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2012.05.10

予想を大きく上回った‘大エルミタージュ美展’!

3832_3     ルーベンスの‘虹のある風景’(1632~35年)

3833_3         ヴァン・ダイクの‘自画像’(1622~23年)

3835_3     ホントホルストの‘幼少期のキリスト’(1620年)

3834_3          レンブラントの‘老婦人の肖像’(1654年)

現在、六本木の国立新美で開かれている‘大エルミタージュ美展’、期待は一度みたことのあるマティスの‘赤い部屋’とルーベンスの‘虹のある風景’の2点買いだった。ところが、展示してあった作品は名作揃い。これまでエルミタージュの展覧会は4回くらい体験したが、ひょっとすると今回のラインナップが一番いいかも。心をとらえた作品を2回にわたって紹介したい。

作品の数は16世紀に活躍したティツィアーノからピカソ、マティスまで89点、馴染みのない画家も沢山含まれているが、知っている画家の作品の前では思わず足がとまるものが多い。図録をみてわかったのだが、この展覧会の監修は千足伸行氏だった。NHKの美術番組に熱心な方なら覚えておられると思うが、この先生は作家の五木寛之と一緒に‘エルミタージュ美’を徹底解説してくれた(拙ブログ09/6/2)。この美術館のことを誰よりも熟知している人が作品を選ぶのだから、いい絵がやってくるはずである。

チラシでみて気になっていたのがルーベンス(1577~1640)の‘虹のある風景’。1999年現地を訪問したときこの絵をみたという実感がないので、遠くのうす青い空に美しくかかる虹を息を呑んでみた。画面全体が明るく農民の表情が生き生きとしているウォーレス・コレクション蔵の同名の作品と比べると、虹の描写は理想郷的な雰囲気を醸し出している。

ヴァン・ダイク(1599~1641)の自画像はお気に入りの一枚。これほどの美男子だから目に焼きついている。ウィーン美術史美術館にも同じようなポーズで描かれたものがあるが、ヴァン・ダイクは実際こんなにカッコよかったのだろうか?イギリスの宮廷画家になり王妃や娘たちを脚色して美しく描いたのが実情だから、自分の顔も多少手を入れたのかもしれない。

今回の大きな収穫はホントホルスト(1590~1656)との再会。この絵はチラシに載っておらず、いきなり目の前に現れたのでびっくりした。現地でみたときはまだカラヴァッジョに最接近してなかったため、このユトレヒトのカラヴァッジェスキのスゴさも半分くらいしかわかってなかった。が、今はカラヴァッジョだけでなくホントホルストの作品も数が増えたから、蝋燭を光源にしたその明暗描写がより心に沁みるようになった。

レンブラント(1606~1669)の‘老婦人の肖像’の前にも長くいた。エルミタージュのレンブラントコレクションは数が多いので、この絵は記憶から消えていた。深い内面描写に惹きこまれる。レンブラントといえば、6/30から東京都美で開幕する‘マウリッツハイス美展’で最晩年の自画像が展示される、楽しみ々!

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コメント

こんばんは。そう千足先生の監修ですね。
マティスはとてもうるさい、借りるにも色々条件付きだと話されてました。
ですから、こう言うblogでもマティス写真載せられないですね。
時々知らないためか載せているの見かけますが。
混雑はいかがでしたか?
明日はその千足先生講演会あるんですよね。整理券もらって、展覧会みて、聴講しようか思案中。

投稿: oki | 2012.05.11 22:28

to okiさん
この展覧会はすごくいいです。目玉はマティス
ですが、ほかにもいいのが沢山あります。図録
に載っているのが多いですから、レベルは高い
です。

5/9は休み明けのためかもしれませんが、
10時の開館には結構な人がいました。
1階でセザンヌをやり、2階でエルミタージュ
ですから、国立新美はヒットを連発しますね。

投稿: いづつや | 2012.05.12 15:47

今日行って来ました。
さすが、2つ大きな展覧会やってるので、乃木坂駅降りる人多かったですね。
セザンヌの方が会期修了間近ですから、混んでいたような。
大エルミタージュ、本当に名前聞いたことのない人も多いですね。
マティスに期待していたら、二点しか出てない。
前に東京都美術館でやったときには、マティスかなりあったようですね、図書室でその時の図録見ました。
レンブラントの絵もよかったですね。あと裸のモナリザ、まで出ていて驚きました。
図録の千足先生の特定の絵を取りあげずに、時代背景を解説する論考に脱帽です。

投稿: oki | 2012.05.13 21:54

to okiさん
国立新美は今年も快調ですね。ここへ出かけるの
が楽しみになってきました。

エルミタージュのマティスコレクションは最強
です。そのなかの傑作‘赤の部屋’ですから、
この絵をみるだけでもでかける価値はあると思い
ます。

千足さんの論考は本当にいいですね。西洋絵画の
流れがよくわかります。

投稿: いづつや | 2012.05.14 00:46

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