夢の美術館! ボストン フォッグ美(1)
バーン=ジョーンズの‘天地創造の日々:第1日’(1870~76)
モローの‘ヤコブと天使’(1878年)
ボストンヘはじめて行ったのは1993年。そのときハーヴァード大の構内にあるフォッグ美も訪れた。そして、4年前も観光でハーヴァードにも寄ったから‘夢の美術館’というわけではないが、もう20年近く前のことで記憶がすっかりうすれているからはじめていく美術館みたいなもの。
美術館のレイアウトがどうなっていたか、かすかにしか思い出せない。だから、画集で大変惹かれているルノワール(1841~1919)の‘春の花束’をみたかどうかはっきりしない。はじめて体験する美術館というのは気持ちがふわふわして目が据わってないから、すべての作品に注意がいかない。
また、ルノワールのいい絵は女性画という思いがあるため、この花の絵はさらっとみて終わりだったのかもしれない。ところが、今は人物画だけでなくルノワールが得意としていた花の絵にもおおいの関心がある。とりわけこの‘春の花束’は見たい度が強い。入館したらこの絵にダッシュするつもり。
ここのバーン=ジョーンズ(1833~1898)やモロー(1826~1898)のコレクションが2002年西洋美で沢山公開された。海外の美術館展としては最高クラスのものだったので、足を運ばれた方も多いのではなかろうか。このときバーン=ジョーンズの‘天地創造の日々’(6点1組の水彩画)は‘第5日’と‘第6日’が展示された。‘第4日’は盗まれて行方不明らしいが、残り3つを現地でみてみたい。
モローの‘ヤコブと天使’は日本にやってきた作品。大きな絵でこれと出品作のなかでは小品の‘キマイラ’が今でも記憶に強く残っている。画集にはまだ4,5点いいのが載っている。常時展示してあるのかわからないが、思いが叶うと嬉しいが。
プッサン(1594~1665)のギリシャ神話を題材にした絵は08年メトロポリタンへ行ったとき幸運にも遭遇した回顧展でお目にかかった。プッサンとなると流石のアメリカの美術館でも印象派のようにあそこもここも所蔵しているというわけにはいかない。MET、シカゴ、フォッグなど数館にしかないから、この‘エコーの死とナルキッソス’は貴重な作品の一枚。
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コメント
いづつやさん、こんばんは。
毎日、素晴らしい絵に圧倒されっぱなしです。
ルノワールの青や紫が印象に残る花卉画。モローとバーン=ジョーンズの作品は、初めて見ましたが有名な作品なのですね。人物の表情が、何を思っているんだろうと考えさせます。。。
プッサンも雰囲気がいい絵です。これだけのプッサン作品が、よく獲得できたものですね。
今回の作品の質は、METやワシントンのナショナルギャラリーにも負けていないと思います。
投稿: ケンスケ | 2012.06.29 22:43
to ケンスケさん
ルノワールの花の絵はこれが一番いいのでは
ないかと思います。これはウィンスロップが
遺贈したものですから、2002年までは
門外不出で1990年の展覧会にはやってき
ませんでした。
フォッグのラファエロ前派、ブレイク、モロー
のコレクションは一級品ですね。そして印象派の
作品がこれまたスゴイです。
次回は見逃した作品を中心にじっくりみようと
思います。
投稿: いづつや | 2012.06.30 00:31