楽しみにしている。アントワープ王立美のアンソールコレクションは大変有名だから、この画家に最接近するには願ってもない機会。すると、次の流れとして計画したくなるのが代表作‘キリストのブリュッセル入城’との遭遇。この絵は縦2.6m、横4.3mの大きな絵だという。是非みてみたい。

この美術館の古典絵画コレクションはスゴイなと思ったのは08年METであったプッサン(1594~1665)の回顧展。なかなかいい‘穏やかな風景’がでていたのである!
図録をみると展覧会には出品されなかったがもう1点所蔵している。現地ではサプライズの作品が待ち受けてくれてるような気がする。

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2012.07.02

夢の美術館! ポートランド美

4030_3     ホーマーの‘山をスケッチする画家たち’(1868年)

4031_3     ホーマーの‘帆で日よけする子ども’(1873年)

4029_3     ホッパーの‘ペマクイッドの灯台’(1929年)

4028_2     ルノワールの‘アルジャントゥイユのセーヌ川’(1874年)

ボストンから北へ160kmくらい行ったとことろがポートランド。ここは隣国のカナダと接しているメーン州の街。ボストンを拠点にして美術館をまわるときはここにあるポートランド美までは足をのばせそう。

海洋画の名手として人気の高いホーマー(1836~1910)は北海に面したイギリスのタインマウス(ニューカッスルの近く)にしばらく滞在し漁師の厳しい生活に接したことがきっかけになり、海を題材にした作品を描くようになる。帰国後住みついたのがポートランド。ホーマーは生涯独身だった。今もポートランド郊外の海辺にアトリエが残されているという。

ポートランド美にあるホーマーの絵2点は08年シカゴ美であった回顧展のときお目にかかった。どちらも思わず足がとまる本当にいい絵。絵の才能で色使いと構図は天性のものとよくいわれるが、‘山をスケッチする画家たち’における画家の配置の仕方をみるとホーマーが真に比類のない才能をもった画家であることがわかる。3人の画家に関心が集まり、視線は自然に手前の画家から順に移っていく。

ホーマーの魅力のひとつが子どもの絵。ウィリアムズカレッジ美にも心が安まる子どもの絵があったが、この絵ではたった一人で描かれている。この男の子は自分の乗った帆船が軽快に海上を進んでいく光景のことでもを思いえがいているのだろうか。

ホッパー(1882~1967)の制作した灯台の絵にはいろいろヴァージョンがある。灯台だけのインパクトで較べればこの絵が一番かもしれない。でも、明るい日差しをあびた灯台の白の輝きは残念ながらシカゴ美ではみれなかった。ミューズが‘ポートランドへ行きなさい!’と囁いているが聞こえる。

ルノワール(1841~1919)の制作した風景画のなかで、この‘アルジャントゥイユのセーヌ川’はとても賑やかな絵。数隻いるヨットに張られた白い帆が画面に動きをあたえ、人々の楽しい気分を生き生きと伝えている。

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2012.07.01

12年後半 展覧会プレビュー!

4027_3

今年後半に行われるお楽しみ展覧会をいつものようにまとめてみました。

★西洋美術
6/30~9/17    マウリッツハイス美展       東京都美
7/7~9/17     大英博古代エジプト展       森アーツセンター
7/14~10/14   奈良美智展             横浜美
7/14~10/14   ドビッシー、音楽と美術      ブリジストン美
8/4~10/8     レーピン展              Bunkamura
9/8~11/11    アンソール展            損保ジャパン美
9/8~1/6      シャルダン展            三菱一号館美

9/12~11/11   デルヴォー展            府中市美
10/3~12/23   リヒテンシュタイン美展       国立新美
10/6~1/4     メトロポリタン美展         東京都美
10/20~12/9   巨匠たちの英国水彩画展     Bunkamura
11/17~3/31   会田誠展              森美
11/23~1/14   松本竣介展             世田谷美

★日本美術
7/12~9/17    契丹展               東芸大美
7/21~9/2     上村松園・鏑木清方展      平塚市美
8/29~9/10    バーナード・リーチ展       日本橋高島屋
9/4~11/24    琉球の紅型            日本民藝館
10/2~11/25   月岡芳年展            太田記念美
10/10~11/25  出雲 聖地の至宝        東博
10/10~12/24  中国 王朝の至宝        東博

10/13~12/16  中国絵画展            泉屋博古館分館
10/20~11/18  時代の美 奈良・平安      五島美
10/27~12/16  琳派芸術Ⅱ            出光美
11/1~12/16   ZESHIN              根津美
11/3~1/14    はじまりは国芳          横浜美

(注目の展覧会)
今年前半、目を楽しませてくれたのが日本美術および中国美術。北京故宮博物院の至宝‘清明上河図’が公開され、ボストン美からは曽我蕭白の傑作‘雲龍図’や絵巻や仏画の最高傑作が里帰りした。この感動の余韻は1年くらいもちそう。

後半の主役は今度は西洋美術。ワクワクするような展覧会が目白押し。6/30からは多くのファンが待ち望んでいたフェルメールの‘真珠の耳飾りの少女’が登場する‘マウリッツハイス美展’がはじまった。混雑まちがいなしだから、早めに出かけようと思っている。

はじめてみる作品で最も大きな期待を寄せているのは秋に国立新美で開催される‘リヒテンシュタイン美展’、ルーベンスの傑作が日本でみられるのは滅多にないこと。じっくり楽しみたい。

ほかで楽しみなのは損保ジャパンの‘アンソール展’、府中市美の‘デルヴォー展’、
Bunkamuraの‘レーピン展’。日本人作家では横浜美でもうすぐはじまる‘奈良美智展’にテンションがだいぶあがってきた。

日本美術はプラスα期待の‘上村松園・鏑木清方展’(平塚市美)とアゲイン‘はじまりは国芳’(横浜美)に注目している。

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