草間彌生の最新作に200%KOされた!
埼玉県近美で現在行われている‘草間彌生展’(4/14~5/20)をみてきた。この美術館はしばらく行ってなかったから、北浦和駅を地図で再確認して電車に乗った。JRの原宿からだと池袋と赤羽で2回乗り換えがあるから結構時間がかかる。
館の入り口は赤の水玉模様一色、この演出なら中はもっと楽しいだろうと思って2階へ上がった。今回はチラシがなく、作品については最近制作されたものが並ぶのだろうとアバウトの予想。それは当たったが、目の中に入ってきた作品106点のインパクトの大きさは半端ではない。草間彌生は今年83歳、超怪物アーチストの生み出した作品に200%KOされた。
2009年にはじまった‘わが永遠の魂’シリーズは140点をこえという。このなかから47点が飾られている。マドリードのソフィアセンターとかパリのポンピドーなどの一級の近現代美術館をまわる回顧展に出品されているのもこの最新シリーズなのだろう。
作品の多くに登場するのが図案化された横顔、そして目。また靴のような意外なモチーフもある。最も惹かれたのは‘花園にうずもれた心’。赤と緑の大きな花びらが強く印象に残り、上の無数の小さな赤い点を短い黒の線でつないだ模様が画面をひきしめている。
最新作の自画像3点のなかで強烈に吸い込まれたのが‘神をみつめていたわたし’。女性は神を崇めているときの表情が一番美しい。どうでもいいことだが、瞬間的に楠田枝理子を連想した。
黒白の‘愛はとこしえ’50点も時間をかけてみた。横顔にはいろいろなヴァリエーションがあり、それを円をつくるように並べたり斜めに配置して動きをつくっている。お気に入りは‘朝が来た’。顔だけでこれほどハットさせる構成が生まれてくるのだから、クサマの造形感覚はやはり並みではない。
全体の作品をみていくなか、ふとフンデルトヴァッサーの絵が思い出された。親和性の高いのは‘河のながれ’とか‘女たちのつどい’。このフォルムに色をつけると二人の絵は似てくる。
何年か前東近美で草間彌生の回顧展があたっとき電飾ルームを体験したが、今回は2度も部屋の中へ入った。平日だからすぐ入れたが、土日は大変だろう。作品を見終わったあと寄ったショップでは草間グッズがよく売れていた。いまやその人気はうなぎのぼり。マドリード、パリでも同じことが起こっているにちがいない。
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