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2012.06.16

渓斎英泉の美人画はお好き?

3970_2     ‘木曾街道 日本橋雪之曙’(1835年)

3969_2     ‘木曾道中 岩村田’(1835~36年)

3967_2             ‘日光山名所之内 素麺之滝’(1843~46年)

3968_2     ‘東都両国橋夕涼図’(1830~44年)

千葉市美では現在‘渓斎英泉展’(5/29~7/8)が開かれている。この美術館が主催する回顧展はでてくる作品が多いのが特徴。その数350。

渓斎英泉(1791~1848)という浮世絵師は二つの顔をもっている。いかにも女郎という顔つきをした女性を描くことに生涯をささげた画家というイメージ、そしてもう一つの顔は北斎、広重、あるいは国芳とは一味ちがった視点で自然や風景を描写した腕のいい風景画家。

じつは英泉の描く美人画には昔から心が動かない。だから、千葉までわざわざ出向いたのは風景画のヴァリエーションを増やすため。その風景画、広重と合作の形になった‘木曾街道六捨九次’のなかにいい絵がある。最も好きなのが最初にでてくる‘日本橋’

この絵は構図がじつにいい。ここには斜めの線が三つある。右の大きく描かれた日本橋、左真ん中から遠近法で描かれているためその大きさがだんだん小さくなる魚河岸、そして昇る朝日の横で飛翔する鳥の一群。これにより活気にあふれる日本橋の様子を動きのある画面に仕上げている。

ついニヤニヤしてしまうのが‘岩村田’の座頭たちの喧嘩の場面。江戸の街道ではこんなことはしょっちゅうみられたにちがいない。今回‘木曾街道’は10点。折角の回顧展なのだから24点全部揃えて欲しかった。このシリーズを含め風景画が44点というのは消化不良の感はいなめない。

日光の滝を描いた作品もお気に入り。‘裏見之滝’(拙ブログ06/7/26)同様、滝のフォルムに視線が釘付けになるのが‘素麺之滝’。竹の笹を青くして先を三角形にしたようなものが下から上へと連続して重ねられていく様は強烈な印象をみる者にあたえる。

賑やかな隅田川の花火を描いた絵は一度みたことがある。中央の上で花火が打ちあがっている。花火の描き方は絵師によってちがうが、英泉はとびちる火の粉を放射状にのびる長い赤の線で表現している。今年の隅田川の花火大会は完成した東京スカイツリーの人気で例年以上に混雑するかもしれない。

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