夢の美術館! リッチモンド ヴァージニア美
アンリ・ルソーの‘ゴリラとインディアンの闘い’(1910年)
ホッパーの‘日暮れ時の家’(1935年)
首都ワシントンから南へおよそ140km下ったところにあるのがヴァージニア州のリッチモンド。ずいぶん前、50の州があるアメリカは風土も文化も違う11(?)の独立した国が集まってできているような国家だといったことを論じた結構分厚い本を読んだことがある。で、ある時期までは50州の位置関係が頭のなかに入っていた。
ところが、今はそれがすっかり消えてしまっており、情報に対する指向性の点からいうとヨーロッパに比べるとアメリカはかなり弱い。例えば、ヴォージニア州は覚えていてもその下のノース・カロライナ州がさっとでてこない。アメリカの美術館めぐりの準備をスタートさせたので、これから必要な情報を手に入れるスピードをあげていきたい。
リッチモンドにあるヴァージニア美の名前がはじめにインプットされたのはルソー(1844~1910)の絵。ルソーで人気の高いのがジャングル画シリーズ。画集を開くとこのシリーズを所蔵しているアメリカの美術館が続々でてくる。ヴァージニア美は鑑賞欲を刺激される‘ゴリラとインディアンの闘い’をコレクションしている。インディアンが登場するのだから、絵は落ち着くところに落ち着いたという感じ。
モネ(1840~1926)の晩年の作‘アイリス’はなかなか縁がない。縦長の画面の前ではいい気持ちになりそう。モネの作品はボストン美にあるものが日本に何度もやってきて印象派ファンを楽しませてくれるが、ほかの美術館にもいい絵が数えきれないほどある。それもシカゴ美やMETやワシントンナショナルギャラリー、フィラデルフィア美のようなビッグな美術館だけでなく、地方の中堅クラスあるいは小さな美術館にもあるのだから驚かされる。
シカゴ美であったホッパー(1882~1956)の回顧展(08年)で思わず足がとまったのが‘日暮れ時の家’。右端に灯のついた電灯をみせ窓から明かりがこぼれる家を下と横をカットして描く構成にとてもひきつけられる。
ポロック(1912~1956)がドリッピングとポーリングを駆使して精緻に描いた作品に200%魅せられているが、1948年に制作された‘ナンバー15’は絶妙に配置された赤、青、黄色がじつに美しい。この絵は感動しそう。
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コメント
リッチモンドのバージニア美には、アンリ・ルソーのいい絵がありますね! アフリカのゴリラとアメリカのインディアンというありえない邂逅。非現実的なモチーフが面白いです。
モネは、アメリカ中にあると改めて感服。
ここのホッパーは、日暮れの空の色合いがすごくいいですね。
投稿: ケンスケ | 2012.06.11 22:28
to ケンスケさん
クリーブランド美にはルソーの虎に襲われる
水牛があり、ヴァージニア美にはゴリラと
インディアンの闘い、アメリカには気を惹く
ルソーの絵がごろごろありますね。
ホッパーの夜の絵はアメリカ社会の光と影を
垣間見るようでぐっときます。
投稿: いづつや | 2012.06.12 00:15