もっと見たいブリューゲルの名画!
‘ベツレヘムの嬰児虐殺’(1565~67年 ウィーン美術史美)
‘雪中の東方三博士の礼拝’(1567年 オスカー・ラインハルト・コレクション)
2週間前に放送されたBSプレミアム‘極上美の饗宴 バベルの塔’をみて、ブリューゲル(1526~1569)の絵がまた頭のなかを占めるようになった。
‘極上美の饗宴’は毎回興味深くみているが、いつも収穫が多い。この番組でおもしろかったのは実物の10倍の450インチの大画面に映し出された‘バベルの塔’。画集では塔の建設現場で働いている人物たちは細かすぎてよくみえないのにここでは画面の密度を落とさずみせてくれる。これがTVの醍醐味。
また、ジオラマ作家のつくった模型がとてもよくできていた。この作家のことはまったく知らなかったが、この世界では一番有名なのだろう。できあがった立体の‘バベルの塔’を公開することがあるのならみてみたい。
ブリューゲル作品の情報でひとつ加わったのがプラドが所蔵することになった新発見の‘聖マルティン祭のワイン’。昨年のベルギー旅行で念願の‘悪女フリート’(拙ブログ11/12/24)や‘サウルの自殺’(11/12/22)、‘鳥罠のある冬景色’(11/12/16)をみたあとにこの絵が登場したということは‘次はこの絵をみなさい’というミューズのお告げかもしれない。
これを含めて今、ブリューゲルの作品で関心が高いのは5点。見たい度の筆頭はベルリン美にある‘ネーデルランドの諺’、各場面をひとつ々目にやきつけたい。アメリカのデトロイトにある‘農民の婚礼の踊り’も一度みてみたいが、これは夢のままにおわる可能性が強い。ブリューゲルのこんないい絵がどうしてデトロイトにあるのか?、その経緯を敬愛する森洋子女史に伺ってみたいが、目利きの富豪コレクターがいたにちがいない。
ブリューゲルの油彩画は50点前後といわれているが、ウィーン美術史美はそのうち14点を所蔵している。これまで運良く12点みることができた。残るは‘ベツレヘムの嬰児虐殺’と‘嵐の海’、‘嬰児虐殺’については情報が二つあり、ロンドンの王室コレクションにも同名の絵がある。
まったく同じようにもみえるが、画面を仔細にみると一部がわずかながらちがっている。だとすると二つは別ヴァージョン。それとも、どちらかの記述がまちがっている?ウィーンで確かめたいが、この絵がいつも展示してあるかわからないのでちょっと厄介。
スイスのヴィンタートゥールにあるオスカー・ラインハルト・コレクションはBS番組のおかげでいろいろ情報が入り今では憧れの美術館。ゴッホやルノワールの絵とともにブリューゲルの‘雪中の東方三博士の礼拝’との対面を心待ちにしている。
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