フェルメールの‘真珠の首飾りの少女’とついに対面!
リーメンシュナイダーの‘龍を退治する馬上の聖ゲオルギウス’(1490~95年)
フェルメールの‘真珠の首飾りの少女’と対面してきた。この絵をみることが長年の夢だったので、なんだか大仕事をしたような気分。体は嬉しさでふわふわしている。
今日から西洋美ではじまった‘ベルリン国立美術館展’(6/13~9/17)、10時に入館しお目当てのフェルメール(1632~1665)のところへ急いだ。絵の前はまだ人だかりとういう状態ではないので、じっくりと画面の隅から隅までみた。
下の暗い部分に目をやると光輝く点がみえる。これは椅子の鋲。金属の質感がじつによくでている。そして次に視線がむかうのは少女の後ろの壁。なにもない白い壁が窓から入ってくるやわらかい光により美しく光っている。少女が立っているところから窓までにつくられたこの空間の広さがじつにいい。
卵型の顔をした少女の横顔に200%参っている。この少女はよほど嬉しいことがあっにちがいない。素直な気持ちがそのままでている感じ。女性画を数多くみてきたが、これほど内面の素の感情がとらえられているものはみたことがない。
今回少女が着ている黄色のアーミンにすごく関心があった。もっと黄色が輝いているかと思っていたが、顔や手と同様にソフトフォーカスがかかったように光がにじみぼやけた感じになっていた。だから、その雰囲気につつまれると親しみやすい天使と今向き合っているのではないかとつい錯覚する。フィギュアスケートの浅田真央ちゃんを思わせるこの少女は6/30から東京都美に登場する‘真珠の耳飾りの少女’と共演する。これはたまらない!
ほかの作品はさらさらとみた。この展覧会はズバリ、‘真珠の首飾りの少女’の1点豪華主義。‘フェルメールの人気の絵を3ヶ月も出品するのだから、ほかの作品はこれくらいで我慢して頂戴!’というのが本音かもしれない。普通の西洋画好きの人はどう思うか知らないが、フェルメールファンはニコッと笑って‘はい、わかりました。もちろんOK!気にしないで’となる。
収穫がないわけではない。リーメンシュナイダー(1460~1531)の木彫がすばらしかったし、デューラー(1471~1528)のとてもリアルな肖像画にも目を奪われる。また、ベラスケス(1599~1660)の卓越した対象の質感描写がみられる‘3人の音楽家’に会えたのもよかった。
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コメント
早速の展覧会報告ありがとうございます。
明日の朝、観に行こうと思っています!
私もフェルメールの全点観賞を目標にしているのですが、
『真珠の首飾りの少女』は初めてなので、期待大です。
ベラスケスの初期の『三人の楽師たち』も楽しみにしています。
デューラーの肖像画も画集に出てくる有名作品ですね。
投稿: ケンスケ | 2012.06.14 21:39
to ケンスケさん
憧れの少女ですから、早速会ってきました。
これでフェルメールは残り3点になったの
ですが、これらは好きな絵のグループに入
っていません
ですから‘耳飾り’の鑑賞をもってフェル
メールは実質済みとなりました。
フェルメールを含めどうかお楽しみください。
投稿: いづつや | 2012.06.15 00:26
今朝、ベルリン国立美術展を観てきました。
実物の『真珠の首飾りの少女』は、写真よりはるかに良かったです! 黄色の色合いも写真とはだいぶ違いますね。地味ですが深みがあります。中国製の陶器の壺やテーブルの上の銀のボールも輝いていました。
鏡を見ている少女もかわいいですね。
これで私は6点を残し、他のフェルメール作品は全部実見しましたが、『真珠の首飾りの少女』は傑作の内に入ります。
かつてレンブラントの真作とされて、今日ではレンブラント派に帰属されている『黄金の兜の男』も素晴らしかったです!
投稿: ケンスケ | 2012.06.15 22:29
to ケンスケさん
フェルメールの描く女性のなかでこの首飾り、
そして耳飾の少女がとびぬけて魅力がありま
すね。いまは思いの丈が叶った余韻に浸って
ます。
未見は6点ですか。かなりみられてますね。
全点制覇に邁進してください。
投稿: いづつや | 2012.06.16 00:37