いつか行きたい美術館! モンペリエ ファーブル美
南フランスは昔スイスのジュネーヴに住んでいたころクルマで行ったことがある。今から30年前のこと。訪れた街はモナコ、ニース、カンヌ、そしてアヴィニョン、そのあとスペインのバルセロナをめざした。
当時は美術鑑賞に今ほどほどのめりこんでいなかったが、ニースではシャガール美に入館した。聖書を題材にした大きな絵がいくつもあり、鮮やかな赤や黄色、青の輝きが今も目にやきついている。そして、マチス美へもクルマを走らせたのだが、生憎閉館だった。
ファーブル美があるモンペリエはバルセロナへ向かう途中、高速道路の行き先表示にその名前はでてきたのだろうが、そこに有名な美術館があったことなど知るよしもない。ファーブル美が頭のなかに入ったのは7年前損保ジャパン美にやってきたクールベ(1819~1877)の傑作‘こんにちはクールベさん’(拙ブログ05/7/13)をみてから。
そして、08年パリのグランパレで開催されたクールベの大回顧展に展示された作品と遭遇し、ファーブル美がオルセーに次ぐクールベコレクションを所蔵していることがわかった。‘こんにちはクールベさん’のほか‘パラヴァスの海岸’、‘眠る糸紡ぎ女’などいい風景画や肖像画に魅了されっぱなし。
これらの作品はモンペリエの銀行家でクールベのパトロンだったブリュイヤス(1821~1877)が所蔵していたもの。ブリュイヤスは同世代のクールベと仲がよかったらしく、肖像画を数点描いてもらっている。
クールベの作品はかなりみたから関心はほかの画家にあるが、気になっている絵が数点ある。その一つがもう何年も前から画集で惹かれているバジールの‘村の眺望’。ルノワールの盟友だったバジール(1841~1870)はモンペリエでワインを製造する裕福な家庭に生まれた。画面の手前に描かれた目力のあるこの女性といつか会いたい。
ドラクロア(1798~1863)の描く躍動感のある馬の姿にもぐっと引きこまれる。この美術館にはサプライズがまだまだありそうな予感がするので訪問リストに入れている。
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