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2012.05.13

蕭白パワー全開 ‘群仙図屏風’登場!

3846_2     ‘群仙図屏風’(重文 1764年 文化庁)

3847_2     ‘群童遊戯図屏風’(18世紀 九博)

3845_2     ‘唐獅子図屏風’(18世紀 加島美術)

3844_2     ‘月夜山水図屏風’(重文 18世紀 近江神宮)

‘曽我蕭白と京の画家たち’展(4/10~5/20)の後半に登場する作品をみるため再度千葉市美へ足を運んだ。曽我蕭白(1730~1781)は前半(拙ブログ4/19)と後半あわせると59点をみることができる。東博のボストン美展に出品されている蕭白11点をみてここの回顧展もみたら、‘蕭白倶楽部’の会員になれること請け合い。

‘群仙図’をみるのは4年ぶり。東博であった‘対決ー巨匠たちの日本美術展’(08/7/13)のときより、今回のほうが気持ちがぐっとのめりこんでいる。これはこの回顧展の前にボストン美蔵の‘雲龍図’と‘風仙図’をみているから。

目の覚める青い衣裳を着た人物が乗っている龍の鼻の大きな穴は‘雲龍図’の鼻とよく似ている。そして、二つの渦巻きや猛烈に吹き上げる風はすぐ‘風仙図’を連想させる。では、波はどうか、ちょっと違っている。この‘群仙図’の波はずいぶん丁寧に描かれている。波頭が下にカールする部分が細かいうえ、水が勢いよくせりあがっていくところを細い線を横に何本も引くことにより表現している。なんだかレースのカーテンをみているよう。

‘群童遊戯図’は2年前板橋区美であった展覧会(10/10/6)ではじめてお目にかかった。これは左隻のほう。真ん中で鰻と格闘する子どもや左端で捕まえた亀をめぐって喧嘩している二人の男の子に目がすーっと寄っていく。こういう子どもたちの遊んでいる姿を描いた絵は心が安まる。

初見の絵で一番の収穫は‘唐獅子図’。とくに右の獅子の子落としを夢中になってみた。背中の輪郭線が濃い墨で描かれた親獅子の下をみつめる目が威厳に満ちている。‘おっ、また落ちたな、そう簡単にはここまでは上がってこれないのだ。情けない顔をするんじゃない。でもあいつ、相当参っているからちょっと心配だな、ううーん、がんばって上がってきてくれよな’

山水画は大変魅了されている‘月夜山水図’と‘山水図押絵貼屏風’(京博)の前に長くいた。府中市美で開催された‘山水に遊ぶ’展に出品された‘月夜山水図’(09/4/30)は花を描いた胡粉の小さな白い点や建物の一部に塗られた赤がじつに印象深い。また、金泥の横線で描かれた霞にも目が吸い込まれる。

一見すると岩や滝、塔の垂直性が強くイメージされるが、画面全体をゆっくりみていくと下のほうには円い形の石橋があり、また滝のまわりの山々はもっこりしたフォルムで量感豊かな姿をしているので、角々した感じと柔らかい雰囲気が悠然と溶け合った感じになっている。

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