最も魅せられたマティスとライトの絵!
1999年、エルミタージュ美術館をはじめて訪問した。古典絵画も近代絵画もおもわず立ち止まる名画がここにもあそこにもあるという感じ。そのなかで沢山みたなという思いが強いのがレンブラント、ゴーギャン、そしてマティス。
そのマティス(1869~1954)の傑作中の傑作‘赤い部屋’が最後の部屋にどーんと飾ってある。ゴッホがイエローパワーなら、マティスはレッドパワー。テーブルと後ろの壁は同じ平面のように赤で塗りこめられ、アラベスクの模様でリズミカルに装飾されている。左上の窓のむこうには大きな花がみえるが、花を描いた絵が壁にかけてあるようでもある。
この絵がとても落ち着いた気分でみられるのは平面的な構成のなかに遠近法の要素も入れているから。窓の外に描かれた小屋が消失点になっている。今回驚いたのが女性の目と眉毛、緑色で描かれていた!図録の図版は緑をひろってないし、現地でこの絵をみたといっても緑の眉毛のことなど記憶から消えている。名作をみると本当にいい気持ちになる。‘赤い部屋’が来たのだから、次は‘ダンス’。二度目の対面がはたして叶うか?
初見の絵で大きな収穫だったのがライト・オブ・ダービー(1734~1797)の絵。ライトの作品は過去にみたのはテート・ブリテンにある‘ヴェスヴィオス火山の噴火’(拙ブログ4/7)のみ。この画家がホントホルストのような‘キャンドルライト画’を描いていたことはまったく知らなかった。この度は‘幼少期のキリスト’をみたあとに、この‘外から見た鍛冶屋の光景’が現れたので、その光と影の対比に目を奪われた。ロンドンナショナルギャラリーの図録には同じような絵が載っているので次回は見逃さないようにしたい。
3冊も購入したエルミタージュ美の図録に◎をつけていたセザンヌ(1839~1906)の‘カーテンのある静物’が出品されたのは大ヒット。これはオルセーにある‘リンゴとオレンジ’などとともにMy‘静物画ベスト5’に入れている作品なので、しばらく見入っていた。
GWにどこかのTV局が放送していた‘エルミタージュ美特集ーダ・ヴィンチとマティス’の冒頭にでてきたのがピカソ(1881~1973)の‘マンドリンを弾く女’。現地でみた覚えはないが、とても気になる絵だった。でも、この絵も今回やってきているとは頭がめぐらなかった。女の丸い顔にとても惹かれていたので、夢中になってみた。
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