目を楽しませてくれる京の画家たち!
伊藤若冲の‘月夜白梅図’
千葉市美の蕭白展では最後のコーナーに曽我蕭白と同時代に活躍した絵師たちの絵が展示してあり、目を楽しませてくれる。
数の多いのが伊藤若冲(1716~1800)。前後期でなんと11点。ミニ若冲展をみているよう。前期に展示してあるのは‘月夜白梅図’や‘鷹図’など7点。お気に入りの‘白梅図’は会期中出ずっぱり。この絵を心行くまで楽しむには単眼鏡が欠かせない。花びらの小さな小さな黄色の点やつぼみの根元のえんじ色をいい気分でみていた。
今年は蕭白が大当たり!だから、蕭白の龍や波、そして京劇役者の化粧を連想させる強烈な赤や青が心のなかを占領しているが、もうひとりの人気絵師、若冲の作品も結構楽しんでいる。
ボストン美展では‘鸚鵡図’と‘十六羅漢図’に遭遇したし、府中市美で行われている‘三都画家くらべ展’(5/6まで)でも85年ぶりに登場した‘垣豆群虫図’など4点が姿を現してくれた。まさに江戸絵画の花盛り。
若冲のほかでは池大雅(1723~1776)が4点、与謝蕪村(1716~1784)2点、円山応挙(1733~1795)4点、長澤芦雪(1754~1799)1点。前期に登場した作品で足がとまったのがはじめてみる大雅の‘関羽図’。大雅の描く人物は顔も体も丸々しているのが特徴。強い武将というよりは徳の高い大人物と対面している感じ。
蕪村の‘寒山捨得図’をみるのは二度目。4年前、MIHO MUSEUMでみたときと違いこの度はどうでもいいことだが、箒(ほうき)をもっている捨得が民主党の輿石幹事長にみえて仕方がなかった。
千葉市美が所蔵している応挙作品のなかでは‘秋月雪峡図屏風’(後期)が一番のお気に入り。これまで図版がなく残念な思いをしていたが、やっとこの絵が載った図録を手に入れることができた。これもこの展覧会の収穫のひとつ。
| 固定リンク
コメント