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2012.04.11

ディックスの一度みてみたい絵!

3726_2     ‘サロンⅠ’(1921年 シュトゥットガルト美)

3728_3     ‘大都会’(部分 1927~28年 シュトゥットガルト美)

3725_3     ‘マルタ・ディックス夫人の肖像’(1928年 エッセン フォルクヴァング美)

3727_2        ‘シルヴィア・ハルデンの肖像’(1926年 パリ ポンピドーセンター)

グロス同様気になるのがオットー・ディックス(1891~1969)。その作風はグロスほどではないがカリカテュア的なところがあるので関心を寄せているが、縁はまことに薄い。はっきりみたといえるのは2点しかない。

パリのポンピドーを訪問する度に強く印象づけられるのが‘シルヴィア・ハルデンの肖像’。一見すると男性のようにみえる、ある時期までてっきり男性と思ってみていたが、じつは女性でジャーナリスト。リベラルな女性ということは煙草をもつ手のしぐさによく現れている。論理的なしゃべり方ができない男が議論をしかけてきたら‘あのネー、あなたこんなこともわからないの?’とこてんぱんに論破されそうな感じ。

ディックス夫人を描いた作品は今から16年前にあった‘フォルクヴァング美展’でお目にかかった。何も描かれてない背景に浮き上がる黒々したお河童髪が印象的でいまでもよく覚えている。どうでもいいことだが、こういう髪をした女性が一昔前の外国映画によくでてきたような気がする。また、若い頃ジュネーブに住んでいたとき、現地在住の日本人女性で歳はだいぶとっているのにどういうわけはこういう少女風の髪をしていた人を多くみかけた。

ドイツのシュトゥットガルトにある美術館を訪問するのは簡単なことではないが、ここにある‘サロンⅠ’と三幅対に描かれた‘大都会’はとても気になる絵。‘サロンⅠ’はロートレックも描いている娼婦のサロン。右の真ん中にいる女は最も綺麗に着飾っているから指名ナンバーワンかもしれない。その左隣では厚化粧の老練おばさんがとりすまして客を待っている。

ベルリンの歓楽街での様子と戦争で負傷した兵士を一緒に描きこんだ‘大都会’も画面のなかに惹きこまれる。サックスの享楽的な音色に合わせて派手な衣裳に身をつつんだ二人の女がいい気分で踊っている。

ディックスの社会をみる目は鋭く、中央の画面で繁栄の極みに光をあてる一方、その店の外では足を失った兵士が石畳を杖を使い辛そうに進んでいく光景も描いている。この闇の部分もとらえ世の中を痛烈に風刺する深いリアリズムは心を揺るがす。

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