グッドニュース! セザンヌの‘赤いチョッキの少年’発見
‘赤いチョッキの少年’(1888~90年 ビュルレ・コレクション)
‘サンク・ヴィクトワール山’(1904~06年 プーシキン美)
今日、海外から嬉しいニュースが飛びこんできた。08年盗難にあったセザンヌの大変有名な絵‘赤いチョッキの少年’が発見されたというのである。発見された場所はセルビア国内。この絵はスイスのチューリヒにあるE.G.ビュルレ・コレクションで強奪されたあと、セルビアに移されていた。
ベオグラードで逮捕された犯人たちは350万ユーロ(約3億7000万円)で売却しようとし捕まる前に280万ユーロを手にしていたという。こういう盗難品を4億円くらいで買おうとしていたコレクターが存在し、まさに取引が成立しようとしていた。謎のコレクターはこの名画を秘密の部屋に飾り永遠に楽しむつもりだったのだろう。
絵がビュルレ・コレクションから手放されることは絶対にないが、80億円以上の価値がある名画が4億円をだせば一生手元においてみられるのなら、盗難品とわかっていても手がでる。お金ならいくらでも持っている山師みたいなコレクターはごまんといるから、闇の世界でこういう美術品取引がよく行われているにちがいない。
以前‘もっと見たいセザンヌの名画’(拙ブログ09/1/5)でとりあげた‘赤いチョッキの少年’が幸運にも発見されたので、計画しているスイス美術館めぐりの楽しみがまたひとつ増えた。今、セザンヌの追っかけ画は一桁。見たい度の順番をつけると、
1.‘赤いチョッキの少年’
2.‘マルディ・グラ’
3.‘サンク・ヴィクトワール山’(フィラデルフィア美 09/1/5)
4.‘リンゴの籠’
5.‘大水浴’(フィラデルフィア美 09/1/5)
6.‘サンク・ヴィクトワール山’(プーシキン美)
‘リンゴの籠’は08年シカゴ美を訪問したときは運悪く展示されてなかった。セザンヌの描いたモチーフのなかで静物画が一番のお気に入りだから、この絵はなんとしてもリカバリーしたい。そして、プーシキンとフィラデルフィアにも傑作が揃っている。印象派コレクションで有名なこの二つの美術館がこれからの美術館めぐりの大きなハイライト。
一歩々前進したい。
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