夢の美術館! フィリップス・コレクション
モディリアーニの‘エレーナ・パヴロウスキーの肖像’(1917年)
ここ10年の間にフィリップス・コレクションは2度日本にやってきた。05年のときはルノワールの傑作‘舟遊びの昼食’(拙ブログ05/6/17)や画集によく載っているゴッホやマティスの絵などがどどっと公開され、昨年は国立新美で行われた‘モダンアート、アメリカ展’にホッパーやオキーフらアメリカ人作家の作品が数多く展示された(11/10/12)。
これくらい気前よく作品を公開してくれると美術館に対する好感度はいやがおうにも高まるし、じっと待っておればまた別のいい絵がやってくるのではないかと期待してしまう。だが、待ちきれない絵がいくつかある。それはオキーフ(1887~1986)とロスコ(1903~1970)。
‘モダンアート、アメリカ展’にオキーフは3点くらいでたが、極上の‘レッドヒル’はダメだった。ホッパーの‘日曜日’を出品しますから、‘レッドヒル’は勘弁して!という感じだろうか。この絵の存在は1993年に発売された‘ラ・ミューズ 世界の美術館 フリップス・コレクション’で知った。その強烈な赤に魅せられて20年近くになるが、夢を叶えたいという思いだけは持ち続けている。
館内に入ったらダッシュしたいところがもう一つある。ロスコルーム。ここに‘タンジュリン色の上に緑と赤’など3点が展示してある。まだロスコの作品は3割くらいしかみれてない。1点でも多くみたいと願っているが、ロスコ家や個人が所蔵している作品が多くあることや展示している美術館が世界中に散らばっているため、鑑賞の機会は限られている。だから、フィリップス・コレクションのように旅行しやすいところにある作品はなんとしても目におさめたい。
‘ラミューズ’で紹介されている30点は2回の展示で16点みることができた。残りのなかで気になるのがモディリアーニ(1884~1920)の絵。今、アメリカにあるモディの追っかけ画は5点。ワシントンではナショナルギャラリーにある‘ジプシー女と赤ん坊’とここのユダヤ人書籍商の娘を描いた‘エレーナ・パヴロウスキーの肖像’。
クレー(1879~1940)の‘アラブの歌’はとてもおもしろい絵。1914年に旅行したチュニジアでの収穫がこうした作品で表現されている。
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コメント
はじめまして。
パウル・クレー『アラブの歌』、いい絵ですね!
どうも、ブラウエライダーは勉強不足の為、ちゃんと理解は出来ていないのですけど。抽象的で、かっこいい神話のような感覚、最近惹かれます。
投稿: 慧 | 2012.06.12 23:24